私の町吉備津

岡山市吉備津に住んでいます。何にやかにやと・・・

私の夏の思い出

2018-08-02 09:32:47 | 日記
 私は戦前生まれの82歳の老人です。私の小学校時代の夏の思い出と云えば、家のすぐ側を流れている高梁川で朝から晩まで泳ぐ事だけでした。熱中症なんて言葉すら聞いたことがなかった時代にです。戦後すぐの、物が何もない時代です。「おやつ」という言葉のなかったというか言葉だけであって物はなかった時代です。何にも周りにないのが普通な世の中でした。
 でも、私の町「美袋」には「しんかどや」さんというお菓子屋がありました。夏になるとそこのおじさんが大きな麦わら帽子をきて、「アイスキャンデー」と青に白字で書いた幟旗をひらめかせながら、大きな自転車に青色を乱雑に塗ったクーラーボックスを摘んで、当時、子供たちだけでなく大人までも「アイス」と呼んでいた「アイスキャンデー」を売りに来るのです。チャラン・チャランと大きなベルを片手で打ち鳴らしながらながらです。わずか一本が1円もしなかったのではないかと思いますが、どうしても今その値段は思い出せません。白、青、黄、赤のアイスキャンデですが、特に、おいしかったのはその値段が赤などのアイスの2倍ぐらいはしていたのだろうと思いますが、「小豆」入りのアイスキャンデーです。毎日はとても口にすることができなかったのですが、何日に一回ぐらいの割合だったと思いますが、其のアイスを口にすることができます。それを口に入れた時のうれしさは、何事にも代えがたい有難さというか嬉しさを感じながら、ゆっくりと、決して、噛まずに舌でなめまわすようにそれを味わって居りました。そこら辺りにいる腕白者達もみんな同じですから、其のアイスを持った時のさも自慢そうな、「これぞ私だ」と言う誇らしげな感じを持った顔がいまでも心に浮かぶように思いだされます。

 もう70年間も前の夏のおやつの思い出です。
 そう言えば、どうしてこんな姿が急に私の頭に浮かんできたかのかは分かりませんが、多分、その「しんかどや」さんの自転車が来る時刻になると川で遊んでいる子供たちが一斉に川からから上がって我が家に急いだことと関連してだと思われますが、当時の夏の日の高梁川で泳ぐ小学生の例外なしに、男の子は全員丸裸の「ふりちん}だったのです。海水パンツなどというものに生まれて初めてお目にかかったのは中学2年生全員が参加した海での研修でした。其の時でも、洒落者の男の子が2,3人しかいませんでした。あとは「ふんどし」が普通でした。
 そなんオヤツも冷蔵庫も海水パンツも、まして、クーラーもない古い古い時代の「アイス物語」をクーラーの効いた部屋で書いております。

 幸福とは何でしょうかね???


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