『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』の旅公演も千秋楽を迎えることとなりました。
さて、大トリを飾るのは…
7月16日(火)【東京都】 飛鳥高校(練馬文化センター・大ホール)
飛鳥高校
こちらは過去に『Touch〜孤独から愛へ』を2回、『肝っ玉おっ母とその子どもたち』、『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』と4回
上演してきました。
5回目の今回はバリアフリー演劇『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』果たして、初のバリアフリー演劇は飛鳥高校の生徒さんたちにどうひびくのか、こちらも楽しみにしていました。
今回は学校に近い北とぴあではなく、少し離れた練馬文化センター(大ホール)での公演でした。
開場と共にワイワイしながら入場。
楽屋のモニターから生徒さんたちの賑やかな声が聞こえてきました。
司会の先生の諸注意のあと、大きな拍手をもらって開演。
音楽やアナグノス役の緒方の語りに聞き耳を立て、それと同時に始まる小島の手話、字幕に見入る空気感が舞台袖でスタンバイをしている私たちも感じ取れるほど向き合ってくれたところからのスタート。
1幕が終わり、休憩時間の間は10名ほどでしょうか、装置等に興味を持った生徒さんたちが自発的に舞台に上がって興味深そうに見学をしてくれました。
第2幕。
リラックスした中にもラストに向けて集中力が増していき、音声ガイドの辻由美子が客席後方から生徒さんたちを見ていてもそれがとても感じられたと話していました。
カーテンコールでは司会の先生が再度私たちを舞台に呼び込んで下さり、とても盛り上がった中で終演を迎えることができました。
終演後、ロビーには渋谷、倉八、辻、小島の4名で生徒さんたちを見送らせてもらいました。
中には手話を勉強中の生徒さんも何人かいて、かなり刺激になったようです。
皆さんそれぞれに「楽しかった!」「面白かった!」と声を掛けてくれながら元気に会場をあとにして行きました。
今回、新たな演劇の可能性を感じて欲しいとのことで、バリアフリー演劇上演が実現。
飛鳥高校は毎年9月に催される文化祭《飛鳥祭》の一番の目玉に3年生による演劇コンクールが開催され、近隣の中学生も大勢見学に来るなど、大変盛り上がるそうです。
演劇を上演するだけでなく、演劇を通して生徒たちの交流を深めたいという先生の思いを引き受け、劇団員の西垣がコンクールに向けてのワークショップの講師をしています。
演劇が身近に存在し、なおかつ多様性を目指す学校の生徒さんたちに〈障害がある人もない人も、誰もが楽しめる演劇〉の経験が豊かで、実りあるものになっていることを願っています。
今旅も無事に千秋楽を迎えることができました!
振り返ってみると、とても長かったような、あっという間だったような不思議な感覚を覚えつつ、一回一回の公演にとても印象的なエピソードを思い出します。
そこにいた全ての皆さんにとっても素敵な時間となっていたら、こんなに喜ばしいことはありません。
『ヘレン・ケラー〜ひびき合うものたち』上演に向けて尽力下さった方々、そこに一緒にいてくれた皆さん、物理的にも力を貸してくれた皆さん、心から感謝申し上げます。
本当に本当にありがとうございました。
ひとつの区切りは迎えましたが、風の旅は終わりを知りません。
これからも続く旅の中で、またお会いできたら幸いです。
最後になりましたが、どうぞお元気でお過ごし下さいませ。
ありがとうございました。
文:仲村三千代(ケート・ケラー役)