NHKのテレビ番組にファミリーヒストリーというのがある。
ゲストの芸能人や有名人の両親や祖父母あるいはご先祖様の
生きざまを、歴史資料とともに紹介する番組である。
この本は、主に父親の村上千秋氏の人生について書かれているのだが、
村上版ファミリーヒストリーといった内容である。
千秋氏は京都の安養寺の住職の次男として生を受け、
幼いころから仏教に親しんで育ったにもかかわらず、
先の大戦で3度も徴兵された。
初年兵のときは中国人捕虜の処刑に立ち会わされたそうだ。
仏教に帰依しながら、残酷な殺人に加担しなければならない
心の苦悩はいかほどであったろうか。
僕はノモンハン事件をあつかった『ねじまき鳥クロニクル』を
思い出した。
そうか、あれを書かせたのは父親だったかと腑に落ちた。
同時に『海辺のカフカ』のレビューでつまらないことを書いた、
と後悔した。
僕は、村上春樹が伝統や血脈を無視して、
「僕」一代だけの経験でものを言ってるから世界が浅い
と書いてしまった。
だけど、村上春樹はちゃんと父親と対峙していたんだ。
それを知ってうれしかった。
ファミリーヒストリーもいいもんだ。
作品の理解に肉付けがされる。
本書を書いてくださってありがとう、
春樹さん。
ゲストの芸能人や有名人の両親や祖父母あるいはご先祖様の
生きざまを、歴史資料とともに紹介する番組である。
この本は、主に父親の村上千秋氏の人生について書かれているのだが、
村上版ファミリーヒストリーといった内容である。
千秋氏は京都の安養寺の住職の次男として生を受け、
幼いころから仏教に親しんで育ったにもかかわらず、
先の大戦で3度も徴兵された。
初年兵のときは中国人捕虜の処刑に立ち会わされたそうだ。
仏教に帰依しながら、残酷な殺人に加担しなければならない
心の苦悩はいかほどであったろうか。
僕はノモンハン事件をあつかった『ねじまき鳥クロニクル』を
思い出した。
そうか、あれを書かせたのは父親だったかと腑に落ちた。
同時に『海辺のカフカ』のレビューでつまらないことを書いた、
と後悔した。
僕は、村上春樹が伝統や血脈を無視して、
「僕」一代だけの経験でものを言ってるから世界が浅い
と書いてしまった。
だけど、村上春樹はちゃんと父親と対峙していたんだ。
それを知ってうれしかった。
ファミリーヒストリーもいいもんだ。
作品の理解に肉付けがされる。
本書を書いてくださってありがとう、
春樹さん。
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