キューピーヘアーのたらたら日記

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『マンゴー通り、ときどきさよなら』 サンドラ・シスネロス

2008-09-24 18:37:12 | 
1970年代から'80年代にかけて、アメリカの文壇はエスニック文学が隆盛を極めていたらしい。

らしいというのは教科書に書いてあったからで、

この記事は放送大学の授業「文学の愉しみ」を受講していなければ、

おそらくキューピーの目には触れることがなかったであろう小説シリーズ第2弾なのだあ。

こーゆーふーに教科書で取り上げられた小説を読むというのは、

お見合い結婚のようになんとなく自然な成り行きでないというか

尻がこそばゆい感じがしないでもないが、これも何かの縁である。

話を続ける。

作者:サンドラ・シスネロスはチカーノ(メキシコ系アメリカ人)系文学の代表選手なのだ。

(関係ないが、写真で見る限りかなりのビジンだぞっ

貧しい移民の子として育ち、文壇で作家として認められるまでには、

かなりの苦労があったんだろうというのが容易に想像できる。

本書は、作者の半自伝的散文詩集のような短編集だが、

主人公の少女:エスペランサの目を通して、

チカーノたちが集まって暮らすマンゴー通りでの日々が、

瑞々しく伝わってきて、こんなおじさんでも楽しく、そして切なかった。


宝くじに当たる夢ばかり見て現実はうだつのあがらないエスペランサの両親、

それに、おませな妹、自転車を共有している親友、

父親からDVを受けている友人、

今にいい人が現れ自分をここではないどこかへ連れて行ってくれると願い、

毎日窓の外ばかりを見ている女、

貧しいながら大学へ通い続けている少女、

高校生のうちに結婚・出産をして家庭にはいっちゃう友人、

それらは、ほとんど哀れな女達だが、

エスペランサはいつか、マンゴー通りから抜け出そうと、

詩を書き続けるのだ。


キューピーには真似できないね。

きっとマンゴー通りに溶け込んじゃう?ね。

せいぜい、「たらたら日記」を書くのがオチだね。

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