「よう!今帰ったぜ」
「おお、アレックス。どこに行っていたんだ?」
「ちょっと日本にな。キリンカップがあったから参考に行ってきたんだ。とりあえずウズベキスタン戦の課題は見つかったと思うぜ。」
「アレックスさん日本に来ていたんなら連絡くれればよかったのに。どうです?名門ユベントスのキャプテンが見た日本代表は?」
「ヒデがいなくなって中盤が心配だったがよくまとまっているぜ。オフェンスに関してはオカザキという選手が調子いいから…そうだな、ウズベキスタン戦はアーリークロスで相手の意表を突いていったらどうだ?」
「アーリークロスですか。なるほど、そう来ましたか…」
「そうだ、チームはもちろんお前を軸に攻めていくがゴールの守りが堅い。だから司令塔のお前はあえておとりになって守りを集めて遠くから行くんだ。勿論やらなくてもいいが、次の試合はアウェーだろ?敵地でわざと練習公開の時に見せてやれ。試合の前から相手を揺すぶるんだ。イタリアはこういうの多いから慣れてるだろ?シュンスケ」
「…………(アレックスが珍しくサッカーの話してる)」
「わかりました!次のウズベキスタン戦見ていて下さい。ワールドカップ1番乗りは日本ですよ!」
「おう、楽しみにしてるぜ!衛星中継で見るから頑張れよ!」
「どうしたんだ?アレックスのやつ?」
「いや…よくわかんねぇ…、何か悪いモン食べたんだろうか…」
「こりゃ明日は雨だな…カッパ用意しとこ」
「お~い、練習すっぞ~。前回の反省を踏まえて今日の作戦を発表するぜ~」
デルピ「よし、ジジ。今日は俺とお前とでツートップを組むぞ」
ブッフォン「え?マジで言っているのか!?」
「アレックスさん、なかなか奇抜な作戦に出ましたね」
「え?お前だれ?あ、ゼゲットか。いつも笑っているからよくわからなかったぜ。まぁお前は今日ベンチな。後半から使うからな。準備しとけ」
「はーい」
前半30分
「いくらジジさんが長身だからヘッドに合わすって理屈も分かるけど大丈夫なのか…?試合が始まってから全然得点チャンスが来ないぞ…」
「シュンスケ!いいからジジのヘッドに合わしていくんだ!そらいけ!センタリングだ!」
「おうりゃー!」
実況「決まったゴーォォール!決めたのは何とGKのブッフォンだ!!」
「……おお…、決まった!いや~本当に奇抜な作戦ですよ!アレックスさん」
「実はシュンスケのインタビューからヒント貰ったんだ。だからお前に感謝しているんだぜ!」
「アレックス!俺もゴール決められて嬉しいぜ!」
「ガハハ!そうかそうか!俺も嬉しいぜ!」
前半の残り時間でもブッフォンはデルピエロの絶妙なスルーパスから前に出て
2ゴール目を上げるのであった。
前半終了
2-0
「いや~~~!!!アレックスさん!作戦大成功ですね!」
「だろ?俺にかかればこんなモンさ。つうかお前…俺の前にいるのか…巨大化したのかどっち?」
「どっちでもいいじゃないですか!さぁ後半は暴れますよ!俺のターンです!」
「まぁよろしく頼むわ」
後半戦
実況「さぁ前半絶好調だったブッフォンがGKに戻ったが今度は自分でクロスボール上げているぜ!なんてクレイジーなヤツなんだ!!!」
ブッフォン「カーンとは違うのだよカーンとは!!」
「アレックスさ~ん…」
「だからお前は笑っていないと誰かわからねぇんだって。DFのヤツも「誰?」って顔してんだろ?まぁお前の言いたい事は分かった。反省したよ、あとでジジにやりすぎだ、って言っておく」
マルディーニ「やっぱりお前バカじゃねぇの?」
デルピエロ「そうかもしんねぇな。根っからのサッカーバカだからな」
「このチームって監督いないのかな…?あとアレックスさんはただのバカです」
最近トレセゲに出番の回数が減った俊輔の素朴な疑問であった。