かずさんの、ふらり日々是好日の記

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552 税関の事後調査結果発表される!

2008-11-28 | 事後調査
 本日11月28日は、136年前の明治5年(1872年)に、日本の開国に伴って設置された運上所が「税関」と改称された日で、税関記念日とされています。
開国の元になった日米修好通商条約は見たことがありませんが、外務省のホームページにあったものを紹介します。




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昨日、財務省から平成19事務年度における、関税・消費税の事後調査結果と関税ほ脱事犯の結果を報道発表しています。

(注)事務年度というのは、7月~6月の1年間を言っており、財務省は7月に定期異動があって配置人員数などが変わるためこの期間を事務上の年度と称しています。

1 事後調査結果の概要

 全国で5865者に調査をし、うち4099者(69.9%)に何らかの申告漏れが見つかっています。その申告漏れ額は1616億円で、追徴税額は関税23億円、消費税87億円となっています。

 この数字をどう評価するかは情報不足で難しいですが、調査数は18年度が5548者で、19年度はプラス5.7%ですから、税関はこの分野に依然として力点を置いていることが伺えます。

 相変わらず、納付不足が多い品目は電気機器や機械類ですが、これらは概ね関税無税ですから、納付不足は消費税と想像できます。 

ご承知のように、消費税の最終負担者は消費者ですから、モノの輸入段階で輸入者が納税回避を図るインセンテイブは高くないと思われます。

にも関わらずこれらの品目が、納税不足番付の上位にあるのは、どこか間違っているか、おかしな現象ですね。 

納税側が、課税当局が厳しく指導しないこともあって、適正納付の努力不足であったり、納税へのコンプライアンス意識が低いのか、又は、徴税側が、関税法による手続きをして正しく申告するためには過度に煩雑なものを求めたり、企業の経理処理や業務の実情から無理があるからなんでしょうか?

 日本の将来を考えれば、いずれ消費税率は上がらざるを得ないようですので、税関がいちいち事後調査を強化しないと輸入消費税の納税がきちんと行なわれないというのでは、国全体としての納税や徴税の仕組みとして合理的・効率的とはいえないのではないでしょうか?

2 関税ほ脱事犯の結果

 3件の告発と42件の通告処分をして、関税ほ脱の総額は25億円でした。上記1の事後調査の追徴関税額が23億円ですから、両方で関税不適正納付は48億円ですね。

 ほ脱額25億円のうち、14億円は豚肉の差額関税制度悪用の事例でした、相変わらずこの制度は脱税を誘引しているようです。そういうと、いつぞや報道されていたM商事もこの制度に関するものでしたね。

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 話は変わりますが、同じ27日付けで、財務省が「国際航空物流と税関行政に関する懇談会」開催の報道発表をしていました。

園川隆夫 東京工大教授を座長に、航空会社、フォワーダー、インテグレーター、荷主、大学教授がメンバーですが、羽田空港の再拡張、成田空港の北伸事業をにらんで事業展望や税関行政のあり方などがテーマになるようです。

シンガポール、香港、上海、インチョンなどアジアの空港整備をにらみ、日本の空港が競争力を維持していくためには税関行政だけの問題ではないんでしょうが、実りある議論を期待しましょう。
http://www.mof.go.jp/singikai/koukuu_butsuryu/ka201127.htm





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2 コメント

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Unknown (Tatsuya)
2008-12-01 12:37:03
かずさん、
いつも楽しく拝見させて頂いております。
特に本日の税関の事後調査のニュースは興味深く、毎年私も注目して見ております。

関税がほぼ無税のはずの機械・電気関係が違反の指摘が最も多いのは確かに考えてみればおかしなことですよね。

私はいくつかの製造業の会社で輸出入の実務を経験してきました。
メーカーのロジスティクス部にいると、輸入は関税が無税なだけにCustoms compliance に関しては勉強不足になりがちです。
また、申告漏れの事例でもあるように、開発費用などは普段は物流部とは仕事で無縁な部署が担当していたりして、故意ではなく、捕捉できなかったりするケースは、特に大企業では部門の壁もあったりして多いでしょう。

といっては言い訳っぽくなりますが、やはり正確な関税評価はCustoms compliance の基本です。現在の7割も事後調査で違反を指摘されるような状況はやはり荷主側の甘えもあるのでしょう。いっそうの勉強と改善が望まれますね。


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Unknown (かずさん)
2008-12-01 21:01:43
Tatsuyaさん

 コメントありがとうございます。ご無沙汰です。

 84,85,90類の機器は、日本では関税無税の消費税だけですが、よその国の輸入でも、こんなに申告漏れをやっているんでしょうか?
 外国では、もっとまじめにやっているとも思えないしな~~。

 大きなメーカーは、調達や購買の部門、製造部門、物流部門、コンプライアンスの部門、経理部門が別になっていて、その連携が出来がたいという事情があるんでしょう。

 税関も、過少申告加算税を厳しくとらないようですが、双方の姿勢を変えないと改善されないんでしょうか?

 ただ、Tatsuyaさんも言われている大メーカーでは、多くの商流について、どんどん取引内容が変わっていく中で、加算要素を適切に把握して、関税評価手続きを通じて、当初の納税申告で正しく申告していくというのは、相当な事務負担でしょう。

関税無税の消費税だけなら、 概算加算と事後清算方式による関税評価方法のような、事務負担を軽減する手続きがあってよいように思います。

 だいぶ寒くなってきました。お元気で!
 
 
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