かずさんの、ふらり日々是好日の記

ふっても てっても  日々是好日  泣いてもわらっても 私の一生の中の きょうが一番いい日だから

380 航空運送貨物の運賃特例 

2008-03-17 | 関税評価
先日、4月から1年間使用される「通常要すると認められる運賃及び保険料の額」が税関長から公示されましたので、この機会に解説します。
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輸入品の課税価格は、関税定率法第4条から第4条の8の規定に基づいて計算することになっています。

 この第4条の6が、「運賃特例」といわれている規定です。

ご承知のようにCIF価格が課税価格ですから、取引がCIFでない時は、FやI、つまり運賃や保険料をプラスします。

そこで、航空機で運送された貨物については、原則として ①20万円以下の無償見本 ②災害救助等のための緊急輸入貨物 ③10万円以下の個人的寄贈品 ④当初の契約は、船舶での輸送だったが、輸出側での製作遅延などで航空機による運送に切り替え、その運賃増額分を輸出側が負担する場合 など(詳しくは、法律とその政令を見てください。) 

などについては、運賃特例といって、「航空機以外の通常の運送方法による運賃及び保険料」によることが出来るとされています。

 平たく言うと、飛行機で運んできても、船で運んだとしての「通常の運賃、保険料」で課税すると言うことです。

定率法の基本通達では、これについて、19年7月から現在の扱いが実施されていますので、見ておいたほうがいいでしょうね。冒頭の税関長の公示は、一定の条件で「通常の運賃、保険料」として使用できる、計算式や数字を規定しているものです。
 
税の世界は、なかなか面倒ですが、知っていると得する規定でもあります。
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先週の金曜日が、ホワイトデイ、今週は春分の日(彼岸の中日)があって、本格的な春の開幕です。
皆さんは、お墓参りは行かれるのですか?




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7 コメント

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Unknown (yuki)
2019-01-09 15:44:38
こんにちは。
貿易実務の仕事をしているものです。運賃特例に関わる航空貨物の申告方法について教えてください。

新商品の検討でよく航空便でサンプルを手配するのですが、
サンプルそのものは小額のNo Commercial Valueで、航空運賃は支払いをするというケースがよくあります。ですが実際に空輸される貨物に添付されるインボイスは通関用にCNFでNo Commercial Value(20万以下)になっていて、航空運賃の請求書は別途メールなどで来ることがほとんどです。(貨物到着のタイミングでインボイスに品代だけで航空運賃の記載がない)
この場合、航空運賃の申告漏れにならないよう貨物添付のインボイスだけで申告せず、航空運賃のメール(請求書)を海外取引先へ猛烈にプッシュしてそれをやっと入手し申告をしていました。(入手できるまで通関は保留)

ですが、複数の海外取引先からそんな要求は御社だけだと言われたり、サンプルは急いでいることがほとんどなので運用上インボイスを待つのが非常なデメリットのため他に方法があるのではないかと調べたところ、運賃特例に気がつきました。

この状況下で運賃特例をもって貨物添付のインボイスだけで通関申告をして、脱税行為にはならないのでしょうか。(別途航空運賃を支払う事実がある中で)

なにか解決策はないか長年悩んでいます。アドバイスいただければ幸いです。
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Unknown (kazusann)
2019-01-09 17:30:47
ああ、別に実際の航空運賃を調べるのは大変ですね。

照会の事例(輸入貨物は、20万以下のサンプルで無償。運送は航空で、その運賃は輸入側に請求があって支払う)なら、「航空運送貨物の運賃特例」が利用できますので、実際の航空運賃が分からなくても、ルールにより計算した運賃と保険で、通関できますよ。

 輸入貨物のサンプル自体の取引価格が無償であることは不可欠ですが、輸出地での事務手続き料や、日本までの運賃を、別に輸入者が請求によって支払っていても、その支払いは輸入取引によるものではありませんので、特例を利用した通関ができます。

 ただし、表面上はサンプルが無償になっていても、別に請求が来る運賃に実はサンプル代金の一部や全部が入っているなんて、ごまかしはだめですよ(^^)/。

yukiさんは、輸入の会社ですか?念のため利用している通関業者に、使えますね!と確かめられたら安心でしょう(^_-)-☆ 

もし、使えないと言われたら、理由を聞いて、また連絡してください。 では~、頑張って。かずさん


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Unknown (yuki)
2019-01-10 12:49:46
かずさん
早速の、そして丁寧なご回答ありがとうございます。3点質問させてください。


「20万以下で無償」とはサンプルそのものを指すことや航空運賃を別途申告インボイスとは別に支払っていても運賃特例の利用に該当するという、何か公的な文書(税関のHPなど)ございますか?利用できるだろうとは思いながら公的で明確なものがなくて色々な方に聞いております。

輸出地での事務手続き料や日本までの運賃は輸入取引によるものと理解していました。
なぜ輸入取引によるものではないのでしょうか?サンプルが無償だからですか?
そのことが書かれている公的なものはございますか?

「20万以下のサンプルで無償」とするインボイスはFOBであることが不可欠ですか?
よく輸出者が間違えでCNFでインボイスを作成することが多いので。


私は輸入会社に勤めていますが、ほとんどが船舶なので通関業者様も空輸の場合その先の代理店様へお願いしているためあまり詳しく知る方へ直接ご相談ができないのです・・。ですが一応できますと確認は取れたのですが、通関の手法としてできるという意味を超えて、輸入会社として適切な申告になっているのかを知りたかった為お問合せさせていただきました。(通関業者様はその後の海外決済までケアできませんので・・)税関にも相談できることなのでしょうか・・・。
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Unknown (kazusann)
2019-01-10 18:15:12
正しく手続きというお気持ちは立派ですね。ご質問へのわたしのアドバイスは次の通りです。

1 公的な文書は、見たことがありません。
  ただ、日本関税協会が発行している、関税評価303 という書籍があります。これは、課税価格の事例集ですが、その中で、同じようなことが出ていましたね。 この書籍を入手されるなら、同協会に照会されたらと思います。確か、三千円ぐらいでは・・・。

2  輸入取引とか、現実支払価格などの法律用語の定義は、このようなメールで十分な説明は難しいです。先ほどの書籍での、表現ぶりをじっくり読むと、イメージはできると思います。
 無償貨物は、もちろん輸入取引によらない、輸入貨物です。 
 ご存じのように、運賃は、加算要素で、現実支払価格ではありません。

3 もちろん税関に相談できます。税関相談官という人がいますから、こちらに聞けばよいでしょう。電話でもよいと思いますよ。

 でも、通関業者に、

無償のサンプル+運送は航空+航空運賃は別途輸出側に当方から支払う

の場合、航空貨物の運賃特例を適用しての輸入申告は、適法であることを 確認して貰いたい。

と要請すれば、すむんじゃないのかな~~(^_-)-☆ 通関業者には、通関士という国家試験に合格した人が必ずいらっしゃいますから、回答してくれるはずですよ。 かずさん


 
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Unknown (yuki)
2019-01-16 15:23:29
かずさん
アドバイスありがとうございます。

かずさんのアドバイスと取引のある通関業者へのヒアリングを受けて90%はこれでいけると思っていた矢先に、海外からクーリエで無償サンプルが発送されまして、ついでにクーリエの担当にも話を聞いたところ、これまでを覆す回答になり振り出しに戻ってしまいました。

そのクーリエの話では、
我々のようなDoor to Doorの業者には、運賃特例とは別に税関が認める運賃算出があり、実際に支払った運賃との差異が発生しても修正申告する必要はないのですが、それ以外の業者となると違い、運賃特例を利用することで現実の運賃と差額が発生しても修正は必要ないという意味ではないという説明でした・・

何がなんだか・・な状況になってしまいました。
ですが、かずさんの説明、通関業者の説明で理屈は理解していたつもりなのでこの話は矛盾に思うのですが・・。(そもそも実際の金額ではない税関が算出する運賃を利用するのが運賃特例なので、差異は発生して当然じゃ?)何かコメントいただけますか?お忙しいところすみません。
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Unknown (kazusann)
2019-01-16 23:24:43
yukiさんへ

クーリエとは、fedexとかdhlでしょうか?これらの送付の場合の、運賃計算が、運賃特例の計算と別の計算方法があるのかは存じませんが、このようなクーリエは、速達の高料金で、通常の航空運賃より高い運送料ですから、別の計算がされるのはあるかもしれませんね(私は知りませんが、あっても不思議ではないです)。

 クーリエでない、航空運送の場合に、定められた航空特例の計算で申告して、もし現実の運送が違っていても、あとで修正申告を要するというのは、航空特例の計算を定めている本旨からはおかしいですね。

当然、航空運送の計算式は、上にも下にも誤差が出るのはわかったうえで決めているはずですよ。
yukiさんのご意見がもっともと考えます。 

また、いろいろ、悩むことがあれば尋ねてくださっていいいですよ。 かずさん

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Unknown (kazusann)
2019-01-17 12:33:44
yukiさん 追伸です。

 fedexの運賃は、おっしゃるようにdoor to doorの金額ですから、本来は関税の課税価格に入らない、日本での通関費用や国内運送料(日本到着後、配送先までの運賃)が入っていて、また、サービスの目玉のexpresのための費用(この費用は、課税価格に含まれる性質のもの)も加味されています。

 税関が決めている、航空特例の計算式の基本になっているのは、想像ですが、クーリエのような特殊な運送サービスが対象じゃなく、通常の航空運送時の、ミニマム運送料や、重量当たり運賃、通常の保険料などをたぶん加味して、加重平均して決まっているように思われます。

したがって、クーリエの場合には別の計算式があっても不思議ではないでしょう。
わたしが、この分野の実務のルール作りにタッチしていたのは、だいぶ昔ですので、記憶からのお答えです。  かずさん
 

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