私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

私一人の大晦日の風景です

2018-12-31 16:41:15 | 日記
          山の端の 木々の梢も 大晦日

 時の流れとは何でしょうかね???見定めぬ時の姿が何処をどう流れて行くのか知らないのですが、本当に瞬間に目の前から立ち去る如くの老いの日々です。私の部屋から見える吉備の中山の頂上の木々の葉は完全に散り、夏場には決して見せない、その向こうの冬空を空かせて、寒々とした独特の光景が山の稜線に凸凹として並んであおります。
 毎年、年の瀬になると、どうしたことかは分からないのですが、その風景は目に入っていつまでも消え去ることができません。不思議な私一人の大晦日の風景です。

 来年もしばらくの間、といっても神武天皇の即位までは、その歴史を、古事記に沿って、手繰って見たいものだと思っていますので、時間が余っていたならばお付き合いください。

              よいお年を・・・・・

燃え盛る室内で出産したサクヤヒメの運命は???

2018-12-30 09:39:21 | 日記
 「燃え盛る室内で出産したサクヤヒメの運命は」ということが、まず、気に掛かります。
 「どうなったのでしょうか。」
 古事記には、生まれた御子のその後のことは、次の章で詳しく書かれておりますが、母親であるサクヤヒメのことは、その後どうなったかは何も説明すらもありません。あのイザナミでさへ、

      “因生火神<ヒノカミヲ ウミマセルニヨリテ>遂神避坐也<ツヒニ カムサリマセヌ>”

 黄泉の国は行ってしまったのです。火の中にいたのですから、当然、サクヤヒメも生きてはいないと思われますが、どうでしょうかね???

 そこで、「果たして???」と、日本書紀を紐解いてみます。すると、「一書に曰はく」として
 「・・・然る後に母吾田鹿葦津姫 火燃燼(もえくひ)のなかより出来就(いできた)りて、・・・」
 とあり、決して焼け死んだのではなく、火が燃え尽きてしまった後に出てきて、
 「・・・おのずから火の難(わざはひ)に遇えども少しも損ふ所なし・・・」
 と云って、無事なることを宣言しております。

 このように同じ国書の中でも、その内容がこのように違う所があるのも記紀の特徴なのだそうです。

 

燃え盛る火の中で

2018-12-29 09:53:18 | 日記
 「私の子ではない。」
と疑いをかけられたサクヤヒメは部屋に火を掛け、その燃え盛る火の中で身籠った子を生みます。

     第一子は「火照命<ホデリノミコト>」
     第二子は「火須勢理命<ホスセリノミコト>」
     第三子は「火遠理命<ホヲリノミコト>」

 の三子です。なお、此の第一子が生まれたのは、その屋内に火の手が挙がって、一番激しく燃え盛る時に生まれたのです。それを

          “其火盛燃時<ソンヒノ マサカリニ モユルトキ>”

 と書きあらわしております。
 なお、日本書紀にはこの三柱が生まれる時を、「燃え始めの時」「燃え盛る時」「燃え衰え時」の三段階にかけて書いてありますが、古事記では。第一子のみを、その生まれ出る時の状態を書き表しております。

 なお、言わずもがなですが??「照」は火が燃え始めた時のことであり、「須勢理」とは火が一段と燃え進みした時であり、「遠理」は火が弱った時に生まれたと言う事を、書紀のように明記せずに指示しているのだそうです。

 そう言われるとよく分かります。其ら辺りの配慮の元に古事記は書かれているらいいのです。

なんと女性の強さよ!!!!!

2018-12-28 11:42:40 | 日記
 もし、あなたが孕んだ子が
 「私の子ではない。誰か他の人の子に違いない。」
 と、言われたとしたら、どうしますか????その女性の自殺さへ考えれますよね。でも、サクヤヒメはそのようなひ弱な女性ではなかったのです。
 
「誰の子とも分からないような子でしたならば、生んだとしても、決して、丈夫には育たないでしょう。もし、ニニギ様のお子様なら、どのような災難に遭いましょうとも、きっと、丈夫に生まれてくるでしょう。」

      “若天神之御子者幸<モシ アマツカミノミコニマサバ サキカラム>”

「幸」です。「どのような逆境にあっても、きっと、丈夫に生まれてくることでしょう。」と、サクヤヒメは高らかに宣言します。
 そして、当時の風習に随ってニニギの住まいしている傍に

        “無戸八尋殿<トナキ ハヒロドノ>”

 を作ります。それについては此処ではなにも説明はないのですが、きっと、サクヤヒメの父「大山津見神」と相談の上だと思いますが????大変大きな窓が付いていない産殿を作ったのだと思われます。そして、内部は、総て、外からも内からも出入り出来ないように土壁を塗り塞ぎます。そして、その内側にサクヤヒメは自ら火を付けて、たちまちに火は勢いよくその産殿に燃え広がります。
 さて、ヒメの運命は如何に・・・・・・当然!!!と思われますが・・・・

非礼なるニニギかな・・・・・・

2018-12-27 16:24:47 | 日記
 サクヤヒメは
 「私は貴方のお子を妊娠しました。世の中のしきたり通りに、あなたのお側であなたの子を生みます」
 と、その歓びを体じゅうに現わして訴えます。するとです、意外や意外にです。ニニギの答えは

      “是非我子”

 <ソハ ワガミコニ アラジ> 「あなたが孕んだというその子は自分の子供ではない。何故なら」

      “一宿哉任<ヒトヨニ ヤ ハラメル>”

 「あなたとは、たった一晩一緒に寝ただけですよ。そんなことで子供が出来るはずがありません。それは、きっと、以前、あなたが、この国の、どこか分からない他の男と寝た時に出来た子に違いないですよ。私の子供ではない。」

 と。

 どうでしょうか。その時のサクヤヒメの心を考えてみてください。父も賛成してくれて、“百取机代之物<モモトリツクエノシロノモノ>を持たして奉っての結婚だったはずです。それを何と云うことでしょうか。父親の大山津見神も、きっと、怒髪天を突く思いではなっかたかと思われますがどうでしょうか。その前にも姉の石長比売も醜いと言うだけで追いかえされています。重ねがさねの非礼です。怒らずにいられましょうや???

 さて、この結末は如何に・・・・・