
まず相手の長点から探しなさい
心の中でだけ「人を愛そう、自分から先に好感を持とう。」と思ったとしても、誰もひとりでに好きになるものではない。
人というものは長点ばかりあるものではないから、どうしようもなく、短所が目に付くものだ。だからどうして無鉄砲に好きにだけなることができようか。
しかし、怠け者、バカ、間抜けだと呼ばれる人だとしても、人柄が善良で、その人がやる仕事が正確だったならば、それがその人の長点になることができる。また、落ち着きがなくいつも失敗ばかりする人も人を楽しくさせる特技があったならばそれもまた、その人の長点だといえる。1から10まで間違ったと非難できる人はこの世の中に誰もいないはずだ。
誰かを好きになれば自分自身も発展する。相手に対する好感を持つことから、深い心のつながりである信頼が生じるのだ。
入社した時から敵同士のような同僚がいたとしよう。
あなたは、はじめから彼が「与えるものなく」嫌いだった。なぜそのような感じがしたのか。
まずあなたは彼の初印象から気に入らなかった。どこか傲慢に見える目つき、人を馬鹿にしたようなその人特有のジェスチャーがあなたを不愉快にさせたのだった。そこに、相手もあなたをそんなによく見ているようではなかった。だからすべてのことに意見の衝突があるのが目に見えている。そんな日々が続いていたとしたら、あなたもまた心が穏やかではないはずだ。誰かを憎む気持ちはそれ自体だけでも互いを不幸にするものだから。
こういう時はあなたの考えを180度変えてみよう。
あなたははじめから彼が嫌いだったから、もしかしたら彼は傷つかなかっただろうか。あなたが拒否感を持ったその人の初印象は単にあなたの主観的な判断ではないか。周囲の人は彼に対して悪い評価をしたいないのに、ただあなただけが感じることは下手なライバル意識からではないか。
ここでもう1歩進んで、相手の傲慢に見える印象を肯定的に評価しようとしてみるのもいい。あなたが心を変えた瞬間、彼の傲慢に見えた初印象が自信感があり、活気に満ちた姿に変るはずだ。
考えを変えると人生が楽になるという言葉がある。あなたが相手をよい目で見ると彼もあなたに好意的に対するようになるはずだ。
いいことがそんなにない世の中で、何のために憎い人まで作って生きるのか。心の目を大きく開けて他人の長点を探してみるとあなたもいつの間にか誰もが近づきたいと思う好感の主人公になることができるのだ。
※ どう見てもいいところがなくみえる人だとしても
明らかに長点一つぐらいはあるものだ。あなたは宝を探すように
その人の長点を発掘しなければならない。
そうすれば理由なく人を憎んだり
それによって居心地の悪い関係になることはないはずだ。