退屈しないように シニアの暮らし

ブログ巡り、パン作り、テニス、犬と遊ぶ、リコーダー、韓国、温泉、俳句、麻雀、木工、家庭菜園、散歩
さて何をしようか

幸福な世界 7

2015-07-30 01:56:55 | 韓で遊ぶ


夫の嘘
結婚の準備で忙しい盛りの恋人同士がいました。
男は一緒に住む家を準備して、女性は結婚に必要な品物を準備して幸福な時間を送っていました。ところが、急に女性の父親の事業が失敗して、大きな借金を抱え病気になったので、女性は無一文になりました。その時、男が苦しい告白をしました。
「実は前に見せたマンション、僕の物じゃないんだ。嘘をついてごめん、、、」
「そうだったの。私は大丈夫だから心配しないで。」
実家のことで自分もお金が無く、生活に必要なものを準備する余力も無かったので女性は、男の告白を淡々と受け入れました。そして、二人は変わりない愛で困難を乗り切り、一間の部屋で新しい出発をしました。
夫婦になってはじめて、女性は夫のもうひとつの嘘を知りました。結婚前に話していたのよりも、男の月給がかなり少なかったのです。しかし、夫を大事にして愛していた妻はその嘘を問題にしませんでした。
女性の父親は思っていたよりも早く良くなり、崩れた事業もすぐに立て直しました。ですが、生活が安定すると女性の不満が始まりました。
「あぁ、一生お金の心配をしないで暮らさせてやると言っていたのに、皆口先だけだったのね。」
一間の部屋で貧しく暮らす自分の身の上がみすぼらしく、夫の言った嘘が一つ二つと思い出され、夫に対する恨みが芽生えました。
「お母さん、私、結婚失敗したみたいだわ。どうしよう。」
娘の言葉を聞いてしばらく考えていた母は、過ぎたことを話してくれました。
「これは、キム君が、あなたに絶対言わないでといっていたけど、、、」
女性の家の暮らし向きが傾いた時、女性が結婚の準備に負担を感じているのを知って、男が新居として準備したマンションを売ってしまいました。そしてそのお金で義父の借金を払いました。それに、毎月の給料の一部を病院の費用に充ててきたのでした。
「本当に、心が深い人だ。お前が良くしてやらなければ。」
すべての事実を知った後、女性は涙が枯れるほどに泣きました。夫が守ってきた秘密、それは世の中で最も美しく暖かい秘密でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする