キューピーヘアーのたらたら日記

ガンバレ日本!!!TB&コメント大歓迎♪

『神よ、アフリカに祝福を』 沼沢均

2007-03-05 23:57:57 | 
先日、放送大学の英語学習指導中級で著者の沼沢さんのトピックを訳したので、

興味が湧いて、というより沼沢さんについて調べてくるというのが

宿題だったんだけど、読み終えるのが遅くて期限オーバーしてしまいました。


著者はもうこの世にはいない。94年12月6日、

ザイール・ゴマへ向かうチャーター機の墜落事故で亡くなっている。

この本は、死後、共同通信社の同僚たちが、氏が書きためた文章を

編集したものである。



アフリカの虐殺なら知ってるよ。ルワンダでしょ?

「ホテル・ルワンダ」、DVDで観たよ。

100日間に100万人が虐殺されたんでしょ?


ところが、である。

これが、ルワンダだけじゃないんだな。

ソマリアで、ブルンジで、スーダンで、マリで、ザイールで、ウガンダで、、、。

途方も無い数の人々が、内戦で、部族抗争で、干ばつによる飢餓で、

マラリアで、エイズで死んでいっている。


植民地時代から革命を経て、やっとのことで独立を得て、

知識人たちが集まって憲法を作り、民主国家を建設しようとした。

ここまでのいきさつは、どの国家も似たり寄ったりである。

(社会主義になった国も、独裁国家になった国もあるが、、、。)

しかし、民主主義という概念が曲解されてしまっている。

投票という行為が自分の部族の利益のためだけに使われている。

選挙で勝つためには、相手を殺せばいい。

数が多いならそれを減らせばいい。

という単純な理由で大量虐殺が行なわれる。

多数派の部族は、単一部族国家建設を目指し、

同様に少数派の大量虐殺を行なう。


家族を愛国戦線の兵隊に殺され命からがら難民キャンプに逃れてきた

少年は言う、

「彼らがいる限り、僕は村には帰りません。

 武器が手に入ったら、絶対戦います。

 一人でも多く殺してやります。」

著者はこの少年にかける言葉を持っていなかった。


疲弊する国土。飢餓が国民を苦しめる。

だが、武器、弾薬は何年もの間、供給され続ける。

国民は死なせても、武器を買う金だけは残しておく。


腐敗した国家権力。末端官僚に至るまでの無責任と

仕事に対する熱意のなさ。

熱意がないだけなら救われるが、権力で小遣い稼ぎする卑劣さ。


著者は各国の虐殺現場に危険を顧みず、足を運んでいる。

腐乱した遺体たち。鳥たちが眼をついばみ、

猫や犬の餌になっている。

遺体は教会の礼拝堂の中にも幾重にも折り重なって横たわっている。

教会の中までは殺しに来ないだろうという、

一縷の望みにすがろうとした人々の遺体が。


建設用の重機を使って大きな穴を掘り、

ダンプカーの荷台からぼとぼとと土くれのように

落とされる遺体たち。


これらの描写が宿題の期限に間に合わなかった理由です。

読むのが辛くって、、。

でも、眼を背けてばかりいてはいけませんよね。

自分にできることから、何か始めないと。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« キンキーブーツ | トップ | グエムル -漢江の怪物- »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

」カテゴリの最新記事