コンサルタントバンク コンサルタント(プロ・希望者)+ 士業の異業種交流会

コンサルタントバンクは、コンサルタントや士業の先生方の異業種交流会で、無料で登録できる組織です。関連情報をお届けします。

【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】3-09 実践躬行 高い目標の実現行動 高い目標に向かって、実現するために努力する

2024-10-12 07:21:28 | 【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記

  【経営四字熟語で目から鱗が落ちる】3-09 実践躬行 高い目標の実現行動 高い目標に向かって、実現するために努力する   


 
  四字熟語というのは、漢字四文字で構成された熟語であることはよく知られています。お恥ずかしいながら、その四字熟語というのは、すべてが中国の故事に基づくものとばかり思っていましたが、実はそうではないことを発見しました。
 経営コンサルタントという仕事をしていますが、その立場や経営という視点で四字熟語を”診る”と、今までとは異なった点で示唆を得られることが多のです。「目から鱗が落ちる」という言葉がありますが、四字熟語を講演や研修の場で用いたり、自分の仕事や日常会話に活かしたりするようにしましたら、他の人が私を尊敬といいますとオーバーですが、自分を見てくれる目が変わってきたように思えたことがあります。
 四字熟語の含蓄を、またそこから得られる意味合いを噛みしめますと、示唆が多いですので、企業経営に活かせるのではないかと考えるようにもなりました。これを「目鱗経営」と勝手に造語し、命名しました。
 以前にも四字熟語をご紹介していましたが、一般的な意味合いを中心にお話しました。このシリーズでは、四字熟語を経営の視点で診て、つぶやいてみます。以前の四字熟語ブログもよろしくお願いします。

  第3章 経営に戦略的企画力を
 日本の経営者・管理職は、非常によく勉強をしていますが、耳学問が進みすぎて、それらに振り回されすぎているように思えます。いろいろな経営理論を聞きかじり、そのメリットのみが強調されたお話を聞き、消化不良を起こしていることに気がついていません。そのために「知っているつもり」「やっているつもり」という”つもり”が積もっていて、自社にとって最適な方法が提案されても「陳腐な理論」「古い経営手法」というような位置づけでかたづけてしまっている企業が多いです。
 四字熟語の中には、【心 de 経営】の精神に則る、経営者・管理職の心の糧になる発想が多数見つかります。前章の思考法を用いながら、それを企業経営に活かすことが、“戦略的”な経営に繋がります。企業経営で欠けている【心 de 経営】をいかに読み解いて、戦略経営を行うかを感じ取ってください。
 3-09 実践躬行    高い目標の実現行動
       ~ 高い目標に向かって、実現するために努力する ~


 「実践」は、広辞苑では「実際に履行すること。一般に人間が何かを行動によって実行すること」と解説され、さらに哲学的な面では下記の説明もあります。
 人間が行動を通じて環境を意識的に変化させること。この意味での実践の基本形態は物質的生産活動であり、さらに差別に対する闘争や福祉活動のような社会的実践のほか、精神的価値の実現活動のような個人的実践も含まれる。認識(理論)は実践の必要から生まれ、また認識の真理性はそれを実践に適用して検証される、という立場で実践の意義を明らかにしたのはマルクスとプラグマティズムである。(広辞苑)
 広辞苑の「実践」の項で、「認識(理論)は実践の必要から生まれ、また認識の真理性はそれを実践に適用して検証される」という部分を注目したいと思います。昨今、企業経営は、各種メディアを通じて注目される理論があって、その導入に躍起となっている傾向が窺えます。しかし、経営というのは、とりわけ経営が必ずしも芳しくない中小企業においては、現状の中で各種の問題・課題に直面し、それに取り組む中で、全社に認識が高まり、理論的な裏付けに繋げていくべきと考えます。
 すなわち、目標を設定し、それに対する実践方法が明確になったら、進捗管理をキチンとして実践してゆきます。その中で不足したり、不充分であったりする部分を認識し、対応策の再検討をします。新たな対応策が間違えていないかどうか、裏付けをとった上で決定し、文書化し、次の実践に繋げます。文書化の中には経営理念、経営計画書等々の規範的な文書もあるでしょう。また、実践段階で、着実の遂行するためのマニュアル化という部分もあるでしょう。このように進めていく中で、自社のノウハウを蓄積してゆくことにより、別項でも書いています「あたり前のレベルを向上」させてゆくのです。「蓄積堅裾」の項でも記述していますように「蓄積は力」、単に継続するだけではなく蓄積していくことが、企業成長に繋がります。
「躬行」の「躬」は「自ら」の意で、「みずから実行すること」を指します。すなわち「実践躬行(じっせんきゅうこう)」とは「自分の力で、自らが行動すること」という意味となります。私は「経営コンサルタント不要の企業作り」ということを常々警官の皆さんに言うようにしています。そうしますと、「それではいずれ経営コンサルタントが入らなくなってしまい、自分の首を絞めることに繋がるのでは」ということを言われます。幸か不幸か、企業というのは常に一歩上をめざしますので、経営コンサルタント自身がレベルアップしていれば、企業の次に控えています、さらなる上をめざすときに、再び出番がやってくるので心配ないとお答えするようにしています。
 企業経営における「実践躬行」は、通常より高い目標や理念を掲げて、それに向かって実現するために行動することを強調するときに使うようにしています。
 経営コンサルタントである私は、別項でも述べていますように、顧問先に対して「当たり前のことが当たり前にできる企業作り」ということを言っています。しかし、「当たり前」とは何でしょうか?
 誰もができることが当たり前なのですが、経営計画は、何の努力をしなくても実現できるような立案では企業は成長しません。少々目標が高く、きつめであっても、努力を重ねれば実現できるような計画を立てるべきです。
 このようにして立てた計画が自分達の実践躬行で達成できること、すなわちそれが自社の「当たり前」であるのです。安易に実現できる目標に留まっていては成長につながりません。実践躬行を繰り返しながら、「当たり前のレベルを上げる」ことを継続してゆきます。それにより、次の計画はさらにレベルが上がります。
 レベルというのは、前年度に対してのレベルではなく、経営環境や取り組み課題の質などにより変動するものと考えています。ですから計画の立案は「前年度比○%アップ」などと安易な決め方をしてはならないのです。
 自社やその経営環境の「認識」の上に立って経営計画は立案されなければならないのです。全社の経営計画に基づき、部門計画が立案されます。それを実現するために、個人として自分が何をすべきかが個別計画です。すなわち、個別計画というのは、前者の計画に基づいて立案されて部門計画と整合性がとれていなければなりません。換言しますと、自分が所属する部門の計画を実現するために、自分は、何を、どの様に、いつまでにするのか、5W1Hに基づいて表現する必要があります。そして、それを実行する、「有言実行(ゆうげんじっこう)」を忘れてはならないのです。「言葉に出して周囲や自分自身に公言して、実行する」という意味は広く知られています。また、有言実行の前に「充分時間をかけて、果敢に実行する」という意味で、「熟慮断行)」もあります。「熟慮断行」ができる人は「思慮分別(しりょふんべつ)」のある人が多いと思います。「分別」は、「分別のある人」等という用例が代表的ですが「道理や常識を踏まえて判断する」ということですので、「思慮分別」は「ものごとを注意深く熟考し、判断する」という意味です。「熟慮断行(じゅくりょだんこう)」も類似し「熟考してから、潔く挑戦する」ということで、「軽挙妄動(けいきょもうどう)」という「軽率に判断して、闇雲に動く」という四字熟語の反対の意味です。


 上述の「有言実行」という四字熟語を見ますと「雲泥万里(うんでいばんり)」という言葉を連想します。世の中には、言っていることと、自分の行いに天地の違いが「支離滅裂」である人がいます。「雲泥万里」は、天と地のように大きな隔たりがあることを言います。
 因みに、「有言実行」とよく似た言葉に「言行一致(げんこういっち)」という四字熟語があります。「言うことと自分の行動に相違がない」という意味で、平素、口にしていることを実践している人に対して用いる表現です。言葉には出さないが心密かに決意し、計画して実行することを「暗中飛躍(あんちゅうひやく)」と言います。「暗躍」というあまり良いニュアンスではないですが、この言葉の語源でもあります。また、一生涯で、ただの一度だけの重要なことを決意するときに「一世一代(いっせいちだい)」ともいいます。中には、「有名無実(ゆうめいむじつ)」「有名亡実(ゆうめいぼうじつ)」な人もいます。「名前や言っていることは立派ですが、行動がそれに伴わない」という意味です。
 自分の計画に基づき、行動をしても、うまく行かないことがあります。例えば年度計画に対して、年度末になって未達がわかるのではなく、常に進捗状況を把握し、期の途中で自分自身に、有言実行を言い聞かせます。最大限の努力を払っても、年度が終わって計画を達成できなければ、「心機一転(しんきいってん)」し、「面目一新(めんもくいっしん)」するには、どうすべきか、ふたたび5W1Hに基づき、PDCAのスパイラルを回してゆけば良いのです。
 蛇足になりますが、「面目一新」の「面目」は、「めんぼく」とも読み、「世間に対する名誉(広辞苑)」という意味です。すなわち面目一新とは、「世間に対する名誉を一新すること」すなわち、世間で厳しく判断されたことに対して、手を加えることにより一段と高い評価が得られることを言います。
 面目一新と同義語で面目躍如という言葉があり、「面目を凌ぐ」という用法と同じ意味となります。ちなみに「凌ぐ」は「しのぐ」と読み、読み方を間違えられやすいですし、さらに漢字の旁(つくり)が「にすい」であるのであって、さんずいでないことを再認識していただきたいのです。因みに「にすい」は、氷に関係し、「さんずい」は水に関係する意味が多いことを知っていますと、物知り博士として一目置かれるかもしれません。
 欠陥商品を出してしまってすっかり信用を失ってしまった企業が、躍起となって新商品を開発して、一旦失った信用を取り戻すと言うことがまれにあります。これは面目一新することになり、別の四字熟語では「名誉挽回(めいよばんかい)」というのもあります。「名誉挽回」と同じような意味で「汚名返上(おめいへんじょう)」があります。この二つを混同して「汚名挽回」と誤解している人がいますが、「汚された名」は、返したいので「返上」が正しいのです。
 ちなみに枕草子に「かばかり面目なることなかりき」では、「面目」を「めいぼく」と読むのだと祖母に教えられたことを思い出します。
 日本語は難しいですね。その難しい言語を母国語にして使いこなせる、言葉の達人である日本人が、なぜ英語に弱いのでしょうか?
*
 *
■ おすすめブログ  コンサルタント・士業に特化したブログ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【小説】竹根好助の経営コン... | トップ | 【小説風 傘寿】 老いぼれ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

【小説風 傘寿】老いぼれコンサルタントの日記」カテゴリの最新記事