15日は、天気予報が悪くて、中止しようかどうか迷いに迷った挙句、テレビの天気予報では、山梨と静岡の県境あたりは意外に雲が通らないみたいだったし、前日の東京の雨がごく小雨で、このくらいだったら登れるかも、ということで、予約をキャンセルすることなく、早朝の新宿駅から御殿場に向かった。山と自然ネットワークのコンパスから登山計画を提出したのは前日の夜の11時過ぎになってしまった。下山予定の5時間後から捜索開始される予定にしておいた。
幸い家を出る時には雨は止んでいた。御殿場に着いたら、小雨が降りだしてしまった。車窓から見る街中の桜、枝垂桜などは終わりかけていた。
バスで前に下車した愛鷹登山口を通り過ぎると、車窓から杉林の中にしろっぽい花が沢山見えた。ミツマタの群落だった。帰りの車窓からの写真もぶれています。左半分に見える白い点々がミツマタでした。
それから、手入れが多少された杉林を通り抜けると、忠ちゃん牧場という看板があり、桜の咲いた坂を上っていくようだった。それから富士サファリパークへバスは入って行った。朝一番のバスに乗る人はいなくて、出口の門が閉まっていたので、バスの運転手さんが係りの人を呼びにいらした。のんびりしたものです。そのあたりはミツバツツジが多く、マメザクラや枝垂桜、コブシなどが植えられたのか沢山見られてきれいだった。(車窓からの写真)
バスは大通りを通るのではなく、十里木高原の広大な別荘地をぐるぐる回った。もう使われていなさそうな建物もあったが、花木が多くて、なかなかきれいで、花を見ることはないだろうと思っていたのでうれしくなった。ペンションも少しあるみたいだったが、この辺はバスも少ないし、車がないと不便そうだ。たいてい2食付きで高いだろうから探しもしなかった。
別荘から出てすぐの大通りの横に、十里木バス停があり、横に屋根付きの待合所があった。行きには気づかなかったが、可愛い絵の描かれたバス停だった。
雨や雪がしのげます。レインウェアのスボンを身に着けてから、出発。9時25分。帰りのバスは14:55が最終。愛鷹登山口に縦走すれば16:48のバスもあるのだが、十里木は通らないのだ。バスの時間があるので、12:00になったら無理せず引き返すことを話し合う。この天気では下山も時間がかかるかもしれないからだった。雨はごく小雨で大したことはない。予報では昼頃に少し雨脚が強まるかもしれないということだ。
登山口のある十里木駐車場を目指して、結構大型車が勢いよく水しぶきを上げて通る道路沿いを歩く。10分ほどで左側に駐車場のトイレと階段が見えて来た。山頂方面にはトイレがないので、トイレによって、いざ出発。駐車場に一台車が止まって、同じくらいの年齢?と思われる男性が話しかけてきた。しかし、その時は、その方達がまさか追い抜いてくるとは思いもよらなかった。
階段状の登山道はかなり痛んできていて、段差が大きくなったりしていたので、脇を歩く人も多いらしく、私たちもそちらを主に歩いた。しばらく頑張るとマメザクラが横に咲いていてなかなかきれい。
階段を駐車場方面に振り返る。反対側はゴルフ場らしい。
それからさらに登ると展望台の木組みが見えた。登って写真を撮るが、もちろん展望はない。本当は富士山が裾野の方から見えるらしい。
さらに先にパラボラアンテナ?がかすんでみえ、ちょっと汚れた中継塔反射板も見えて来た。アンテナの建物の周囲にはフェンスが張られていた。その横を歩く。階段はないが登山道がえぐれている。
メインのえぐれた登山道は滑りやすそうで、私たちは横の踏み跡を辿るが、道は左右に伸びていて、時々どこに通じるのかしら?と心配になる。なるべくロープやピンクリボンを見ながら進むが、リボンは少なかった。所々のマメザクラに癒された。
さらに進むと雨で滑りやすい登山道に苦戦しながら、次第に高度を上げ、馬の背見晴台という標識のところに着いた。あたりは馬酔木の木の白い花が目立ちだす。本当はここからも富士山が見えるらしいが、こちらも真っ白。
この先は、馬の背というだけあって、細い岩場が続く。時々なだらかになるがまた岩場が続き、滑らないように気を付けながら登った。(写真は撮れなかった)
そのあたりだったか、休憩していると、下から声が聞こえてきて、あら、他に登ってくる人がいたわ!と思っていたら、先ほどの車でいらしていたご夫婦が登って追いつかれた。彼らは、男性は小さなザックで、女性はほとんど空身のレインウェアだったからか、ハイキングは初心者とおっしゃる割には猛スピードで追い越していらっしゃった。お二人ともストックはお持ちだったけれど、普段他のスポーツをなさっていらっしゃるのかしらね。
何しろ、荷物を小さくと思いながらも私たちは、なかなか軽くならない。インスタントラーメンを食べようと、ポットにお湯を入れてきているせいもある。コインロッカーに、登山に不要なものを置いてきたので、私は少し軽くなったが、リーダーは相変わらず重そうだった。頑丈な作りなのでザックそのものが重いのかもしれない。
というわけで、相変わらず私たちは、慎重なペースで登り続けた。途中テーブルとベンチが置かれた広場があり、そこでも小休止。そこには、大きな馬酔木が3本あり、白い花で覆われていて、なかなかきれいだった。もちろん展望はなく、真っ白だった。
その先か、背の低い緑のミヤマシキミに赤っぽいつぼみが沢山見られた。少し晴れそうな雰囲気なのですが。
さらに岩交じりの登山道を登っていくと、脇に小さな広場があった。平坦地と書かれていたかしら?かすかに山影が見えていた。
さらに登っていくと空が近くなって、勢子辻への分岐はまもなくだろうと思った。ただ雨足が強くなってきた。
もうすぐ昼なので、ザックを下ろして、インスタントラーメンにお湯を入れて食べようかと思ったが、ツエルトや傘があったの忘れを忘れ、木陰もないので、雨の中食べるのはやめようということになり、分岐までも目指さずに下山することに。ちょっと残念。多分分岐までくらいは行けたと思うのだが。。。
折り返し地点につつじの木らしい植物があったが、雨で写真撮る余裕がなかった。山頂近くに群落があり、5月半ばになったら愛鷹つつじの花がみられるらしい。
結局、途中にあったテーブルとベンチのところで食べようかと話していたが、雨脚が弱まらないので、お菓子だけ食べて、そのままバス停で食べようということになった。
そのあたりだったか、先ほど追い抜いていらしたお二人が下りていらっしゃった。頂上までいらっしゃいましたか?とお聞きしたら、行ってきたとのこと。女性の方は、ズボンがドロドロになって…とおっしゃったが、私の方も同じくらいドロドロだった。すごいですね。彼らは休むことなく、そのまま、滑りやすい道をどんどん降りていらっしゃった。私たちは、重いザックで滑らないように気を付けながら降りたので、大分差がついてしまった。
リーダーはメインの深いU字溝のような登山道を避けて、横の入り組んだ笹の中の道を進んだが、ふと見たらメインから大分離れて来たので、メインに戻ったまもなく階段だった。
ゆっくり階段を下りていくと、脇に白い小さな花が見えた。マメザクラの花が落ちたのかしらと最初思ったが、よく見たら白いスミレだった。丸っこい小さな葉があったのでマルバスミレかもしれない。
後紫のスミレは立ち壺すみれだろうか?何しろ雨で下を向いていつぼんでいるので、良くは分からなかった。
そうそう、ダンコウバイの花殻が登山道に沢山落ちていた。まだ花がついている木もあったが写真には撮らなかった。
無事にトイレ横に降り着いた。駐車場には数台車が止まっていたが、登山の人では、なさそうだった。先ほどのお二人の車はとっくに居なくなっていた。
ドロドロを洗うところないかしら?と探したらありました。トイレの道路側に水道とたわしなどが置かれていた。最初水を止めてあるのかなと思ったら、開け方が書かれていて、大きなプラスチックの取っ手を回せば水が出た。
靴の泥を落とし、レインウェアのズボンの泥を水をジャージャーかけながらたわしでこすり、ストックの泥を落とした。ゴムキャップを輪っかでつけたままにして使っていたら、キャップの中は泥だらけで、それを水道で押し流した。手袋もどろんこで、マスクを触ったら真っ黒になってしまったので、何回もすすいで洗ってから、また手にはめた。素手よりは暖かく感じた。ザックに防寒手袋もあったけれど、雨除けのザックカバーを外して、取り出すのが大変だったのだ。
流しは、泥が溜まって水が流れにくくなっていたので、取っ手付きのブラシの毛がほとんどなくなったもので、泥さらいまでしてしまった。誰か今度行く方はブラシを寄付してくださると良いですね。
まあ、きれいになったかなというところで、十里木のバス停に移動した。
バス停のベンチは少し汚れていたが、乾いていたので助かった。他に誰もいないので、ゆったりレインウェアを外したりしてから、シートを広げて、カップラーメンにお湯を注いで、食事とした。持参のものも少し食べた。しかし汗が冷えてきて寒くなって来た。まあ、温かいものを食べ、お茶も入れて、暖まることができた。華やかなバス停の絵の前で写真を撮ったりしているうちにバスが到着して、無事に乗り込んだ。帰りは大通りをそのまま行くのかなと思ったら、やっぱり別荘地を通り、ミツバツツジとマメザクラや枝垂桜、レンギョウなどがきれいに咲いているのも再度見ることができた。富士サファリパークでは数人が乗り込んで、御殿場駅に向かった。上がるかと思った雨は、また降りだしてしまった。
駅近くのビジネスホテルで手続きして、部屋に入ったが、濡れたものを乾かすにはハンガーが足りないので借りに行ったり、ばたばたしているうちに、コンパスの登山届の下山通知を送ることをすっかり忘れてしまった。
気づいたのは、捜索が始まろうという時間のちょっと前。やっとスマホを取り出して、メールを見たら、家の家族から、「下山通知が来ないけれど、無事なの?」というメールだった。慌てて、コンパスの方の下山通知を出そうとしてメールを見たら、下山時間を大分過ぎているが下山していたら通知を出すように、というメールが届いていて、慌てて下山通知を出してから、家族に無事だとメールした。
帰宅してから、相当に心配した様子で、確かに悪天候の中、下山時間になっても通知がなく、2回電話しても出ないし(電車の中で音を消していた)、メールの返事もないし、警察に相談しようかと思っていたとのこと。本当に申し訳ない事でした。もう一人の家族は普段同居していないし、仕事で忙しかったからかもしれないが、それほど気にした様子はなかったが、在宅勤務の同居の家族には相当に心配をかけてしまった。
天気の悪いときとか、危なそうな山の時は、時々家族に連絡を入れるべきでした。反省!
まあ、部屋で持参のおかずを少し食べてから、ホテルの無料のカレーを頂き、リーダーは1人一杯だけの無料のお酒の中から、キリンのウィスキー(御殿場にキリンのウィスキー醸造所があるそうで、コロナ禍の前は見学もできたらしいが今はやっていないそうだ)を頂いて、おなか一杯になって、無事に休むことができた。
余り暖房が強くならず、乾くかなと思ったものも、朝にはほぼ乾いて、助かった。ただ洗濯機もあるらしかったので、びしょびしょの手袋は脱水すればよかったが、絞ったままだったので乾かなかった。
今回はずぶぬれになるほどの雨ではなくて、マメザクラ(富士桜とも箱根桜ともいうらしい)が沢山咲いていて、頂上は極められませんでしたが、どっちみち展望は真っ白だったし、予想よりは寒くなく、思いのほか楽しいハイキングでした。