あと1週間で、あの大震災から半年が経とうとしています。
先日、仕事で石巻に行ってきました。
東部道路経由で行こうと思っていたのですが、
仙台東~利府間が、いつも渋滞するので、ちょっと遠回りですが、
仙台・宮城インターから富谷から利府に抜ける仙台北部道路を経由して、
いざ石巻へ。
震災からしばらくは三陸道は、かなり混んでいて渋滞もひどかったようですが、
この日は交通量は多いものの、順調です。
でも料金所では、ほとんどの車が無料の対象なのでしょう、一般の料金所は
かなり車が詰まっています。
でも、昼前だったのでさほどでもないのかな。
朝晩の通勤時間帯は、今でも渋滞が凄いのだそうです。
JR仙石線も仙台~石巻間の全線が復旧していないのも、大きな要因でしょう。
会社を出発して、ほぼ1時間で石巻に到着。
高速道路から見ていたときは、津波被害の甚大さを感じさせる風景は、
ほとんど無かったものの、市街地に入ってきて、周りの風景には、ただただ驚くばかりです。
半年の間に、流れてきた瓦礫などは、きれいに撤去され、道路や道端に瓦礫などは
ありません。
街中の信号機も作動しているところと、そうでないところが・・・
電力は復旧しているのですが、津波で信号機の機械の一部が壊れたものの
その部品がないのだそうです。
そこには警察官が立ち、手信号です。
近くに停まっていたパトカーを見たら愛知県警でした。
他の交差点では、女性の白バイ警官が。こちらは警視庁です。
全国から、未だ被災地で働いていてくださってるんですね。敬礼!
石巻を見渡せる日和山。
サイボーグ009や仮面ライダーの生みの親
石ノ森章太郎の「石ノ森萬画館」
ここも、津波の直撃を受けました。
展示物も壊れたり、建物も結構ダメージを受けたらしく、当分の間休館とのことですが、
いまだ再開の目途はついていないようです。
萬画館の周りの建物は、ほとんど無くなっていました。
日和山から見てみました。
ここのエリアは中洲のような土地なので、完全に水没したそうです。
日和山から港方面
撤去された瓦礫が、大きな山となっています。
以前は建物があったところも、解体撤去も進み更地状態です。
打ち上げられた漁船も、まだありました。
日和山にいて、聞こえてくるのが、解体作業を進めるブルトーザ―など重機の
動く音だけです。
まるで工事現場にいるかのよう。
しかし、着実に復興に向け、一歩一歩進んでいるようにも思えました。
解体が終わって更地になった土地。
よく見ると土地に白いものが撒かれているのが、おわかりですか?
津波がきたところなので、解体が終わった後に消毒するのだそうです。
この日の昼食、地元にいる某銀行の支店長と一緒にすることに。
何を食べようと聞かれたので、何でもと答えたのですが、
中心部のお店は、ほとんど営業しておらず、
また、かつては石巻といえば、新鮮な魚などが真っ先に浮かんでくるものの
いまは魚介類はまったくなく、当然魚介類を出すお店はやっていないということです。
で、どこでもということで、支店長に案内いただき中心部から車で15分ほど
走ったところにあるお蕎麦屋さん「ゆう七」へ
脱サラして開業したのだそうで、庭がきれいな一戸建てを購入し、
厨房だけを改装しお店に。なので、外観も中も、普通の家なのだ。
(横顔が写っているのが、当社の高野専務)
お店にはいると、人数を聞かれ、3人と答えたら
「すみません」の声が・・・
今日は2人分しかありませんとの無情な声が・・・
でも折角きたし、戻ったところで、他が開いていない状況では、どうする術もなく
2人分を3人でシェアすることに。
メニューを見ると
鴨せいろがある。蕎麦が少ない分、鴨でカバーすることにし、鴨せいろを注文。
一応蕎麦2人分を最初から3人に分けて出してくれるという。
お蕎麦はやや少なめだったけど、鴨汁はちゃんと1人前入っている!
しっかりと、お蕎麦の風味もあり、美味しいお蕎麦でした。
食べ終わり、おかみさんがお茶をついでくれ、少しおしゃべり。
震災後、一ケ月は休業していたとか。
まして甚大な津波被害があったから、石巻で蕎麦屋を再開しても
誰も食べに来ないんじゃないかなど、かなり不安もあり、
なおかつ、震災のショックからか働く意欲を無くしてしまい、
おかみさんは、もうこの際、店を閉めてしまいたいとご主人に懇願したのそうです。
でもご主人と息子さんが、何とか再開したいと押し切られたのだそうです。
再開すると、避難所にいた方が早速来てくれて、
「早く、ゆう七のお蕎麦が食べたくて、頑張ってました。」と言われ
おかみさんは、やっぱり再開してよかったんだと感激したそうです。
こういう被害があったときなど、直接何かしたいと思っても、なかなかできない人は
いっぱいいるのでしょうけど、自分の仕事を全うすることも、これも社会奉仕的な
要素もあるのではと、再考させられました。
帰り際、道沿いにあるパチンコ店の駐車場を見て、びっくり!
ほとんど満車状態なのである。
写真には写っていないが、建物の前面と裏にもかなりの台数が
停められるスペースがあるのだが、ぎっしり!
タクシーで乗りつける人も・・・
このお店だけではなく、他のお店も同様の状態・・・
地元の方からのお話によると
保険金や義援金も入ったが、仕事がなくなってしまい、
日中の時間を、こうやって過ごす人が多いのだとか。
また避難所にいる人は、三食支給され、お金を使うことがない。
ただ、避難所は暑くていられないので、エアコンが効いたP店で過ごすのが
いいのだそうだ。
ある地元の人はまたこうも言ってました。
「日本全国からボランティアとして被災地に来てもらい、被災地の復興を願い
一生懸命働いてもらっているのに、その地元の人間が働く意欲もなくし
パチンコばっかりしてるのはねぇ・・・」
パチンコをしている人を責める気持ちにはなれませんでした。
働きたくても仕事がない、津波のショックで意欲を無くした方など。
さまざまな事情等もあるでしょう。
新政権が誕生し、被災地の復興・原発の問題を最優先としているとのことです。
この石巻や被災地の現状をしっかり把握し対応してもらいたいと思います。
ただお金を出すだけでは、人間のメンタルな部分の復興は困難なことだと思うのです。