日々雑感

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文明の光と影7-38

2011年12月22日 | Weblog
文明の光と影

田中正造は電気をはじめとする近代化には光と影があると日記に記したそうだ。
(朝日新聞記事から引用)
我々は文明の恩恵と同時に隠された非情さを今回の原子力事故で思い知った。やはり人間はいつも謙虚で、人間のコントロールが及んでいないことについては、不遜な気持ちで対応してはならないことが身にしみた。

事故を起こした、東京電力は実質国営企業にならないと倒産する憂き目に遭った。
もし事故が起こればどうなるかということを、保安院とともに真剣に取り組んでいたらと、今になって残念に思う。これは第三者の僕が心配することではないかもしれないが、原発事故は、一度起こると、取り返しのつかないことであることを今回の事故が証明した。

こういう事例があるのに電力会社は原子力発電にしがみつく。懲りない面々とはまさにこのことだ。もっとまじめに物事の本質から考え直してほしい。つまりふざけないでまじめにやれと忠告したい。電力関係の1社独占体制は近々崩壊するであろう。

将来の安全なエネルギーによる発電に最も知恵を出さなくてはならない当事者が目先の原子力発電の再開を急ぐ気持ちはわからないでもないが、関西電力の場合、今回の事故をきっかけにして、節電要請が実を結び、この冬を乗り切ったら、原発は1基も稼働しなくてもしのげることが実証される。その壮大な実験を成功させるためにも、世間の常識を覆すような電力会社経営の妙味を見せてほしいものだ。

100年も前に田中正造は文明の光と影を認識していた。電力の恩恵と裏腹になっている今回のような事故は、彼の指摘する光と影だ。心して彼の言葉をかみしめてほしい。