「美袋」
これを何と読むのか知っておりますか。大国さんが出雲の国から吉備に国へ来た時、其の肩にかついだ大きな袋を置いた処から付けられた地名なのです。
神話には出雲のダイコクが吉備の国に旅したという記述は無いのですが、吉備にはこのような大変読みずらい名前の地名が残っております。おれを
{みなぎ}
と読んでおります。そこの古老の話です。
“むかし、むかしの話しじゃたんだ。ある時になあ。出雲におったダイコクさんが、なんの用だあったんかわからんのじゃがなあ。この吉備の国へおいでんでんさったんじゃとう。高梁川をつとうてきたんじゃ。その途中で日が暮れてしもうてなあ。しかたねえんで、そこら辺にあった寝るのに都合のええ山があったんで、そこで寝たんじゃと。その山が、今、「大黒山」といわれておるんじゃ。でも、大黒さんが持っていた、おおけえ袋じゃがな、それを山のそべえ ええてえて、寝たんじゃと。其のダイコクさんが置いてえた処がそれからというもの、ぼっけえ 美しいええ土地になって里人が ものすうげえ よろこんあだそうな。せえから此処が
「美袋」
と命名されたのです。その読み方は、最初「袋」は「嚢」という字だったのですが、其の書き順が難しかったので同じ「ふくろ」とよむ「袋」にしたのだそうです。その読み方も「のう」だったのですが、その「う」、さらに、「ぎ」に変化したのだと言われております。なお、兵庫県にも、現在も、此の字を使った「美嚢郡」がありますが。この「美袋」とどういう関係があるのかは分かりません
これを何と読むのか知っておりますか。大国さんが出雲の国から吉備に国へ来た時、其の肩にかついだ大きな袋を置いた処から付けられた地名なのです。
神話には出雲のダイコクが吉備の国に旅したという記述は無いのですが、吉備にはこのような大変読みずらい名前の地名が残っております。おれを
{みなぎ}
と読んでおります。そこの古老の話です。
“むかし、むかしの話しじゃたんだ。ある時になあ。出雲におったダイコクさんが、なんの用だあったんかわからんのじゃがなあ。この吉備の国へおいでんでんさったんじゃとう。高梁川をつとうてきたんじゃ。その途中で日が暮れてしもうてなあ。しかたねえんで、そこら辺にあった寝るのに都合のええ山があったんで、そこで寝たんじゃと。その山が、今、「大黒山」といわれておるんじゃ。でも、大黒さんが持っていた、おおけえ袋じゃがな、それを山のそべえ ええてえて、寝たんじゃと。其のダイコクさんが置いてえた処がそれからというもの、ぼっけえ 美しいええ土地になって里人が ものすうげえ よろこんあだそうな。せえから此処が
「美袋」
と命名されたのです。その読み方は、最初「袋」は「嚢」という字だったのですが、其の書き順が難しかったので同じ「ふくろ」とよむ「袋」にしたのだそうです。その読み方も「のう」だったのですが、その「う」、さらに、「ぎ」に変化したのだと言われております。なお、兵庫県にも、現在も、此の字を使った「美嚢郡」がありますが。この「美袋」とどういう関係があるのかは分かりません