◇今日は、構造強度、防火性能、内装制限の規定に関する問題を解説していきます。
◇木造建築士ですので、構造強度・構造計算規定と、防火・避難施設の規定は、まとめて解説します。
◇公表された木造建築士試験問題を参照しながら見てゆくと分かり易いと思います。
◇問題文、正答表共に、公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.にて参照できます。
◇下記URLにアクセスしてください。(Ctrlキーを押しながらクリックすると表示できると思います。)
問題文(計画・法規)
https://www.jaeic.or.jp/shiken/mk/mk-mondai.files/mk-2020-1st-gakka1_2.pdf
正答表(全4科目):
https://www.jaeic.or.jp/shiken/mk/mk-mondai.files/mk-2020-1st-gokakukijun.pdf
⇒できない場合は、検索システムで、公益財団法人 建築技術教育普及センターにアクセスしてください。
ホームページ内に、試験問題「過去問」にアクセスする「窓(メニュー)」があります。
〔No. 9 〕木造2階建て、延べ面積120㎡の一戸建て住宅の構造耐力上主要な部分に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
正答 4
1.適合する。令38条6項:平家建の木造建築物以外は、木ぐいは、常水面下にあるようしなければならないので、2階建ての場合に、常水面下にあるようにしたものは、適合す
る。
2.適合する。令44条:条文参照。
3.適合する。令43条6項:柱の有効細長比は、150以下と規定されているので、120は、適合する。
4.適合しない。令49条2項:有効な防腐措置は、地面から1m以内の部分と規定しており、50㎝では、適合しない。
5.適合する。令43条5項ただし書き:原則、通し柱を要求しているが、ただし書きで補強をした場合を認めている。
[余計な一言]:令38条、令49条あたりに着目するのが、木造の問題らしいと感じます。
〔No.10〕 図のような立面をもつ木造建築物において、1階及び2階部分に必要な軸組(耐力壁)の長さを計算する場合の見付面積(斜線部分)の組合せとして、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。
正答 2
令46条4項:見付面積から、その階の床面から1.35m以下の部分の面積を減じたものに、表3の数値を乗じて算定する。
2階部分で条文に適合するのは、「A」
1階部分で条文に適合するのは、「E」・・・正答「2」
[余計な一言]:図形問題ですので、問題を見ないと分かりにくいかと思いますが、風圧時の軸組計算をするときに、見付け面積計算において、床面から1.35m部分を控除して計算するという規定を問う問題です。この事の理解があれば、一目で理解できる問題だと思います。
〔No.11〕 建築物の防火性能等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 1
1.誤り。令114条2項:防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない規定を適用する用途の中に、集会場は含まれていない。
2.正しい。令23条:法22条指定区域内の外壁に要求する防火性能の規定(条文参照)。
3.正しい。令24条:法22条指定区域内の内外にわたる場合の措置の規定で、防火地域・準防火地域に関する規定(法65条)でも同様に、厳しい方の規定が適用される。
4.正しい。法27条3項、別表第1(6)項(に)欄:法27条(別表第1を参照)の規定において、耐火建築物等(耐火建築物、準耐火建築物)としなければならない自動車修理工場は、150
㎡以上のものである。
5.正しい。法27条2項、別表第1(5)項(は)欄:法27条(別表第1を参照)の規定において、耐火建築物としなければならないのは、(5)項にあっては3階以上の部分に限りとあり、延
べ面積が、200㎡以上であっても、2階建ての倉庫は、対象とならない。
[余計な一言]:重点分野アラカルトのような問題で、易しいけど、非常に興味深い問題です。
〔No.12〕 建築基準法第35条の2の規定による内装の制限に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
正答 1
1.誤り。令128条の5第1項かっこ書き、同4項、同6項:令128条の5第1項かっこ書きに規定する、床面からの高さが1.2m以下の壁の部分の仕上げ部分の内装制限緩和条項は、
第1項に規定する特殊建築物の居室、第4項に規定する、一定規模以上の一般建築物の内装制限の緩和規定であり、第6項に規定する調理室の内装制限の規定の記述に、その様な
緩和の記述はない。
2.正しい。令128条の4第1項二号:自動車車庫は、規模に関係なく、内装制限の対象である。
3.正しい。令128条の4第1項の表(1)項、同2項、同3項:集会場は、別表第1(い)欄(1)項に掲げる用途の建築物で、令128条の4第1項の表(1)項に該当するが、対象となる面積は
100㎡以上としており、設問の90㎡は、内装制限の対象とならない。また、一般建築物とした場合にも、第2項、第3項のいずれも、対象規模に満たないので、内装制限を受け
ない。
4.正しい。令128条の4第4項:平家建て、2階建て以上の住宅の最上階にある調理室は、根移送制限の対象としていない。
5.正しい。令128条の4第1項の表(2)項:患者の収容施設を有する診療所は、別表第1(い)欄(2)項に掲げる用途の建築物で、令128条の4第1項の表(2)項に該当し、木造の場合、対
象となる面積は200㎡以上としているので、設問の230㎡は、内装制限の対象である。
[余計な一言]:用途が特殊建築物へと、問題傾向が移行している気がするが、住宅部分の規制(肢問4において)では、しっかり問題文に入れてきています。
2020年9月19日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者
◇木造建築士ですので、構造強度・構造計算規定と、防火・避難施設の規定は、まとめて解説します。
◇公表された木造建築士試験問題を参照しながら見てゆくと分かり易いと思います。
◇問題文、正答表共に、公益財団法人 建築技術教育普及センターのH.P.にて参照できます。
◇下記URLにアクセスしてください。(Ctrlキーを押しながらクリックすると表示できると思います。)
問題文(計画・法規)
https://www.jaeic.or.jp/shiken/mk/mk-mondai.files/mk-2020-1st-gakka1_2.pdf
正答表(全4科目):
https://www.jaeic.or.jp/shiken/mk/mk-mondai.files/mk-2020-1st-gokakukijun.pdf
⇒できない場合は、検索システムで、公益財団法人 建築技術教育普及センターにアクセスしてください。
ホームページ内に、試験問題「過去問」にアクセスする「窓(メニュー)」があります。
〔No. 9 〕木造2階建て、延べ面積120㎡の一戸建て住宅の構造耐力上主要な部分に関する次の記述のうち、建築基準法に適合しないものはどれか。
正答 4
1.適合する。令38条6項:平家建の木造建築物以外は、木ぐいは、常水面下にあるようしなければならないので、2階建ての場合に、常水面下にあるようにしたものは、適合す
る。
2.適合する。令44条:条文参照。
3.適合する。令43条6項:柱の有効細長比は、150以下と規定されているので、120は、適合する。
4.適合しない。令49条2項:有効な防腐措置は、地面から1m以内の部分と規定しており、50㎝では、適合しない。
5.適合する。令43条5項ただし書き:原則、通し柱を要求しているが、ただし書きで補強をした場合を認めている。
[余計な一言]:令38条、令49条あたりに着目するのが、木造の問題らしいと感じます。
〔No.10〕 図のような立面をもつ木造建築物において、1階及び2階部分に必要な軸組(耐力壁)の長さを計算する場合の見付面積(斜線部分)の組合せとして、建築基準法上、正しいものは、次のうちどれか。
正答 2
令46条4項:見付面積から、その階の床面から1.35m以下の部分の面積を減じたものに、表3の数値を乗じて算定する。
2階部分で条文に適合するのは、「A」
1階部分で条文に適合するのは、「E」・・・正答「2」
[余計な一言]:図形問題ですので、問題を見ないと分かりにくいかと思いますが、風圧時の軸組計算をするときに、見付け面積計算において、床面から1.35m部分を控除して計算するという規定を問う問題です。この事の理解があれば、一目で理解できる問題だと思います。
〔No.11〕 建築物の防火性能等に関する次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。
正答 1
1.誤り。令114条2項:防火上主要な間仕切壁を準耐火構造とし、小屋裏又は天井裏に達せしめなければならない規定を適用する用途の中に、集会場は含まれていない。
2.正しい。令23条:法22条指定区域内の外壁に要求する防火性能の規定(条文参照)。
3.正しい。令24条:法22条指定区域内の内外にわたる場合の措置の規定で、防火地域・準防火地域に関する規定(法65条)でも同様に、厳しい方の規定が適用される。
4.正しい。法27条3項、別表第1(6)項(に)欄:法27条(別表第1を参照)の規定において、耐火建築物等(耐火建築物、準耐火建築物)としなければならない自動車修理工場は、150
㎡以上のものである。
5.正しい。法27条2項、別表第1(5)項(は)欄:法27条(別表第1を参照)の規定において、耐火建築物としなければならないのは、(5)項にあっては3階以上の部分に限りとあり、延
べ面積が、200㎡以上であっても、2階建ての倉庫は、対象とならない。
[余計な一言]:重点分野アラカルトのような問題で、易しいけど、非常に興味深い問題です。
〔No.12〕 建築基準法第35条の2の規定による内装の制限に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
正答 1
1.誤り。令128条の5第1項かっこ書き、同4項、同6項:令128条の5第1項かっこ書きに規定する、床面からの高さが1.2m以下の壁の部分の仕上げ部分の内装制限緩和条項は、
第1項に規定する特殊建築物の居室、第4項に規定する、一定規模以上の一般建築物の内装制限の緩和規定であり、第6項に規定する調理室の内装制限の規定の記述に、その様な
緩和の記述はない。
2.正しい。令128条の4第1項二号:自動車車庫は、規模に関係なく、内装制限の対象である。
3.正しい。令128条の4第1項の表(1)項、同2項、同3項:集会場は、別表第1(い)欄(1)項に掲げる用途の建築物で、令128条の4第1項の表(1)項に該当するが、対象となる面積は
100㎡以上としており、設問の90㎡は、内装制限の対象とならない。また、一般建築物とした場合にも、第2項、第3項のいずれも、対象規模に満たないので、内装制限を受け
ない。
4.正しい。令128条の4第4項:平家建て、2階建て以上の住宅の最上階にある調理室は、根移送制限の対象としていない。
5.正しい。令128条の4第1項の表(2)項:患者の収容施設を有する診療所は、別表第1(い)欄(2)項に掲げる用途の建築物で、令128条の4第1項の表(2)項に該当し、木造の場合、対
象となる面積は200㎡以上としているので、設問の230㎡は、内装制限の対象である。
[余計な一言]:用途が特殊建築物へと、問題傾向が移行している気がするが、住宅部分の規制(肢問4において)では、しっかり問題文に入れてきています。
2020年9月19日 by SHRS(シュルズ)一級建築士、建築基準適合判定資格者