退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 7

2015-07-29 06:32:16 | 韓で遊ぶ


貧しい少年の贈り物
世の中を斜めに見て、いつも無気力で無心な先輩がいました。
私と親しかったその先輩が、1年の間フィリピンへ奉仕活動で行く時に、周りの人たちは内心期待しました。苦しい人々の手と足になって愛を分け合えば、先輩の否定的な性格も治ると思ったのでした。
1年後帰ってきた先輩は、期待した通り前とは全く変っていました。明るく肯定的な性格に変わっていたのでした。先輩に変化の機会をくれたのは、フィリピンで会った一人の少年でした。先輩はフィリピンであったことを話してくれました。
「ある日のことだ、そこで子供たちとバスケットボールをすることになった。」
どんな運動も上手な先輩は、フィリピンの子供たちとバスケットボールをすることになりました。実力を見ても、体格を見ても先輩に有利な競技でしたが、点数は反対でした。やる気のない動きで先輩が失敗を繰り返すと一人の子供がこう聞きました。
「おじさんは、僕たちとバスケットボールするの楽しくないの。」
先輩が失敗を繰り返す理由は他にありました。
「お前たちは、皆、はだしじゃないか。僕が思いのままに動くと、運動靴を履いた足で君たちの足をふむんじゃないかと気になって。」
はだしで上着を脱いでいる子供たちに先輩が聞きました。
「君達ははだしで、僕は運動靴を履いている。それに汗を良く吸ってくれる運動着も着ている、、、君たちも僕みたいにこうやって運動靴を履いて、シャツを着て走りたくないのか。」
少年は笑いながら答えました。
「今、この瞬間も楽しくて幸せだよ。おじさんのように、かっこいい靴とかいい服はないけど、それがあればいつでも履いたり着たりできる健康な体と足があるもの。」
先輩はその言葉ではっと、気づきました。
毎日、肩を落として不平不満ばかり並べていた先輩を、その少年の一言が変えました。
苦しい環境にも希望を忘れない少年の肯定的な姿が、一筋の光のように先輩の心の中の暗い部分までも明るくしてくれたのです。
コメント
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