渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

鏡の中のアンナ

2024年04月11日 | open

Nicolas de Angelis -
Quelques Notes Pour Anna
youtube動画

最高である。
これは映画『汚れた英雄』
(1982)の中で使われなかった
としても。

この機微。この表現。「最高」
という言葉。
この演奏に対する賛辞として
これ以上はないと私は今も思
っている。


泉優二の名作小説に『ウイン
ディー』(1984)がある。
世界グランプリを転戦するプ
ライベーターのロードレーシ
ングライダーと娘の物語だ。

泉氏が作品に描いた主人公の
レーシングライダーの娘の名
「アンナ」は、私の想像では、
82年製作の映画『汚れた英雄』
の挿入曲で使われたこの「鏡
の中のアンナ」の影響があっ
たのではなかろうかと思って
いる。
『ウインディー』はDVD化され
ていない。





主人公の娘アンナを演じたのは
クリス・アディソン。日本在住
のアメリカ人子役だった。

11才時。アンナはパパ思いの子
だったが、原作では悲劇が訪れ
る。映画では、GPで10年ぶりに
復活優勝を遂げた主人公杉本と
共に歩いて行くシーンで終わる。
良作。とにかくクリスの演技が
良い。


現在のクリスも
面影は少女の頃
と変わらない。

映画『汚れた英雄』では、この
曲がとても良いシーンで使われ
ている。
主人公北野晶夫がお忍び訪問の
英国の大富豪クリステーヌを
箱根の美術館から海へと誘い出
すシーンだ。
映像自体がとても美しい。






この曲は原曲はかなり前に出る
部分もあるが、私は『汚れた英
雄』での使われ方のように、人
の心の機微を照らす場面で、静
かに
流れるほうが合っていると
う。



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