それだけ綿密な計画を立てた所に、「遠呂智」は堂々とやってきます。
“信如言来”
と、その様子を、たった4文字で、いとも簡単に古事記には書いてあります。「本当にアシナズチが言ったようにくる」。読んで字のごとくです。これを<マコトニ イヒシガ ゴト キツ>と読んでいます。「如」だから翁が言ったような形をして現れたのです。スサノヲは始めは頭と尾が八つもあるような、そんなオロチがいるなどと云う事を余り信じてはいなかったのではないだろうかと、この四文字から読み取ることができます。それくらい非現実的な場面への遭遇です。しかし、そんなオロチが目の前に現れたのですから、スサノヲの驚きはいくばかりだったでしょうか。でも、「よし、待っておれよ。今に退治してたやるから」と云う強い信念さへ、このたったの4字の中には伺えるような気もします。
そのように満を持して待っております。一方、オロチはと云いますと娘を食べるどころではありません。そこら辺りから来る何とも言えない香ばしいような甘ったるいような匂い。何にましてもその風の誘いにはかないません。ずるずると、その匂いのしてくる方に頭が向来ます。
“毎船埀入己頭飲其酒”
<フネゴトニ オノモオノモ カシラヲ タラシテ>と読んでいます。「埀」は酒を入れた樽(船)にすべての事を優先して突っ込むという意味があります。オロチはそれくらいお酒が好きだったのでしょうか。・・・酒を供えると言うことは、そうではなくて、古来から、酒を神に捧げ、戦勝祈願の神事が、常に、行っていたのです。そのことを大げさにここでは書き現わしているだけの事です。現在、神社にお参りした後に見られるの直会(なおらい)裳この習慣が残り伝えられたものだと言われております。これはスサノヲ側の神事なのです。オロチが法は昨夜その神事は済ましておったと私は思われます。オロチは昨日の酔い覚ましのためにと思ってそこにあった酒を飲んだだけだと私は思うのですが???
以上、こじ付け談義です。お笑いください。
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