キューピーヘアーのたらたら日記

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『本当は不気味で怖ろしい自分探し』 春日武彦

2007-06-14 22:03:04 | 
"精神分析なんて眉唾に近いと内心信じている"精神科医が書いた奇怪な本である。

21編のエッセイとそれぞれをモチーフにした「以下はフィクションである」

で始まるショートストーリーから成っている。

著者は人の心の機微と捉えるというよりは、奇微を捉えるのに

敏感であるといった方が良いであろう。

さすが、精神病者の心の襞の間にたまったアカを一片一片

あますことなくぬぐっていくという経験を多く持つ

著者ならではの創作といってよいだろう。


だからといって、帯に書かれた「究極の自分探しマニュアル」

などというコピーを鵜呑みにしたらガッカリしてしまう、というより

余りに奇怪な内容に唖然としてしまうだろう。

著者もあとがきで書いている。

"心に潜む不可解さとグロテスクさと、さらには情けなくなるような卑俗さ

 とのブレンド加減こそがわたしの関心の対象であり、本気で自分探しをしたいのならば、

 そのような「げんなり」するようなものに向き合わねばなるまい。

 本書に効用があるとしたら、自身への「げんなり」に免疫をつけることであるかもしれない。"



以下はキューピーが子供の頃に見た世間の闇である。


最近はもう見かけなくなったが、僕が子供の頃には

大きな神社のお祭りには、露店といっしょに見世物小屋が

境内に大きなテントを張り営業していた。

その看板には、この世にいるはずのないヘビ女や

体は一つで頭が二つある狼少年の絵が迫力ある図柄で描かれていた。

小学生だった僕は、はやる心を抑えつつ、人相の悪いもぎりのババアに

100円だったか200円だったかを払い観賞した。


ヘビ女というのは、実は知的障害の女性が二人テーブルの前に座り、

網から体長50cmぐらいの生きたヘビを次々に取り出しては、包丁でぶつ切りにし、

そのままむしゃむしゃと食べるグロテスク極まりないものだった。

狼少年は、頭が二つある奇形の仔牛の剥製だった。


あの仔牛は生後何日間かでも生きていたんだろうか?

生きていたんだとしたら、どちらの頭の指令で体を動かしたんだろう。

右か?

左か?

両方か?

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