私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

コノハナノサクヤヒメが・・・

2018-11-30 09:58:40 | 日記
 ニニギの問いに対して女性は答えます。

  “答白僕不得白<アハ エモウサジ>。僕父大山津見神将白<アガチチ オオヤマズミノカミノ モウサム>”

 と。「私からは何ともの申上げれません。父である大山津見神が何と言われましょうか。お尋ねください。」

 ここからも、日本の太古の婚姻成立の過程がよく分かります。親の、特に、父親の許可が無くては自分の意志だけでは成立しなかったのだろうと思われますが、社会制度の有り方まで知ることができるのですよね。

 そう聞くと、ニニギも、直に、彼女の父親に申し込みます。此処ら辺りのやり方は現代にまで続けられているのですよね。

男が女に尋ねたことは・・・・・

2018-11-29 09:36:02 | 日記
 邇ヽ藝命は葦原中国に到着した笠沙の地に自分の宮殿を建てます。そしてしばらくして、その土地の“麗美人<カホヨキオトメ>に遇います。この女性を自分の妻にと思われて、次のようなことを質問しております。これがもし現代であったなら 
 「何て礼儀知らずの失敬な人だ!!!ななんて礼儀知らずのお人だ事」
 と、見向きもされないのですが・・・・

 ニニギの質問
  1)“誰女<タガムスネゾ>”貴方は誰ですか
  2)“有汝之兄弟<ハラカラリヤ>”兄弟ははおられますか
  3)“吾欲目合汝奈何<アレ イマシニマグアイセント オモフハイカニ>”私は貴方と一緒に寝たいのですが
      
 どうです!!如何に麗しの美人であったとしても、出合ったばかりの人に、こんなことが尋ねられましょうかね???それも、3)の様な質問がです。廻りくどいことでなしに、すべてが単刀直入が当時の流行りだったのでしょうかね????

 なお、此の“目合<マグアヒ>ですが、イサナギ・イザナミが出逢った時“天之御柱”を廻った後に

     “美斗能痲具波比<ミトノマグアハヒ>

 とありますが、その痲具波比<マグハヒ>です。<ミト>は「御所<ミト>で、「寝所」です。痲具波比は二つの物が一つになることで「交会」になり、その<マグハヒ>がここでは「目合」になったのです。

 そのような意味からして「目合<マグワウ>」がお互いの目が合うのではなく、一緒に寝ると言う意味になったのです。
 まあ今日は やや込み入った解釈になりましたが、古代社会の婚姻成立過程が、おぼろげながらですが、解明できたのではないかと思っているのですが???
 男性側からの「吾欲目合汝奈何」の言葉なしには婚姻は成立しなかったのでしょうかね???

 どうでしょうか、御意見を賜りたいものですが。

“木花之咲久夜毘売”

2018-11-28 14:17:22 | 日記
 「麗美人<カホヨキヲトメ>」ですが、その美しさを一目見て邇邇藝命は、たちまちに彼女に一目ぼれします。そこで、彼女に尋ねるのです。

             “問誰女<タガ ムスメゾ>”
 
 と。古代社会では、現代のように、電撃的に恋人にはならなかったのです。あの万葉集の最初にある雄略天皇の歌にもそれが見えます。

    “・・・この丘に 菜採ます児 家聞かな 告らさね・・・・”

 男性が女性に求婚する場合は、この歌に見られるように、まず相手の女性の家が何処かという事を尋ねております。
ニニギも、日本の古来からのしきたりに従って、美しい女性に問いかけているのです。此処ら辺りにも古事記の歴史的な価値があるのですよね!!!

 さてそんなことはどうでもいいのですが、この美人<オトメ>の姿ですが、ネットで探しますとありました。みてください

             

“麗美人”

2018-11-27 09:34:14 | 日記
 「カホヨキ ヲトメ>と読んでおり、これはここに、またまた、「麗しの美女」が登場することが分かります。やはり古事記が、いくら歴史書だといえ、本質は「物語」だという証拠です。「美女」がいなくては洋の東西を問わず、決して、お話が進展していかないのです。
 その例に漏れず、やはりニニギにも一人では新しい国を統治することができなかったのでしょうかね??一人の麗しき美女を登場させております。先に上げたニニギの天降る一行の中にはいなかったのでしょうか、亦、ちょうっとその時の絵を見てください。

               

 どうもそれらしき女人は見当たらないのですが???

 だから仕方ありません。物語をより面白く読んでもらうためには、何処からか、身分的にも高貴な、しかも、麗しき女性を持ちださざるを得ません、そこで登場させたのが、

      “麗美人”即ち、“神阿多都比売<カムアタツヒメ>”

です。聞いたことのない名前でしょう。この美人<オトメ>とニニギが遇うのです。「遇」ですから、たまたま偶然に逢ったのです。

 なお、「麗」は<カホヨキ>と読み、美麗、艶妙、容姿麗美などの意味があり、「美人」は<ヲトメ>で、漢字で書くと嬢子、嬢女、媛女等になるのだそうです。

漸くに高天原から・・・

2018-11-26 17:52:31 | 日記
 どうにか葦原中国にその住まいする宮殿が出来あがります。それから、どうしてかは、その経緯は分からないのですが、邇邇藝命は、その道案内をした猨田毘古大神<サルダヒコノオホガミ>を、その生国まで、天宇受売命に送り届けさせています。これについても、なぜ、ウズメがわざわざサルダヒコを送り届けなければいけないのかも分かりません。まあ、それも、わざわざ古事記に後生大事に書いてあるのだから、そんなに根掘り葉掘り詮索しないで、次の物語に進みます。