単身赴任のお父さんの手紙
家の父はずっと単身赴任です。
慣れない日本にある工場で、がんばって働いています。日本語もうまく話せない父が、他国で働いてきたのは、ひたすら家族のためでした。私も父の苦労はよくわかっていますが、長く離れて暮らしていたせいか、父に会うことは、とてもぎこちなく気恥ずかしいことでした。
「お帰りなさい。お父さん。」
「ただいま、大きくなったね。」
父が始めて韓国に長らく留まる事ができるという時も、父娘の対話する時間がないほどに忙しく過ごしました。一日中働きながらも、明け方には、貧しくて勉強できなかったハングルの勉強をしていました。父の顔を見るのがとても難しかったです。ですが父はその忙しい中にも、私たちと親しくしようと努力しました。
「チエ、この本ちょっと読んでくれないか。」
時々、本を読んでくれと言って言葉をかけてくる父になぜかなじめず、その度に私は言い訳をするのに忙しかった。
「ごめんなさい。明日、試験だから、、、」
「そ、、そうか。仕方ないな。」
そうやって数ヶ月過ごした父は、また日本に帰りました。父が発った日、私はいつものように淡々と見送りました。
ですが、翌日の朝、自分の行動を後悔しなければならなくなりました。父が本の間に挟んでおいいた手紙を見つけたからです。一字一字真心をこめて書いた父の手紙、、、。
「愛するチエへ。お父さんはお前たちが誇らしい。お前たちを置いていくたびに足が重くなるが、まっすぐに育っていくお前たちの姿を見ると、がんばって日本に行くことができる。」
「体に気をつけて」という言葉で終わる父の手紙は、スペルはおかしかったのですが、ぼろぼろ涙がこぼれるぐらい感動的でした。
こちらにいる間よくしてあげなかったことが、とても後悔され申し訳なく思いました。次に来た時には、父の手をためらうことなく握ってあげなければと思いました。自信を持って愛しているという言葉も言わなければと思いました。
「お父さん、大好き。」