5月のうららかな季節と共に今年も、2016年東日本地域・京都巡回公演、「ヘレン・ケラー ~ひびき合うものたち」の旅公演が始まりました。
東京の劇場から出発して迎えた第1周目は、群馬県から始まり、山形県、新潟県での公演となりました。
5月16日(月) 長野原高校(同校体育館) 群馬県
17日(火) 吾妻高校(同校体育館) 群馬県
19日(木) 羽黒高校(同校体育館) 山形県
20日(金) 帝京長岡高校(長岡市立劇場) 新潟県
長野原高校
ツアー初日の公演は、群馬県の長野原高校です。
風の公演は、2002年の「ヘレン・ケラー」以来の14年ぶりの公演となりました。
前日に仕込みを終え、当日の開演前の午前の時間に、クラスごと、3年生、2年生、1年生の順番にバックステージツアーを行いました。
舞台から舞台裏、音響、照明まで、劇場となった体育館に驚きの声をあげながら、隅々までクラスの友人、先生たちも一緒になって堪能していた様です。
そして、迎えた午後の本番では、校長先生からの「私はタイトルにある“ひびき合うものたち”というフレーズが気になります。人間が生きるということはどういうことでしょうか」という、メッセージを受けての開演となりました。
本番が始まると、バックステージツアーの明るい表情とはまた違った、集中した静かな視線に支えられた公演でした。
終演後は、全校生徒と共に、公開座談会も行われ、生徒さん、先生からも思い思いの質問をぶつけてくれる、素敵な空間となりました。
終演後の撤去作業にもたくさんの生徒さん方が集まってれ、生き生きと手伝ってくれる姿に私たちも助けられました!
バックステージツアー、そして、公開座談会を企画した、担当の先生方の子供たちへの思いの詰まった、濃密な一日となった今回の公演が、長野原高校の皆さんにとって、大切な時間となってもらえれば幸いです。
吾妻高校
ツアー2日目は、同じく群馬県の吾妻高校での公演でした。
福祉科のある女子高であり、1999年以来、17年ぶりの風の公演となりました。
また、2020年には、中之条高校と合併することが決まっており、吾妻高校としては、最後の芸術鑑賞行事となりました。
午前中の搬入作業には、朝の早い時間から、視聴覚委員会の生徒さん方がお手伝いに来てくれました。
午後の公演では、女子高ならではの明るく元気な声で入場してくる生徒さんの声が、響いていました。
普段自分たちが使っている体育館が劇場に変わっている姿に驚いているようでした。
そして視聴覚委員会の生徒さんの司会で始まった公演。
重く、静かな雰囲気の中、しっかりと舞台を体でとらえ、一人一人が舞台に呼応しながら、向き合ってくれている姿が印象的でした。
カーテンコールでは、生徒会長さんの素敵な挨拶と花束、そして、お菓子を頂きました。
終演後には、座談会も行われ、演劇部の生徒さんと、写真部の生徒さんが集まってくれました。
演劇部も写真部の皆さんも、別々ではありますが、7月の作品発表に向けて、部活の仲間と協力して、作品を作っているそうです。
また、演劇部の公演の時は、写真部が袖から写真を撮ったりと、お互いの部活が協力しあっているそうです。
公演、劇団への質問から、自身の学校生活のことを生き生きと語ってくれる姿は、とても輝いていました。
そして、撤去作業にも、ダンス部、バレーボール部、バスケ部、視聴覚委員会などなど、たくさんの生徒さんがお手伝いにきてくれました。
ダンス部は、47人もいるそうです!
今回の公演が、彼女たちにとって、学校生活でのかけがえのない瞬間となってもらえたらという想いでした。
羽黒高校
ツアー3日目は、山形県の羽黒高校での公演でした。
1999年の「Touch」、2011年の「肝っ玉おっ母とその子供たち」に続く、風3回目の公演です。
また、今までは鶴岡高校との会館での合同公演でしたが、今回は、合同ではなく、そして、初の体育館公演となりました。
入場し、体育館いっぱいになった生徒さんの、今か今かと、これから何が始まるとのだろうかという、熱気に包まれた雰囲気のなか、盛大な拍手と共に始まった公演。
本番中も冷めない熱気に包まれながら、作品と向き合ってくれていました。
カーテンコールでは、生徒会長さんからの素敵な挨拶と、花束、そして、ぎっしりと箱に詰まった、美味しい羊羹を頂きました!
本当にありがとうございました!!
終演後には、座談会も行われ、IMSC部(ITメディアサイエンスクラブ)などの生徒さんが集まってくれました。
皆、しっかりとした言葉で、感想や自分のこれからの進路へ向けての相談など、とても熱く語ってくれる姿は印象的でした。
また、撤去作業にもバスケ部などのたくさんの生徒さんも集まってくれて、あっと言う間に劇場から普段の体育館に戻りました。
暑い中ではありましたが、皆も一生懸命に一緒に公演を作ってくれる姿に、私たちも支えられました。
帝京長岡高校
今週最後は、新潟県の帝京長岡高校の公演でした。
帝京長岡高校では、風は初めての公演となりました。
今回のツアー初めての会館。
会場となった長岡市立劇場の客席には、1000人を超える帝京長岡高校の皆さんがぎっしりと座っていました。
本番が始まると、濃密な視線が一気に舞台へ集中し、客席からの呼吸の聞こえる舞台となりました。
また、カーテンコールでは、生徒会長の想いの込もった挨拶、そして、校長先生から、「人との出会いの大切さ、その一瞬の出会いから何が起こるか分からないのです。」と生徒さん達に向けて強いメッセージを残してくださいました。
終演後には、演劇部と、希望者による、バックステージツアーと座談会も行われました。
工夫のされた舞台に皆、興味津々、「今後の作品づくりへの参考にしたいです。」と目を輝かせながら、語ってくれました。
今回の座談会は、照明の坂野さん、そして、新潟県出身である、音響の渡辺と共に行いました。
役者だけでなく、スタッフワークもこなす演劇部の皆さんは、照明プランナーの坂野、渡辺の話にも強く耳を傾けていました。
現在、作品づくりに取り組んでいるという演劇部の皆さん。
彼女たちの想いの込もった、とても熱のこもった座談会となりました。
天候にも恵まれた暖かな気候、そして、負けないぐらい、暖かな出会いと子供たちのパワフラな力強いパワーに支えられながら始まった「ヘレン・ケラー~ひびき合うものたち」の巡回公演。
そして、まだ見ぬこれからのたくさんの出会いを想い、私たちも頑張っていきます!
ヘレン・ケラー役 倉八ほなみ