酒の席の後を警戒しろ
仕事帰りの酒の席は職場人の特権だという人もいて、それもまた業務の延長だとう人もいる。それほどに仕事の後の酒の席は、職場で積もった一日のストレスを解消することができる場所であると同時に、組織社会の冷厳な秩序を後に残すこともある複雑微妙な特色を持っている。
「一日中仕事をして大変だったのに、仕事が終わった後に酒の1杯もなければ、何が面白くて暮らす。」
このように話す人は、大概、職場の新入社員に該当する。まだ職場生活が面白くて同僚とも親しくなり始めた頃だし、ただ酒の席が楽しいだけだ。だから仕事が終わって「ほんの1杯だけ」の誘惑を振り払うことができないのだ。
「酒は気楽な人と飲まなきゃ。私は仕事が終わった後にまで職場の人と、特に上司と一緒に酒を飲むのは、楽しくないから嫌だ。」
「酒の席で失言でもして後で痛い目にあったらどうする。」
大概、職場での経歴が長くて仕事の後の酒の席のメカニズムをよく知っている人が、こんなことを言う。
しかし、好きであれ、嫌いであれ、酒の席はどうすることもできない重要な席だということが職場人の共通の考えだ。
職場と言うところは、厳然とした序列と原則が存在するところだ。そんな固い上下関係と複雑な業務から抜け出し、虚心坦懐に互いの心をやり取りすることができるところが正に酒の席ではないか。
しかし。現実はそんなロマンチックな期待とは全く違う場合も時々ある。
「さあ、今日は気楽に酒を飲みながら互いに話をしよう。」
仮にこのように言う上司の本心をどこまで受け取らなければならないか。正直に心の中を吐き出した後、後遺症に悩むのではないか。
酒の席の後に慌てた経験のある人ならば、誰でもこんな疑いの気持ちを抱くようになる。
「私たちは今職場の上司と部下ではなく、酒の仲間として話をすると思え。普段会社に対する不満があったり私に言うことがあったら皆言っていいぞ。」
はじめの上司の話を信じて根掘り葉掘り不平不満を吐き出したが、次の日なぜか気まずい気分で上司に対することになったならば、明らかにあなたが何か失敗をしたのだ。
「あの、もしや私が昨日何か失敗でもしたのではないでしょうか。」
上司にこのように注意深く話した時、上司から「大丈夫、酒の席だったのだから、何、私はそんなことは気にしないから。」と言ったならば、彼があなたの失敗に気を使っているという意味だ。すなわち、これから礼儀を注意して見ながら、再びこのようなことがあれば容赦しないという意味に解釈してもいい。
仕事の後の酒の席のメカニズムと言うのは、正にこういうことだ。
酒の席を楽しもうとしたら、互いに尊重する心を持っていなければならない。上司は部下を、部下は上司を尊重する心で酒を飲んでこそ酔っても失言をしないものだ。
会社の仕事から離れたと言って肩書きもなくなったと考えると混乱する。酒の席だといってどんなことを言ってもいいという哀れな考えは捨てなさい。そうしてこそ職場生活が楽になる。
※ 酒の席での上司の約束、命令、指示などは
日常的な業務の範囲内では、すなわち
一つ目、事前に相談する部分
二つ目、その時ごとに報告する必要がある部分
三つ目、最終的に報告だけを必要とする部分
この3つを明らかにすることが鉄則だ。