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練習の虫
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20世紀の世界10代チェリストの中の一人であるモーリス ジャンドロンは1920年フランスのニースで生まれた。
彼は若い時に世界的な画家パブロフ ピカソに会ってはじめて芸術の本当の意味を知らされた。当時、彼はピカソに絵を一枚描いてくれと頼んだ。
「チェロは私の命ほどに大事なものです。だから先生の書いたチェロの絵を一枚ほしいのですが、描いていただけますか。」
「ああ、いいとも。君によく似合う素敵なチェロを描いて上げよう。」
ピカソは快く承諾し、ジャンドロンは絵の完成を待ちました。しかし、その後、何度もピカソに会う機会はあったのですが、絵に関する話はただの一度の聞くことができませんでした。
「何で話がないのだろう。まだ描けないのだろうか、、、。」
長らく絵に関する話を聞けなかったので、彼はピカソがただ通りがかりに言った言葉だと思い、チェロの絵のことはあきらめました。
10年ぐらい経ったある日のことでした。ピカソはジャンドロンに意外な贈り物を差し出しました。それは彼が手に入れたかったチェロの絵でした。
「あ、これはチェロの絵ではないですか。」
彼自身もすっかり忘れていたので、とても驚き、どういうことなのかと聞きました。ピカソは答えました。
「私は、君からのチェロの絵の依頼を受けた日から、毎日チェロの絵を描く練習をしたよ。そして10年かかって気に入ったチェロが描けたから、やっとあげることができるよ。」
10年かかって完成したチェロの絵を見ながら彼は悟りました。本当の芸術というのは、長い時間をかけて作り出してこそ光を発するものだということを。その後、モーリス ジャンドロンは「練習の虫」という別名がつくぐらい、ひたすら練習に時間と努力を打ち込みました。芸術家に才能と同じぐらい必要なものは、まさに謙遜な心で絶え間なく練習して努力する姿勢だということを、ピカソを通して学んだからでした。