「安閑ってなんだ？？」と思われませんか・・・

　「安閑の時代に屯倉が吉備国の辺鄙な場所に設置された。」と書いたのですが、この「安閑って何？？？」とは思われないでしょうか。これは天皇のお名前なのです。ここで、念のために「記紀」にある歴代の天皇の名前を書いておきますので、よかったらご覧ください。なお、先輩諸氏の話によると、戦前の小学校生は、推古天皇ぐらいまでの天皇の名前はほとんどの子供が覚えていたのだそうです。しかし、戦後は、天皇の名前が社会科に出てくるのは天智天皇・聖武天皇・桓武天皇ぐらいしかなく、この「安閑」という名前は、私たちは、見たこと聞いたことがない天皇の名前だとおもうのですが・・・そこで今日は歴代天皇の名前を書いておきます。

　１）神武、２）綏靖、３）安寧、４）懿徳、５）孝照、６）孝安、７）孝霊、８）孝元、９）開化、１０）崇神、１１）垂仁、１２）景行、１３）成務、１４）仲哀、１５）神功皇后、１６）応神、１７）仁徳、１８）履中、１９）反正、２０）允恭、２１）安康、２２）雄略

　この神武から雄略までは吉備国の歴史と大いに関連があり、その名前は「吉備の古代史」を紐解けば目にする天皇です。しかし、22）雄略以後になりますと、そんな天皇も日本にはいたのかと驚くばかりの名前が続いております。歴史家でないと知らない名前ばかりです。

　２３）清寧、２４）顕宗、２５）仁賢、２６）武烈。２７）継体、２８）安閑、２９）宣化、３０）欽明、３１）敏達・・

　と続きます。ほとんど初めて聞く名前ですよね。この中の２８）安閑天皇の時代に吉備に屯倉が置かれたのです（５００年頃）

　なお、これも言わずもがなの話ですが、記紀には「吉備」という字が「伊弉諾伊弉冉」の時代にも、神武の東征の時にも見えます。それを・・・