新羅征伐の長官に任じられて、大勢の“衆<いくさびと>を引き連れて朝鮮半島にやってきた息子の“弟君”が、そのまま新羅と戦いを交えることなく百済にと止まったと言う事を聞いて田狭は喜び、密かに、使いを弟君の所に使わして云います。
“汝之領項<イマシガクビ> 有何牢錮<ナンノカタキコトアリテ> 而伐人<ヒトヲウツヤ>”
と書かれてあります。「領項」ニ<クビ>とルビがふって有ります。元々「領」も「項」も<クビ>を意味すろ言葉です。
田狭は息子に云います
「どうして、お前は、そんなに武力も腕力もないくせに、戦いをすれば、すぐにお前の首なんかとられてしまうような弱々しい男だ。それなのに、どうして人様を討つ事が出来るのか。」
と云うのです。父親です。子供の実力ぐらい知っています。
どうでしょうか、初めから余り、朝鮮半島の強国「新羅」との戦について自信がなかったのでなないでしょうか。自分の命がどうなるか分からない戦いなどしたくないのが当然です。だから、新羅の神様の話なんか持ちだして。戦いを回避したのではないでしょうか???
ちょっと深読みし過ぎかな???