本居宣長をして、その著書、「古事記伝」で、「世に日々に死る人よりも、生るゝが多かるは、今此の 御言に由れり・・・・」と言わしめたことですが、奇しくも、昨日の新聞に「2015年人口動態」と言う記事が掲載されていました。それによると、平成27年度の岡山県の人口の自然増減は、生出者数と死亡者数を比較すると
出生者数(15599人)-死亡者数(21525人)=-5926人
であったと報告されました。
さて、この死者数が出生者数を追い越したと言うことに、今、黄泉の国にいるイザナミは如何なる思いで見ておられることでしょうかね。
「どうでしょうね!!!!我が愛しの夫イザナギよ。私の思う壺に嵌ってしまったでしょう。「必ず」なんて強がりなことをおっしゃいましたが、これをどう見給うか。オホホホホ」
と、闇の国からほくそ笑んでいらっしゃるのではないかと思うのですが???完全に妻であるイザナミの二千年以上の歳月を費やした大逆転の勝利だと思われますが????。「女性は豪し」とは、我が国開闢以来から分かっていたのでしょうかね。
まあ、そんなことはどうでもいいのですが、昨日書き忘れたのですが、そのイザナギガイザナミに云い伝えた言葉ですが
“一日必千五百人生也”
ですが、これを、「人生也<ヒト ナモ ウマレル>」と、読ましているのですが、この「ナモ」とは、今の「なむ」で、言葉を強める時に使う助動詞です。伊勢物語にある
「その人、かたちより心【なむ】まさりたりける」
と同じ使い方だと、宣長は説明しております。これも念のために。
この「ナモ」と強く云い切ったイザナギの言葉が、今では空しく古事記の中で響き渡っているように思われて仕方ありませんが。どうでしょうか????
これで今年の締めくくりにします。来年<ナモ>よい年でありますようお祈りいたしております。