ハリルホジッチ監督にとっては、背水の陣ともいえるW杯予選豪州戦となりました。
過去の戦歴では圧倒的に不利な豪州戦で、引き分けでも監督解任という瀬戸際の戦いとなった
埼玉スタジアム2002は、選手も監督もかなりの緊張感を持って迎えたはずです。
先発からはかって日本のエースとして活躍をした本田も香川も、そしてプレミアリーグで開幕
から得点を積み上げている(2戦連続2得点)岡崎の姿はなく、出場が期待されていた柴崎岳や
原口の名前も消えるという予想外のメンバーが名を連ねました。
ある意味では「ハリルマジック」ともいえるスタメンでしたが、それが見事に的中して、かって
W杯本戦と予選を通して勝利の無かった豪州を2-0で一蹴するのですから、勝負ごとはやって
みなければ分らないとはよく言ったものです。
この日のヒーローは、ブンデスでは結果が出ていなかった浅野拓磨と国内リーグ(G大阪)で
活躍をしている井手口陽介となりましたが、FWに入った怪我あけの大迫とリーガエスパ
ニョーラでチームを引っ張っている乾貴士の勝ちに向かう姿勢が引き出した勝利だったとも
言えるでしょう。
またキャプテンの長谷部も手術明けということもあり、果たしてボランチが務まるのだろうか
という不安はありましたが、さすがにチームの柱としての活躍を見せて、勝利に大きな貢献を
果たしてくれました。
もちろん素晴らしい先取点を決めた浅野と2点目の井手口のファインシュートは、素晴らしい
ものでしたが、インテルで苦労をしている長友のいまだ錆びついていないセンターリングと、
潰れながらもパスをした原口の頑張りも見逃すことは出来ないでしょう。
〈勝利に喜ぶ日本代表の面々〉
戦前の各マスコミの日本は不利という論調を覆す完勝で終わり、6大会連続でのW杯出場を決
めた日本代表ですが、世界との差は開いていても縮ってはいません。
しかし、かってはいざという場面での得点が出来ない日本代表から、チャンスをものに出来る
チームへの変身が徐々になされているような気もします。
ベテランと若手の融合が今の日本代表の課題であれば、今回の若武者の2得点は意味のあるも
のとなり、これに久保や柴崎などが加わればロシア大会でのベスト16も見えて来るかも知れま
せん。
最終戦はアウエーでのサウジアラビアとの一戦になりますが、手綱を緩めることなく勝利で
ロシア大会に出場をして欲しいものです。
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