渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

復活「今夜も西部劇」〜名作にみるリグ 『シェーン』〜

2018年11月19日 | open


12年前にシリーズ物として一部ファンに大変好評
を博した「今夜も西部劇」シリーズを新シリーズ
として復活させたのは昨年の6月。
第一夜は『シェーン』だった。

シェーン(アラン・ラッド)が丸腰で町に買い物に
来る。
その時にシェーンに因縁をつけるカウボーイがい
るが、その男のリグは極めて時代考証として正確
なリグを身につけている。


この作品は公開が1953年、製作は1952年だ。
アラン・ラッドが40才、バン・ヘフリンが43
才、妻役のジーン・アーサーが53才である。
1952年はこの作品の舞台の時代の1887年から65
年後にあたる。
日本は今年が昭和大戦から戦後73年。今年から終
戦時に遡るよりもずっと短い時間がこの作品が
撮影された時と本物の西部開拓時代の時代の隔
たりなのだ。
それを言ったら、ジョン・ウエイン主演の名作
『駅馬車』は、製作が1939(昭和14年)である。
西部開拓時代終焉から40年も経っていない。
ついすぐそこの事を描いており、時代劇ではく、
現代劇の範疇に入る。
『シェーン』でのこの酒場でシェーンに難癖つけ
る男のリグは、実は実際に残存した西部開拓時代
の古いリグなのではなかろうか。

さて、一方、シェーンのリグはというと、これは
結構噴飯物で、まるでワイルド・ビル・ヒコック
のワイルド・ウエストショーで使う舞台用のよう
なカブいたガンベルトなのだ。




シェーンは登場の時も、ショーのような衣装を着
ており、まるで『サボテンブラザース』のよう
だ。



さて、牧場主に雇われた殺し屋のジャック・パラ
ンスはどのようなリグか。


完璧にハリウッド・スタイルのガンベルトを帯び
ている。
このベルトにスリット状の穴が開いてそこにホル
スターを通すタイプのリグは西部開拓時代には
存在しない。
このリグのデザインはアルボ・オヤラ(アルヴァ
・オジャラ)というウエスタン・ガン・アクショ
ン指導者が考案した。1950年代以降のことであ
る。
世界初の映画のアクション・アドバイザーはワイ
アット・アープ本人で、ジョン・ウェインなどは
アープ本人から指導をうけた。


このジャック・パランスのリグは歴史上は西部開
拓時代には実在しなかった。撮影用に後世に考案
されたものだからだ。
しかし、映画の演出的には非常に凝っている。そ
らは、早撃ち用に型が予めつけられたホルスター
だからだ。
角度も早撃ちに特化している。
垂直に真下にホルスターを吊らずに、グリップし
て素早く抜けるような位置決めがなされていると
ころは、通常の時代物と大きく異なる点だ。
デザインが西部開拓時代にはなかった物とはい
え、このリグを見ただけで「裏筋者」ということ
が分かる演出にしている。
そして、実はシェーン自身も、裏街道を歩いてき
た身なのだ。その事は物語の節々に出て来る。
シェーンはその自己を諧謔的に否定する。
少年ジョーイには人として大切な事を教えながら
も、自分は陽の当たる面では生きられない者だと
去って行く。
どんないきさつかは不明だが、シェーンはきっと
人を殺したのだろう。

この作品は、西部劇で使われるリグの殆どがハリ
ウッド・スタイルであった時代の映画なのに、ご
く一部にリアルな実在リグを登場させているとこ
ろが非常に興味深い。
西部劇において、時代考証がしっかりと成される
のは1990年代に入ってからである。
この『シェーン』でチラリと映る時代物のリグ
は、私自身は時代本歌だと読んでいるのである
が、はたして、真実やいかに。


さて、リグが年月経つとどうなるかというと、
1972年のリグは46年でこうなる。


こちらは、今から12年前、1972年の新品から34
年後の姿。


撮影した私の後ろには誰もいないのに、ナイフの
ハンドルに生霊が写り込んでますが、気にしない
でください(笑)。


これは、私の大好きな菊池桃子さんですから(笑


つまり、生霊ではなく、私が「念写」したのです
ね。
凄いぞ、俺!
スプーンも曲がるかも(笑

てか、マジヤバの写真のような気もするけど、私
には甲冑を着たエクソシストが背後に付いている
ので大丈夫(笑)。
なんてね。(by 薬師丸ひろ子)

でもね、世の中不思議なもんで、本当にそこに写
っている現実が見えない人っているみたいよ。
目の前にコップがあるのにそれが認識できないよ
うに。
医療関係者の友人が言ってたけど、それナントカ
カントカという一つの障害なんだって。
でも、私はそれは神の意地の悪い采配のように思
える。
その存在する正体が何であるかは不明としても、
現実にそれがそこにあるのにそれを視覚で認識で
きない人たちというのは、あえて神が造ったので
はなかろうかと。
あえて自分に向くか否かを試すという、例の神の
気紛れで。
現実が見えない人間たちというのは、「裸の王
様」に賛同する者たちであるのだと。




革ジャンじゃん人生は

2018年11月15日 | open


Seventeen / Shonan

過去記事で、おいら中学生の頃
から革ジャン
着てたとか書いて
たけど間違い。


小学生の頃から着てた(笑)。
まだフェイクレザーが殆どなく
て本革のほう
が安かった時代(笑
1960年代すな。



これね、よくスケート行くの
にも着てた。

おいらのスケート靴はホッケー
ね。


やっぱ革ジャンじゃん人生は、
だす~。



あいつとララバイ

2018年11月06日 | open



カタナに乗る研二くん。
最終話ですね。

おいらはバリバリ伝説の一ノ瀬
美由紀とララバイのジュンなん
よなぁ、断然に(笑)。
特に新名じゅんが好きさ。

『あいつとララバイ』の不思議。
なぜかヒロインのともみちゃん
よりも新名
じゅんのほうがキャ
ラが立ってる。
で、じゅんはあんなようで意外
に繊細だ。
いろいろなことに気付く。人の
機微を知ってるというか。
でも、大阪のコって、どうして
若くてもあのように大阪のおば
ちゃんみたいな感じになるのだ
ろう(笑)。「飴ちゃん食べる?」
みたいな。
まあ、東京の下町の女性も大阪
の女性に似てるんだけどね。


バリ伝とララバイの共通項。
それは最初は青春ラブコメ路
線だったのが、
だんだん走り
の物語になっていくことだ。

ララバイならば、コミックス
17巻以降のバトル
編がかなり
面白く読める。最終巻は39巻
だ。

バリ伝はレースに本腰になっ
てからの第二部からね。これ
はもう、グンと恋人の歩惟
(あい)ちゃんの成長物語だ。
コンチネンタルサーカスの生
活の中での。

第一部でのヒデヨシの不慮の
死が主人公
グンの走る活力と
なっていた。
それはグンが最後に
世界チャ
ンピオンになるまで。
でも、バリ伝の最後の表現は
無音にして登場人物たちの絵
柄だけで物語を伝えるという
その手法は、実は映画『ウイ
ンディー』のラストシーンか
らいただいちゃってるんだな、
これが(笑)。

一方、ララバイのラストは、
まるで宮城光さん
の実話を見
ているような感じだったよ。


どちらも、バイク乗りなら
読んでちょ!という
不朽の名
作だと思う。