『火花』 又吉直樹

最近、僕は以前にもまして、テレビを見なくなった。

もう、テレビとの付き合い方がわからなくなってしまった。

たまに、常識を磨くことも社会人として必要ではないかと、

殊勝な気持ちを起こし、テレビの前に座るのだが、

間が持てない。

2~3分、じっとテレビの画面を見るが、

居心地が悪くなって、すぐ階段を駆け上がって

自分の部屋に閉じこもってしまう。

僕は自分の人格の完成形の落としどころをこの辺に決めてしまった。

変人===引きこもりのなれの果て。


まあいい。

なに書くんだっけ？

あ、そか、『火花』だ。


テレビに出てる人が書いた小説というんで、

「面白くないんじゃないか」という

先入観を持ってしまったということの説明のための前振りだった。

その偏見を翻したのが、西加奈子の『サラバ』の文庫本の解説を

又吉直樹が書いていたのを読んだことだった。


真摯に姿勢を正し、実直に文章を書いて読んでもらおうとする態度が

文章の隅々に見えて感心してしまった。

この人の書いた小説ならぜひとも読んでみたい、

という気になったのだ。

その予感通り、よく書けたいい小説だった。

主人公：徳永と先輩：神谷との関係がいい。

愛だわ。師弟愛。

いとおしくていとおしくて泣けてくる。

そして笑いを追求する丁々発止のかけあい。

スパークしまくってるんやわ。

漫才が題材ですっごい新鮮やねん。


世界を構成しているもの、それがスパーク！！

愛こそスパーク！！

来年は僕もスパークしまくるぞっ！！！！！！！！