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続「ありがとうの詩」

2012年04月08日 | その他

【門間】

前回のブログで「ありがとうの詩」の詩集の中から一編を紹介しました。

心に残るもう一編を紹介したいと思います。

はっちゃん

はっちゃん

ありがとうね

おかげさんで

おいしいあんこ餅で

お正月迎えたよ

 

はっちゃん

ありがとうね

もう新茶の頃なんだよね

八十八夜に草餅食べると

ボケないで長生きするんだって

あんだも長生きするようにね

 

はっちゃん

お盆はやっぱりずんだ餅だよね

目の前の畑から

枝豆取ってすり鉢ですって

本当にうまかったよ

 

はっちゃんは私の二つ上のお姉さん

一緒に過ごした

実家ではどんな時でも

餅はあった

あの食糧難の時にも

おまつりの日はみんなに配った

はっちゃんはお嫁に行っても

実家の風習を続けた

 

そのたびに我家に届いた

でもはっちゃんは七年前に

大病わずらい

手足が不自由になった

そんなある日

おばちゃんこれ食べて

お嫁さんのきよみちゃんが

おはぎを持って来た

お姑(かあ)さんに教えられて

私がつくったの

あの時は涙が出た

 

でも二度と

はっちゃんの

あんこ餅も

草餅も

ずんだ餅も

きよみちゃんの

おはぎも届かない

あの三月十一日に

はっちゃんも

きよみちゃんも

大津波で逝ってしまった

 

ありがとうも云えなかった

さようならも云えなかった

 

ごめんね

はっちゃん

ごめんね

きよみちゃん

いっぱいいっぱい

ありがとうね

 

この詩は、塩釜市の川嶋紀奈代さん72歳の作品です。

まだ姉の死を信じられずにいます。

電話の向こうから姉はっちゃんの声が聞こえたらいいのになあ

と思いながら書きました。

との作品エピソードが添えられてあります。

普通の語りかける言葉で書き上げた感動の詩だと思います。

身内を亡くした悲しみの中で、心から「ありがとうね」

 と言っているのが伝わってきました。

 

 

コメント
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