おいしいコーヒーの淹れ方

昨日大和屋さんで買って来たイエメン産の「特上マタリ」をストレートで飲んでみた。

アラビカ種特有の酸味の中にもまろやかさがあり、特上と名乗るだけのことはあるな、

と思ったが、だがしかし、ブレンドされたコーヒーには到底かなわない。

こんなものを毎日ありがたがって飲んでる人は味覚か人格に欠陥があるとしか言いようが無い。

画像は漂白されたペーパーフィルターが写っているが、

いつもは無漂白のを使っている。

漂白済みのフィルターを使うとたまにカルキ臭く感じることがあるのだ。

母君が買って来たので仕方なく使っている。


『かもめ食堂』という映画の中で、

主人公の食堂経営者：小林聡美が店に入った泥棒から

おいしいコーヒーの淹れ方を伝授されるシーンがあった。

ドリップする前に、人差し指で豆に窪みをつけて、"コピルアック"と囁くのだ。

無意味だとわかりつつ、僕は映画を観た後からずっとこのおまじないを守っている。

おいしいコーヒーの淹れ方とは、そのような類のものなんだろう。


コピルアックとは最も美味しいといわれるコーヒー豆の名前である。

映画『最高の人生の見つけ方』の中でも出てきた。

お金持ちのジャック・ニコルソンが、自分は世界で一番美味いコピルアックを飲んでいるんだ、

と自慢していたら、

相方のモーガン・フリーマンが

「コピルアックは実は生産者がうさぎの糞を混ぜて出荷していた。」

という記事を見つけ、二人で大笑いするシーンが記憶に残っている。

嗜好を極めようとすれば、そのような陥穽におちいるのがオチと戒めているのかもしれない。