この本は村上春樹編集・翻訳による、
現代英米文学の中の誕生日にまつわる
短編小説を13篇収めたもの。
『ムーア人』 ラッセル・バンクス
うらぶれた中年男がある夜、いきつけのバーで
30年前の恋人と再会する物語。
普通の人が一生の間に恋愛する相手の数は限られたもの。
人生の宝物のような出会いを大切に。
たとえ相手が80才のおばあさんでも。
『ダンダン』 デニス・ジョンソン
この作家は「ジミ・ヘンドリックスのギターソロに影響を受けて
文章を書き始めた。」そうだ。
麻薬と暴力でもう無茶苦茶。
こんなの好きな人いるのか?!
『ティモシーの誕生日』 ウィリアム・トレヴァー
アイルランドの片田舎に住む老夫婦の元を
息子ティモシーの代理人が訪れる。
今日はティモシーの誕生日なのだ。
「今日は具合悪いっていうか。
だもんで、僕が使いによこされました。
そのことをお伝えするために。」
不仲なんだな、この親子。哀しいな。
『バースデイ・ケーキ』 ダニエル・ライオンズ
老女ルチアが予約していたケーキを取りにケーキ屋に行くと、
そこに先客マリアが待っていた。
今日はマリアの娘の誕生日。
だが、ケーキは売り切れ。
ほかのケーキ屋は全て閉まっている。
店に残っている唯一のケーキはルチアの予約したケーキ。
マリアとケーキ屋の主人は、ルチアにそのケーキを譲ってくれるよう
懇願するが、意固地なルチアは拒絶する。
人生は厳しい。
誰にも彼にもいい顔はできない。
自分と自分の愛する人のため、
時には人に無慈悲にならなくてはならない。
老女に刻み込まれた、この世の不条理。
『皮膚のない皇帝』 リンダ・セクソン
3人の老婦人が少年に『皮膚のない皇帝』という
本を読み聞かせる奇怪な小説。
『ダイス・ゲーム』 ポール・セロー
ハワイのホテルで、常連客のエディーという男が、
彼の妻(小妖精といっていいくらいの美女)への誕生プレゼントに
若い男をあてがう物語。
セローの持って回った語り口で、鈍感な僕は
(あるいは未熟さ故か)作者が何を言いたかったか、
ちょっと理解できなかった。
『永遠に頭上に』 デイヴィッド・フォスター・ウォレス
今日が誕生日の少年が、家族といっしょに来た市営プールの
飛び込み台に登ってダイブするまでの情景や心情を
クールに描写したもの。
素晴らしい作品。
『慈愛の天使、怒りの天使』
一人暮らしの老人:エリーナの71才の誕生日の朝、
窓から鳥の群れが飛び込んで、
息子や動物愛護協会に電話して助けを求める。
『バースデイ・プレゼント』 アンドレア・リー
イタリアの大金持ちの奥様が、
夫の55才の誕生日プレゼントとして、
「若い娘(ウナ・ファンチューラ)」を贈る物語。
まったく!!!
お金が有り余って困ってるんなら、世界中の貧しい人たちに
恵んであげてね!!!!
『風呂』 レイモンド・カーヴァー
スコッティーという少年が、8才の誕生日に
登校途中車にはねられる。
彼は自力で家に帰るが、やがて昏睡状態に、、、。
この作品にはあとで書き直したロング・バージョンがあり、
僕は両方読んだわけだが、
「喪失」で終わる本作より、
「救済」が加わったロング・バージョンのほうが嬉しい。
『波打ち際の近くで』 クレア・キーガン
ハーヴァード大学に通う主人公。
今日は誕生日。
母親とその再婚相手の資産家の義理の父が
祝ってくれる。
『ライド』 ルイス・ロビンソン
今日はオールデンの16才の誕生日。
8年前に離婚して今は別に暮らす父親と会う。
トラック運転手の父は、金のために
悪の道に踏み込もうとしていた。
この短編小説集のなかで一番気に入った作品。
読みやすいし、描写も的確。
登場人物にも感情移入できる。
『バースデイ・ガール』 村上春樹
これは読者へのバースデイ・プレゼント
楽しめましたよ!!!!!!
現代英米文学の中の誕生日にまつわる
短編小説を13篇収めたもの。
『ムーア人』 ラッセル・バンクス
うらぶれた中年男がある夜、いきつけのバーで
30年前の恋人と再会する物語。
普通の人が一生の間に恋愛する相手の数は限られたもの。
人生の宝物のような出会いを大切に。
たとえ相手が80才のおばあさんでも。
『ダンダン』 デニス・ジョンソン
この作家は「ジミ・ヘンドリックスのギターソロに影響を受けて
文章を書き始めた。」そうだ。
麻薬と暴力でもう無茶苦茶。
こんなの好きな人いるのか?!
『ティモシーの誕生日』 ウィリアム・トレヴァー
アイルランドの片田舎に住む老夫婦の元を
息子ティモシーの代理人が訪れる。
今日はティモシーの誕生日なのだ。
「今日は具合悪いっていうか。
だもんで、僕が使いによこされました。
そのことをお伝えするために。」
不仲なんだな、この親子。哀しいな。
『バースデイ・ケーキ』 ダニエル・ライオンズ
老女ルチアが予約していたケーキを取りにケーキ屋に行くと、
そこに先客マリアが待っていた。
今日はマリアの娘の誕生日。
だが、ケーキは売り切れ。
ほかのケーキ屋は全て閉まっている。
店に残っている唯一のケーキはルチアの予約したケーキ。
マリアとケーキ屋の主人は、ルチアにそのケーキを譲ってくれるよう
懇願するが、意固地なルチアは拒絶する。
人生は厳しい。
誰にも彼にもいい顔はできない。
自分と自分の愛する人のため、
時には人に無慈悲にならなくてはならない。
老女に刻み込まれた、この世の不条理。
『皮膚のない皇帝』 リンダ・セクソン
3人の老婦人が少年に『皮膚のない皇帝』という
本を読み聞かせる奇怪な小説。
『ダイス・ゲーム』 ポール・セロー
ハワイのホテルで、常連客のエディーという男が、
彼の妻(小妖精といっていいくらいの美女)への誕生プレゼントに
若い男をあてがう物語。
セローの持って回った語り口で、鈍感な僕は
(あるいは未熟さ故か)作者が何を言いたかったか、
ちょっと理解できなかった。
『永遠に頭上に』 デイヴィッド・フォスター・ウォレス
今日が誕生日の少年が、家族といっしょに来た市営プールの
飛び込み台に登ってダイブするまでの情景や心情を
クールに描写したもの。
素晴らしい作品。
『慈愛の天使、怒りの天使』
一人暮らしの老人:エリーナの71才の誕生日の朝、
窓から鳥の群れが飛び込んで、
息子や動物愛護協会に電話して助けを求める。
『バースデイ・プレゼント』 アンドレア・リー
イタリアの大金持ちの奥様が、
夫の55才の誕生日プレゼントとして、
「若い娘(ウナ・ファンチューラ)」を贈る物語。
まったく!!!
お金が有り余って困ってるんなら、世界中の貧しい人たちに
恵んであげてね!!!!
『風呂』 レイモンド・カーヴァー
スコッティーという少年が、8才の誕生日に
登校途中車にはねられる。
彼は自力で家に帰るが、やがて昏睡状態に、、、。
この作品にはあとで書き直したロング・バージョンがあり、
僕は両方読んだわけだが、
「喪失」で終わる本作より、
「救済」が加わったロング・バージョンのほうが嬉しい。
『波打ち際の近くで』 クレア・キーガン
ハーヴァード大学に通う主人公。
今日は誕生日。
母親とその再婚相手の資産家の義理の父が
祝ってくれる。
『ライド』 ルイス・ロビンソン
今日はオールデンの16才の誕生日。
8年前に離婚して今は別に暮らす父親と会う。
トラック運転手の父は、金のために
悪の道に踏み込もうとしていた。
この短編小説集のなかで一番気に入った作品。
読みやすいし、描写も的確。
登場人物にも感情移入できる。
『バースデイ・ガール』 村上春樹
これは読者へのバースデイ・プレゼント
楽しめましたよ!!!!!!
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