渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

NHK特集「奥羽山系マタギの世界」

2016年01月26日 | open

奥羽山系マタギの世界

https://www.youtube.com/watch?v=k86HTtgTjYs

「奥羽山系マタギの世界」

NHK特集 奥羽山系マタギの世界 #自然 #猟 #熊

youtube#video

 

 


日本古来のブッシュクラフトマン
にして究極の熊ハンター、マタギ。

これは1987年にNHKで放送され
た番組である。
古代、狩猟民の技術の多くを学ん
だ武人は貴種降誕と結合して武士
階級を形成して行った。
中世以降も近世に及ぶまで、武将
にとっても鹿狩、鷹狩などの狩り
は軍事訓練の一環として必要不可
欠のものだった。
対人のみならず、武士は殺生与奪
とは密接不可分の存在だった。
いくら仏教的戒律で日本人観を説明
しようとしても意味がない。
武士のみならず、日本人は魚貝を
獲り、鳥を落とし、哺乳類を殺して
食していたからである。これは江戸
期もそうであり、熊、猪、牛、馬、
豚、鹿、兎、鯨は言うに及ばず
犬までもが江戸市民によっても食
された。
蚊を殺しただけで咎めを受けた
綱吉時代のみが異様だったので
ある。
日本人が動物の食肉を為さなかっ
たというのは、作られた嘘である。
食肉が鍋物で大流行したのは幕末
で、15代将軍は豚が好きなので、
豚好きの一ツ橋の殿さまという
ことで「トンいち様」というあだ
名まで
つけられていた。京都においても
シャモ鍋や牛鍋や豚汁は多く食べ
られていた。

この動画の中にあるカンジキを
はいての雪中歩行法は剣術や抜刀
術にも時を超えて継承されている。
雪を踏みしめる力を半減させる
重心の軽量化の歩行法は動物から
マタギが学んだ技だ。それをモノ
ノフが命がけの戦闘技法に導入した。

またぎが主人公の小説としては、
熊谷達也の『邂逅の森』が
秀逸だ。
2004年第17回山本周五郎賞、第131
回直木賞を
ダブル受賞した名作だ。
私は当時読んで、「ここ20年で
一番感銘を受けた作品」と
感じた。


熊谷達也は素晴らしいと思った。
久々に骨太で社会の実像に肉迫
する小説家が出て来たと思った。
ただし、この熊谷『邂逅の森』は、
著者がダークゾーンに転落する前
珠玉の作品として私はお薦めし
たい。
著述業にとってのダークゾーン
とは、絶対に己の文章で勝負し
なければならないところ、剽窃を
やってしまうことだ。これは作詞
作曲でも然りだ。

山本周五郎賞、直木賞受賞3年後
の2007年に、別作品で
他者の著述
を盗作して、熊谷達也は当時の
連載が打ちきりになった。非常に
残念だった。

一度そうなると、著述業はなか
なかかつてのようには浮かびあが
れない。
ろうあ者を偽装して自作と偽って
いた先ごろの「音楽家」がそうで
あったように。

この熊谷『邂逅の森』は新刊が
手に入るからまだよい。

だが、自己責任ゆえw文壇から排除
された小説家の作品の新刊は出版
されない。
そういう作家は何人かいる。


深読み文芸作品 ~映画『オイディプスの刃(やいば)』~

2016年01月15日 | open


(映画『オイディプスの刃』より)

この解釈はかなりの深読みのように自分でも思えるが、こうした
アプローチでの所見も面白いのではなかろうかと思う。

→ 過去記事 『オイディプスの刃』 ~映画に出てくる場所とロジック~

 

原作である小説作品『オイディプスの刃』についての私の書評に関しては、
上記リンク先過去記事内にさらにリンクを貼っている過去記事をご覧になって
ください。赤江文学における本作品の特徴についての所見を記しています。


正月らしい食事

2016年01月02日 | open

メシ待ちの二匹。


昨日元旦の人間の朝メシは
これ。12月30日にうちで餅
つきをした餅を食べる。

雑煮も旨かったが、この筑
前煮が絶品であった。かみ
さん、なかなかやる。
当然、うちは砂糖は使わない。
それなのに非常に甘い。
しかし、ベタッとした甘さは
一切なく、さらりとしたジワ
リと来る甘さだ。
品悪く、筑前煮は三杯おかわ
りした(笑



とか言ってたら、夜の本家で
のお呼ばれがなかなかだった。

康宏師匠から貰った山梨のワ
イン(2011年物の赤は美味い)
を開けて、
最初に料理に箸を
つけて、「あ。これ、料亭の
味」とか思っていたら、かな
りする
京都の料亭のおせち料
理だった(笑


なんかすげーの。






どれも美味しゅうございまし
た。

って、食いきれんがな(笑
しかし、味はすこぶる良い。

頂きながら、「昔の武士な
んてのはこんなのは一生食
べられなかっただろうね」

と言ったら、母が「そうね、
お公家さんとかくらいでは」
と言う。

一般武士の家などは、正月
でもせいぜいお頭付が出れ
ばよいほうだったろう。

大名や大身旗本を除いては、
ほとんど毎日白米と漬物だ
けのような生活だったのだ
し。
百五十石取りあたりで
も、日々の食膳などは極め
て質素だった。これ事実。

以前、来日して日本の大学
進学をめざす中国人に個人
的に家庭教師で英語と
日本
語を教えてたことがあった
のね。その子は念願かなっ
て希望大学に合格したのだ
けど、その子、何を
勘違い
しているのか、日本の昔の
武士は全員大金持ちかと思
い込んでいた。
これはどう説明してもなか
なか理解されなかった。
いかに中華人民共和国の特
権階級が裕福であるのか、
あたしゃ思い知ったね。そ
の呪縛を解くことはできな
かった。まあいいやってん
で、論述試験もそのあたり
を含めた模範解答演習をや
って経済学部に合格させた。

その人の固定概念とはまっ
たく逆で、大貧乏の代表者
が武士だったのにね(笑


いや~、固定階級とか職業選
択の自由の不存在とかつまら
ぬ垣根とかがすべて
無くなっ
て、よい世の中になりました
よ。

それでも一部にはまだ日本国
内にザーマス一族がはびこっ
てはいるけどね(笑

そういう種族も日本にはまだ
まだいるにはいる。
でも、あっしには関わり合い
のねぇことでござんして。


とりあえず、伊勢海老がやた
らに美味かった。
塩辛も上品だけどとても良い
味で、
私などにはもったいの
うござりました。

海原雄山あたりは「ふん。愚
か者め」とか言うのだろうけ
どさ(笑

そういう種族は大嫌いだし、
あっちとは無関係なのでおい
どんは知りもはん。
(80年代、「美味しんぼ」を
読んだ職場の奴からは「士郎
ってキャラまるっきりお前だ
ろ」とか言われていた。でも
あたしは料亭のボンではあり
まへん)