
自分の所管でなければ大きなことを言うな
取引先に行ったら意外にも自分の所管でない他の部署のことで取引業者がかんかんに怒っている場合がある。
「君の会社のAS部署に連絡してから何時間もたつのに、何も連絡が来ないのはいったいどういうことだ。」
「君の会社に何回も電話をかけているのに営業部長と連絡できないのはどういうことだ。」
取引業者からこんな不平が出てきたらどうするか。
あなたがその仕事を担当している状況ではないから、事がどうなっているのか知ることができないのは取引業者と同じ身の上だ。
「そうですか。それは申し訳ありません。私がすぐに連絡を取ってみます。心配なさらないでください。」
「営業部長と連絡できないですって。わかりました。私がどうなったのか事務室に聞いてみます。」
上の二つの答えは適切ではない場合がある。なぜならば、あなたはどうして事がそうなったのか、すなわちAS出動がなぜ遅れているのか、営業部長は何の理由で相手との連絡をできないでいるのかに対して確実に知ることができないからだ。
あなたは取引業者にすべてのことを処理してやると大口を叩いたことになるが、本当にあなたが処理できるものはひとつも無いかもしれない。
もしかすると、あなたは取引業者に役に立たない法螺を吹いてきたことになり、会社では身の程を超えた行動をしたと非難されることもある。
こんな場合は、むしろ適当な方法で取引業者をなだめて自分なりに事の次第を調べるのがより賢明な方法だ。
「おそらく会社で急な事情が生じたのでしょう。私は最近ずっと外部での仕事ばかりしていたので会社の事情がよくわかりません。」
「社長ならば私どもの会社の最高のお客様ですので、わざとご迷惑をかける訳がありません。ご面倒でももう少し待って見てください。必ず連絡があるはずです。」
このように相手を持ちあげてやる話法で余裕を持って言ったならば、ある程度、興奮を収めることができるはずだ。
その後であなたは会社に戻って担当者と直接連絡を取って状況を把握した後、結果を誠意を持って伝えれば、取引業者もあなたを見る目が変わるはずだ。
「君は見た目よりも確実なところがあるな。君と関係のあることではないのに、腹が立って言った事なのにこうやって直接電話までくれるとは。」
この程度の言葉が出たならば、あなたはもう確実な客を一人確保したことになるのだ。
※ 自分の所管でない問題をむやみに解決しようとするな。
軽率に大口を叩くとむしろあなたの信用を落とす。