キューピーヘアーのたらたら日記

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『アンダーグラウンド』 村上春樹

2021-05-11 17:57:14 | 
1995年に起きた地下鉄サリン事件の被害者インタヴュー集である。

村上春樹が約一年をかけて62のインタヴューを行い、

できるだけインタヴュイーの話の内容を

忠実に再現するよう

細心の注意を払って紙面におこし、

一冊の分厚い本にまとめたものだ。


たいへんな労作だ。



実は、僕は1997年にこの本が出版されてすぐに購入していた。

のであるが、どれも似たような内容だな、と思って

途中で放り投げてしまった。


なんとゆーー馬鹿だ、当時の僕は。


それが、今回は、

語弊があるのを覚悟で言うと

とても面白かった。


それぞれの被害者の事件に遭遇するまでの人生模様が、

夜空にまたたく無数の星々のように美しいと感じた。


青い星、赤い星、白い光を放つ星。

まだ若い星、引退間近の星。

明るい星、弱い光の星。


みんなが一生懸命輝いていた。



それが、一瞬にして、

ある人はもがき苦しみながら死に、

ある人は植物状態になり、

助かった人も、頭痛や不眠や記憶力低下、視力低下、PTSD

といった後遺症に悩まされることになった。




あの、素晴らしい夜空が、

見るも無残に砕け散ってしまった。



実は、僕はオウム真理教信者の心理はよくわかる。

僕も若い頃、なぜ生きるのかがわからなくて、

宗教や超能力やオカルトに興味を持っていた時期があった。


もし、あの頃、オウム真理教に誘われていたら

入信していたかもしれない。



なぜ生きるのか、

その答えは、決して

麻原彰晃のような他人が教えてくれるものではない。

それは、

一生懸命に生き続けるという

経験をとおしてでしかわからないものなのだ。


ということが、ようやくこの年になってわかってきた。




ともかく、無差別テロなど絶対に

あってはならぬこと!!!!!!!

という思いを強くさせられた一冊だった。

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