先週からの続きです。
猪苗代町絆づくり事業は今年で12年目。
心のすれ違いや距離感が生じやすい現代社会においてわが子への想いや願いなどを一通の手紙として
書き表すことにより、見失いがちな自分自身と向き合い、母と子の絆を見つめ直し親子関係のあるべき姿を
見出していただくためにきかくしたものだそうです。
「母から子への手紙」コンテストはそもそも、アメリカに渡った野口英世がいつまで経っても帰ってこない。
母シカが思いあまって金釘流の手紙をだす。
「ベン京なぼでもきりがない。早くきてくだされ。ねてもねむられません」
(原文は方言で解説が無いと理解できません。わが母も当時、ろくに学校に行けなかったことの話を
思い出します)。
この手紙をモチーフとしています。
手紙を受け取った野口は15年の歳月をかなぐり捨てて帰郷する。大正4年秋(私の母が生まれた翌年)
のことでした。
それから二ヶ月。野口は孝養の限りを尽くして帰米する。
今度が本当の親子の別れになった。
いま、第9回と第10回の入賞作品集を読んでいます。
第10回の大賞に選ばれたのは東京消防庁から福島第一原発の放射能の中へ突っ込んで行った
レスキュー隊、隊長のお母さん、菊地孝子さんの作品でした。
心配でしかたなく、それでも「ミッション達成」に誇りを感じている母親の微妙な気持ちが表現されて
いると思います。
この作品集を読んでいて、やはり基本は母と子、そしてオマケのように、父との関係があることを
実感する。
そうなのだ。関係を結ぶのは母親の側だとしても、それを維持し育ててゆくのは双方の努力が必要で
あること。
一度もしくは再度、野口英世記念館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
新たな感動が待っていると思います。