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退屈しないように シニアの暮らし

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さて何をしようか

幸福な世界 7

2015-07-22 06:41:19 | 韓で遊ぶ


校長先生はおやつ名人
忠清南道(충청남도)唐津(당진)にある沔川(면천)中学校には、他の中学校にはいないおやつ名人がいます。
午後5時になるとスピーカーを通して、教室ごとにおやつの時間を知らせる放送が流れます。
「みなさん、おやつの時間です。今日のメニューはのり巻きです。」
その言葉が終わるか終わらないうちに、子供たちは学校の行政室(행정실)にぞろぞろと押し寄せます。テーブルの上にうず高く積まれた食べ物を見た全校生117人の口元には笑みがあふれます。
「わあ、おいしそう。」
「ありがたくいただきます。校長先生。」
毎日放課後、自由学習をする生徒たちにおやつを作ってやる人は、他でもないキムソンサム校長です。材料選びから調理まで自らやっているほどで、真心があふれています。彼がおやつの援助を始めたのは、沔川(면천)中学校に赴任する前の美山(미산)中学校に勤務した時からでした。
彼が、去る2004年まで身を寄せていた美山(미산)中学校は、田舎にある学校なので近くに塾さえありませんでした。それに大部分の父兄は農作業で忙しく、授業が終わると美山(미산)中学校の生徒たちはすることがありませんでした。悩んだ末、夜の9時まで子供たちに自由学習をさせることにしました。意図は良かったのですが問題がありました。その時間まで子供たちを学校においておくためには、おやつが必要だったのです。しかし、給食の施設どころか、おやつを作る職員も、材料を購入する予算もない現実でした。
彼は、学校の近くにある韓国水資源公社の保寧(보령)管理公団に行き援助を要請しました。
「うちの学校の子供たちのおやつ代を支援してください。」
彼の提案を快く受け入れてくれ保寧(보령)管理公団側から、1学期ごとに700万ウォンのおやつ代の支援をもらうことになりました。おやつを作ることは心配ありませんでした。幼い頃から母親から学んで手馴れた彼の腕は、瞬く間にのり巻きの塔を積み上げるほどの水準でしたから。
美山(미산)中学校から沔川(면천)中学校に移った後には、自費でおやつを作り続けました。
「校長先生が作ってくれたおやつと自愛に満ちた心は生涯忘れられません。」
学校のインターネットホームページに寄せられた子供たちの感謝の言葉を見る時、最も大きなやりがいを感じるというキムソンサム校長。母の心で子供たちを見て、父の心で教える彼にとって、すべての学生たちは本当の息子、娘のようです。
コメント
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