HIMAGINE電影房

《ワクワク感》が冒険の合図だ!
非ハリウッド娯楽映画を中心に、個人的に興味があるモノを紹介っ!

本格的“擬似”ウェスタン! 『良い奴、悪い奴、変な奴』

2008年12月10日 | 韓国映画

 韓国で空前の大ヒットを飛ばした話題の大韓ウエスタン『良い奴、悪い奴、変な奴』(08)は凄い映画である。

 豪華俳優陣はもちろんの事、ロケーションの広大さや屋外セットの大きさ、エキストラの多さなど韓国娯楽映画史上一番お金がかかっているのでは?と思うくらい。この陳腐とも言えるバカげたジャンル映画の為に使われた莫大な製作費はこの映画の製作者にとっては正に一か八かの賭けだったに違いない。…そして賭けに勝った。公開初日に40万人もの観客動員を数え、歴代3位の興収記録を打ち立てたのだった。

          

 チョン・ウソン、イ・ビョンホン、ソン・ガンホという韓国を代表する三人の名優たちが旧満州を舞台に、宝物の在処が記されているという地図を中心に、繰り広げる騙しあいと闘いに我々観客は胸を踊らせる。ヒーロー然したウソン、悪の魅力がプンプン匂うビョンホン、トリックスター的存在のガンホ。各自それぞれが魅力的な描かれ方をしているので、どこでどう彼らが絡むのか、そして一体誰が生き残るのか?と一瞬でも目を離す事ができない。そして物語がクライマックスに近づくにつれバラバラだった人間関係が一点に集まる瞬間、興奮は一気に加速する!これぞ娯楽映画の醍醐味である。

          

 キム・ジウン監督はこの映画を作る際、セルジオ・レオーネの西部劇などに影響を受けたと言っている様に、本作はまさにその通りの画作りになっている。話からして『続・夕陽のガンマン』を思わせるような民・官入り乱れての大騒ぎだし、何もないだだっ広い砂漠に疾走する機関車や登場人物が一人たたずんでいる光景はまるで『ウエスタン』だ。シネマスコープ画面を有効に使った三つ巴の対決なんて見ると、もう、どこからどう取ってもレオーネ・テイスト一色でうれしくなっちゃう!

          

 実は韓国には60年代頃に“満州ウエスタン”なる擬似ウエスタンのジャンルが存在してて、大陸浪人たちが広い満州の地でドンパチやっている映画が多数製作されていたとの事。最初この映画を観た時、「東アジアでウエスタン的世界を構築するには満州あたりが最適だよなぁ」と何気に思っていた。ほら、岡本喜八監督の『独立愚連隊』もそうでしょ?…やっぱり考えることは一緒なんだよ。
 いつか“満州ウエスタン”の諸作品を観られる日が来ればいいなぁ。でも、タイの“トムヤム・ウェスタン”も観たいし、インドの“カリー・ウェスタン”ももっと観たい。フィリピンの“タガログ語ウエスタン”だって…あぁ!

          


誰が呼ぶ?『タチマワ・リー 悪人よ、地獄行き急行列車に乗れ』

2008年12月09日 | 韓国映画

 「…人は呼ぶ。タチマワ・リーと!」

 いやぁ~、シビレるね。この大時代的な台詞まわし、そしてあの“ゆうたろう”に似た濃い顔つき。ついに鑑賞しましたよ!!個人的期待度が高かった韓国映画No.2の(1番は『奴奴奴』だ!)『タチマワ・リー  悪人よ、地獄行き急行列車に乗れ』(08)を。

 この手のレトロテイストあふれる作品を作るには、観客に監督の映画的記憶力とそれを調理するセンスの良さが問われる。古くはメル・ブルックス『ヤング・フランケンシュタイン』、ここ近年ではマイク・マイヤーズ『オースティン・パワーズ』シリーズチャウ・シンチー『カンフー・ハッスル』など、監督の「このジャンルにかける熱き想い」が感じられていずれも映画史に残るような傑作に仕上がっている。

          

 じゃあ、本作はどうか?監督のリュ・スンワンは韓国アクション映画の新世代の旗手でいずれの作品も新しい感覚であふれているが、実は大のアクション映画マニアで『相棒 シティ・オブ・バイオレンス』の殴り込みシーンには香港ショウ・ブラザースのクンフー・武侠映画の大御所、チャン・チェー(張徹)監督の作品の影響が見受けられるように、自分の大好きだった映画の記憶を再構築する術に長けているのだ。
 『タチマワ・リー』はかつて自分が幼いころに観た60~70年代の韓国製アクション映画を発想のモチーフにし、『007』ばりのスケール感で作り上げた「大ホラ話」なのだ。

          

 『007』ばりのスケールと書いたが、ネットムービーのみで公開したオリジナルタチマワLee』(98)は向こう三軒両隣的なスケールだったのに対し、予算も格段にアップしたこの劇場版は北京、東京、上海、アメリカ、満州、スイスと世界狭しとタチマワ・リーが飛び回るのだ。やっぱりウソをつくならここまで派手にやらないと。こういう所はまだ日本のエンタテインメント映画はできないよね、真面目な国民性だから。

 また、監督の“アクション映画好き”の顔も映画の中に登場いていて、なんとチウ・マンチェク(趙文卓)主演『ブレード 刀』(92)の長めのパロディ場面があるので、香港映画ファンにもぜひ見てもらいたいところだ。

          

 見た目はダサいが観ているとそのクサさがクセになるオールドスタイルな新感覚ムービー『タチマワ・リー』劇場版、一人でも多くの人がこの映画を楽しめる日が来ることを熱望する!

          
    観ないやつは地獄行き急行列車に乗れっ!


リュ・スンワン幻の傑作 『タチマワLee』

2008年11月16日 | 韓国映画

 『ARAHAN/アラハン』(04)『相棒/シティ・オブ・バイオレンス』(06)で熱きアクション魂を我々に見せ付けた《新世代韓国アクション映画の旗手》リュ・スンワンの幻の作品を鑑賞することが出来た。その映画とは『タチマワLee』(98)だ!!

 実はこの映画、劇場用作品ではなくインターネットのみで公開された35分の短編映画であるが、監督お気に入りの70年代韓国アクション映画のテイストがモロ画面からにじみ出ていて、「その手」の愛好家であるならば愛さずにはいられない作品である。

              

 ストーリーは(あってないようなものだが)、地方の街にふらり流れてきた好漢・タチマワ・リーが地回りヤクザに絡まれていた女性を救い、チンピラたちはおろかボスまで一網打尽にしてしまうといったもので、キャラクターの行動はもちろん、話の展開までもがすべて「お約束」で構成されている。限られた予算や上映時間を逆手にとってヘンにアーティストぶらず、普通に楽しめる作品になっているのはさすがというべきか。

               

 さっき70年代韓国アクション映画のテイスト…と書いたが、証拠に主人公や主要キャラクターが70年代風ファッションであること(ほかのチンピラたちは今風のカッコをしてるのがおかしい)、リーの台詞回しが(意味は分からんが)大時代的であること等が挙げられ、そのあまりのクサさに映画好きの感性が反応しクスリとさせられるはずだ。韓国クラシック・アクション映画好きならその何十倍だろう。
 そしてこう呼ぶに違いない、
「韓国の『オースチン・パワーズ』だ」と!!
 実際予算の大小はあれど、レトロテイストなのとクラシックなアクション映画に対するリスペクト加減に(あと主人公がトンチンカンなのも!)両作は通じるものがある。

 「レトロ」「古めかしい」と散々書いてきたが、格闘アクションはさすがリュ・スンワン作品で、最初のチンピラたちとの戦いは冗談ぽく演出されていたが(それこそコントのように)、ラストのボスとその手下との対決では落ち葉が舞う寺の敷地内でそれまでがウソのように、テコンドー仕込みのハイキックがうなる激しい格闘が展開されるのだ。たぶん思うに予算の殆どがこのラストの立ち回りに投入されたに違いない!(笑)

              


 ちなみにこのヘンな主人公の名前は、実は日本語の「立ち回り」が語源で、格闘アクション映画の事を「タチマワリ」と呼んでいた事に由来しているそうだ。


 今年(08年)8月に公開され、あの大韓ウェスタン『良い奴、悪い奴、変な奴』に並ぶほどの人気を博した『タチマワ・リー/悪人よ、地獄行き急行列車に乗れ!』は本作のセルフリメイクである。あ~早く観たい…

これが聴きたかった! 『火山高』韓国版主題歌

2008年07月15日 | 韓国映画

 これこれ!この絶叫系メタルサウンドの主題歌だよ。

 『火山高』覚えている?映画雑誌から火が着き、ついには日本でも劇場公開された韓国製ファンタジー学園アクション・コメディ映画を。ただ、日本公開は紹介されてからずいぶん経っていたのでみんなも興味は薄れていたと思ったけど。タイミング悪すぎ。
 こういうのはさっさと公開しちゃったモン勝ちでしょ?私も韓国盤ビデオ買おうかと真剣に思ってた。結局は香港盤VCDを購入しちゃった。

 久々に『火山高』の映像をYOUTUBEで観たんだけど、面白いよね。全篇通して観てると結構ツラいものがあるけど、場面場面は今観てもすごくいい。
 「学園マトリックス」
なんて一部で言われてたけど、「パクリ」とか言われるのあえて判っていながら実行するだけエラいって。

 あっ、テレビで観ただけだけど日本語吹替版も結構好きです。声優陣がやたら豪華で。
 アニメ臭が鼻について一般客にソッポ向かれたのかなぁ?
  
    

DV野朗をぶっとばせ!『パンチレディ』

2008年04月03日 | 韓国映画
 今回は当ブログでは久々の韓国映画『パンチレディ』(07)を紹介します。

 格闘技チャンピオンの夫・チュチャンに13年も暴力を受けてきたヒロインのハウンはある日夫の試合終了後、報道陣の前で「リングで私と勝負しろ!」と宣戦布告してしまう。
 今まで絶対君主の旦那の下、平凡に生きてきた彼女には勿論格闘技の経験などない。早速ジム探しを始めるがどこも断られてしまうが、冴えない風貌の館長スヒョンのジムだけは彼女を迎え入れてくれた。実はスヒョンは元数学教師でこれまた格闘技経験がない。
 ハウンの話を聞き同情して彼女を何とかしてやろうとスヒョンは夜にほかのジムで傷だらけになりながら格闘技やトレーニング法を学習し、翌日自分のジムでハウンに教えるという方法で彼女をコーチする。
 周囲の、そして夫から試合棄権の勧告を受けるがあくまでリング内で13年間の決着を付けたいハウン。そしていよいよ夫婦の運命を賭けたゴングが打ち鳴らされた…!

             

             

             

 ネット上でジャンルが[コメディ・アクション]と書いてあったので、まぁ、喧嘩して仲直り?みたいなイメージで観てみたのだが、これが全然シャレにならないくらいハードな映画だったのだ。

 妻が夫に格闘技で挑戦する

だけだったらただのコメディ映画なのだが、この映画の重要な要素となっているのがドメスティック・ヴァイオレンス(DV)だ。
 開巻冒頭からこれでもかとチュチャンのハウンに対する暴力シーン(流血あり)を見せられて気の弱い私としてはもうここだけでゲンナリしてしまう。これがあってこそハウンのがんばりに心揺さぶられるポイントにはなってるんだけど、ここまでしなくちゃいけないのか?映画内バイオレンスは許容できるのだが、こういったリアルなバイオレンスはまったく受け付けないワタクシめであります。
 同じ韓国系アクション映画で『相棒/シティ・オブ・バイオレンス』でもそう。蹴り技を使った見せ場の殴りこみシーンは好きでも、他のバイオレントな場面はつい目を背けちゃう。

 結局この映画で何が印象的だったか?と問われると、今まで内向的だったヒロインのハウンが闘うことで(夫にも、世の中の偏見にも)自分というものを発見する姿かなぁ。

"自分"を持った女性は美しいです、ホント。

              

『潜伏勤務』

2006年12月01日 | 韓国映画

 あれだけ世間を騒がせていた“韓流ブーム”なる現象はもはやエンターティメントの1ジャンルとして定着しつつある。
 しかし、それでも配給会社はいつまでたっても同じようなタイプの作品しか輸入せず、顧客対象も中高年齢の女性のみという状況は変わっていない。
 
 何故?!

 韓国映画にもいろんなタイプの作品があるのは皆わかっていると思う。しかし、“メロドラマ”“ラブコメディ”以外の作品にはさっぱり客が付かないのが現在の現状である。
 『グエルム』はヒットしなかったし、『天軍』はどうなったのかも知らない。いずれも本国ではヒット作であるが、日本ではこの扱いである。このままでは“面白そうな”韓国映画は輸入されないのではないか?そんな危惧すら感じられる。

 今回紹介するのは去年(05年)公開されたアクション・コメディ『潜伏勤務』である。何でこの作品が公開されないんだろうねぇ?(もし輸入していたらごめんなさい)

                         
 機密事項を持っているギャングのNo.2を見つけるため彼の娘スンヒが通っている高校に元・女番長の過去を持つ主人公の女刑事ジェインが“転校生”として送り込まれる。
 彼女はスンヒと友人になって一刻でも早く居場所を聞き出したいのだが、母親を亡くした彼女の心はなかなか簡単に打ち解けない。そればかりか転校早々因縁をつけてきたクラスの女番長をノしてしまったからよけいに警戒されてしまう。
 そんな中、唯一の学校の楽しみといえばクラス一の好青年者ノヨンとの時間。いつしか彼女は彼に好意を寄せていく…果たして任務は成功するのであろうか?それとノヨンとの関係はどうなるか?

                         
 うん、久々に韓国映画を観たのだが(ちょっと前に『僕の彼女を紹介します』も観たっけな)以前のような「韓国映画だから」という構えかたをしなくても十分に楽しめるように出来ている。ここ数年の作品に言えることなんだけど。
 むしろアクション面で売るよりコメディ性でバンバン宣伝しちゃったほうがこの作品はいいのかもしれない。身分(年齢も)を隠して女子高生としてふるまう女刑事の憂鬱や、年下の男の子(実は…というのがラストにある)に惚れてしまい本能と理性が交差し苦悩する姿などなかなか面白いし可愛い。
 しかし、同僚の刑事が実はギャングの手下だった…という『インファナル・アフェア』を思わせるハードな面も持ち合わせており、殺害場面の関係で審査時に視聴年齢指定がR-18になりかけた事もあったほどだという。格闘シーンではワイヤー使い放題で楽しいのにね。

                         
 最後にこれだけは言っておきたい。何故スカートの下は黒いスパッツなんでしょうか?『花嫁はギャングスター3』の予告編でも観て思ったんだけど。別にパンツが見たいわけじゃないけど、これは気になるぞ。
(多分パンツ見せちゃうとR-18までレイティングが上がっちゃうからだと…)

『僕の彼女を紹介します』に泣く

2006年11月24日 | 韓国映画

 ようやく観ましたよぉ~!チョン・ヒジョン主演の日本でも大ヒットしたラブストーリー『僕の彼女を紹介します』(04)を。
 こういう世間的に知れ渡っている作品は観る機会を逃すとなかなか「観よう!」という気が起こらないものであるが、偶然にも鑑賞するチャンスが巡ってきたので一生懸命に観させていただきました。

 日本でも字幕つきのDVDが発売されているのでストーリー紹介は省略するが、何だか「泣かせよう」としてかなり強引なストーリー展開や演出があったりして、醒めた目でみれば「くだらない・わざとらしい」作品として映ってしまうのだが、公開当時大勢の観客がこの映画を観に劇場まで足を運んだ要因は「泣かせの演出」に浸りたい・酔いたいという事なので、そこん所を否定しちゃったらオシマイなのである。まぁ、たしかに恋人の男性が主人公に謝って撃たれて死んでしまうというのは不自然すぎて引いてしまったが…

 この作品の最大の売りは何と言っても主演女優であるチョン・ジヒョンの存在である。いくら空撮のシーンがカメラぶれぶれで観づらいとか、編集が荒いとか言われようが、そんな事は些細な問題だ。彼女がキュートに撮られていればそれでOKなのである。
 ブルース・リーの『ドラゴン危機一髪』だって技術的にもストーリー的にも陳腐なものだが、ブルース・リーの魅力で観れる作品になってるでしょ?それと同じでこの『僕の彼女~』という映画は“チョン・ヒジョン”という名前で客を呼んでいる作品なのだ。
 何も間違っちゃいない。スターの“芸”を観るためにお客さんは劇場に足を運ぶのだ。

 今の日本映画界に果たして「名前」だけでマネーメイキングできるスターは何人いることやら…?

      

      

第2回韓国マンガまつり?! 『大怪獣ヨンガリ』

2005年11月06日 | 韓国映画
  今回は『韓国マンガまつり?!』第2弾として、怪獣映画好きなら一度は聞いたことがあるであろう韓国製怪獣映画『大怪獣ヨンガリ』(66)を紹介しよう。 2002年に日本で公開された『怪獣大決戦ヤンガリー』はこの『ヨンガリ』をCG技術を駆使してリメイクしたもので、いわば韓国におけるゴジラ的立場の怪獣だ。間違ってもガッパやギララではない。本編を観ると作風的にはガメラ(平成ガメラシリーズじゃなく昔のね)が一番近いのかな?子供が主人公で怪獣に絡む所なんかが。

 内容は地殻変動の影響で地上に現れた太古の生物・ヨンガリと、それに対抗する韓国軍との戦いを描いた、いかにも“怪獣映画”的な怪獣映画で、韓国オリジナルのエピソードなど別に無く、ただひたすら怪獣映画の文法に則って映画が進む( 前兆→怪獣出現→都市破壊→対策→攻撃→一時撤退→解決策発見→再び攻撃→怪獣退治成功、といった具合)のだ。画面上に、逃げまどう群集の中にチマチョゴリを着た女性の姿や、『朝鮮日報』の文字に気付かなければホント日本で製作された幾多の怪獣映画と間違えても不思議ではない。でもそんなマイナス面ばかりではなく、実に愛すべき作品ではあるんだよね、このヨンガリは。少年のイタズラで踊ってみせたり(BGMはエレキサウンド版アリラン!)、最期は身体の痒くなる薬をふりかけられ掻きむしながら死んでしまったりと、愛嬌タップリなのだ。昭和40年代前半の第一次怪獣ブームのなかにいた人ならば絶対「懐かしい!」と唸るはず。
 
 なお本作はアメリカ公開版(英語吹替)を元にして作られたDVDが発売されていて、私が観たのもこちら。一度オリジナルはどうなっているのか確認してみたいので、韓国でDVDを出してくれないかなぁ(フィルムが現存していないかも)…。

刺激が欲しけりゃここへおいで!『チャンネル69』

2005年10月19日 | 韓国映画
 いろいろ新作・旧作が劇場公開やビデオなどで紹介されいる韓国映画だが、「これがまだじゃないの?」とか「この映画、もうちょっと注目されてもいいのに」と思う映画は実にたくさんある。今日紹介するそんな韓国映画は『天国の階段』でおなじみのシン・ヒョンジュンが主演の『チャンネル69』(96)だ。

 ヒョンジュン演じるテレビの報道カメラマンは、ある日大物議員のスキャンダルを盗撮、それをニュースで流そうとするが、上からの圧力で潰されてしまう。真実を報道して何が悪い!ヒョンジュは町で出会った女優志望の女の子と、ゲイカップルのエンジニア、そして《黒い救世主》と名乗る天才ハッカーの青年とで海賊テレビ局『チャンネル69』を立ち上げて、表で流せないスキャンダル映像を次々と放映していく…

 頭脳アクションとでも言ったらいいのか、ヒョンジュン+ゲイのエンジニアと《黒い救世主》とのハッキング対決はコンピュータが苦手な私にもハラハラして楽しめたし、『チャンネル69』の注目を集めるために自身の番組に裸になってニュース原稿を読む女優志望の女の子にはドキッとさせられたし(彼女の裸を病院のロビーで見て、動けなかった患者が起き上がって拍手を浴びる、という小ネタあり)、十分面白い映画なのだけど、未だに劇場・ビデオ公開の予定はなし。『アウトライブ』や『ガン&トークス』は公開されたが、この映画ももっと注目を集めても良さそうなもんだけどなぁ。

韓流、はんりゅう、また韓流

2005年10月16日 | 韓国映画
もういいかげんウンザリした。ヨ〇様?ビ○ン様?もういいよ!というのが今の韓流ブームに対する実直な感想だ。別に彼等俳優たちに悪意はないし、タイムラグなしに韓国映画が入ってくる状況はむしろ喜ばしい限りである。では何が不満か?!それはスターたちでしか韓国映画を語らない、およそ映画ファンとは思えないオ○サマたちと、それに便乗して発行される多すぎる韓国映画スター特集誌が多いに不満なのだ!!

スターで映画を観る。それは悪い事ではないし、配給側も何も売りがない映画よりも、知っているスターが出ているほうが興業的にもやりやすいのは十分理解できる。でも、今の状態だとそれだけしか韓国映画がないようなイメージだ。『僕の彼女を紹介します』や『四月の雪』は大ヒットしたが、それ以外はどうだった?本国で大当りした『シルミド』はコケたし、『花嫁はギャングスター』シリーズも日本ではビデオスルーだった。韓国映画=純愛ロマンスというキャッチがいけないんじゃないかと思う。そういう悲恋系の話が好きな国民性ではあるが、作られる映画はそれだけじゃないはずだ。自称韓流マニアの女性たちもお目当てのスターが出ている作品ばかりではなく、もっと他の作品も知ってほしいし、観てほしい。絶対面白いはずだから。
 韓国映画誌だって同じ事。似たり寄ったりの編集内容で、どこも同じタレントを載せ、同じ映画を紹介する。まぁ、購買ターゲットが韓流ブームに乗った女性が中心なのでそれでいいのかもしれないけど、もう少し各誌独自性があってもいいんじゃないかと思うぞ。それこそ韓流スターの先物買いとか、映画自体を深く追求してみるとか、さ。
 
せっかく韓国映画が普通に観られる時代になったんだもの、オ○サマたちに独占させてはもったいないっ!もっと普通の映画ファンがこの幸福な状態を味わないと絶対ソンだぜ!!