■【心 de 経営】 経営四字熟語013 ■ 換骨奪胎(かんこつだったい) 「まねぶ」の心を活かす
■ 示唆の多い経営四字熟語
四字熟語には、いろいろな示唆がありますので、経営やコンサルティングを学ぶという視点で連載をします。
四字熟語というのは、漢字4文字で構成された熟語で、中国の故事などに基づくだけではなく、幅広い内容を持っています。
読み方を変えますと、別なものが見えてきます。それを経営コンサルタント歴40年余の目で見ますと、経営やコンサルティングに直結する示唆の多いことに気がつきました。 単に、四字熟語の意味を知るだけではなく、経営士・コンサルタントの視点から感じ取ったことをご紹介します。
■ 換骨奪胎(かんこつだったい) 「まねぶ」の心を活かす 013
「換骨奪胎」は、すぐれた詩文に書かれている内容や意図を正確に理解し、そこに見られる表現を取り入れたり、発想手法をそこから学び取ったりして、自分自身の言葉で、自分自身の作品として表現することを意味します。
「換骨」は凡骨(平凡な骨)を取り去って、仙骨(優れた骨)に取り替えることです。「奪胎」は胎盤を奪い生まれ変わらせることです。このことから、上述の意味に用いられます。
経営コンサルタント業に、はじめから優れている人は例外的でしょう。初めのうちは、先輩コンサルタントの言動に注意を払い、それを自分自身の言葉や動作として表現してみるうちに、いつの間にか自分のオリジナルなものに昇華できるようになります。
「まねぶ」という言葉がありますが、「まねる+まなぶ」という言葉からの合成語です。だれがこのようなすばらしい表現をしたのか知りませんが、経営コンサルタントに取っては、まさに換骨奪胎に繋がります。
まねるだけでは、いつまでもモノマネに過ぎませんが、それを自分の言葉に置き換えて、学びの姿勢で、重考(繰り返し思考する)するうちに、自分のものに昇華されてきます。やがて、オリジナルなこととは次元の異なる内容に変容することが多いです。
一方で「パクリ」という言葉があります。表現されたものには、著作権がつきものです。他人の作品に少し手を加えただけで、あたかも自分が作り上げたような顔をするのはプロコンサルタントとしては大いに恥ずべきことです。
その様なことをやっていたら、クライアント・顧問先にもいずれ感じ取られ、結局経営コンサルタントとしてやって行くことはできなくなるでしょう。
■ バックナンバー
これまでの経営四字熟語のバックナンバーをブログで見られるようにしました。
https://blog.goo.ne.jp/keieishi-kyokai/c/519a7840abf5dcf643227ecff6b01cef