映画 ご(誤)鑑賞日記

映画は楽し♪ 何をどう見ようと見る人の自由だ! 愛あるご鑑賞日記です。

愛する映画の舞台を巡る旅Ⅳ ~サンクトペテルブルク(ロシア)その⑤~

2020-03-16 | 旅行記(海外)

**宮殿の並ぶ街**vol.5

関連映画:『マチルダ 禁断の恋』(2017)

『オネーギンの恋文』(1999)

その④につづき

 本館を見終わり、しばし休憩タイム。

 エルミタージュ美術館には6時間の滞在で、この“6時間”というのが、このツアーを選んだ理由の一つではあったのだが(他のツアーは大抵、3時間か、長くて4時間)、はて、6時間どこをどう見ようか、と行く前ににわか予習していて結構悩ましかった。何しろ、展示数が多すぎるし、そもそも建物が広過ぎて部屋も多過ぎ、迷路みたいで、初めて行った人間が要領よく見て回れるとは到底思えなかったからだ。

 さすがに、そこのところは旅行会社も心得たモノで、「6時間ありますよ~、行っといで~」と、入口でいきなり羊たちを放牧することなく、“この辺を押さえておけばとりあえずOK!”というところを、ナターシャさんが牧羊犬よろしく連れて見て回ってくれる。これは、人にもよるだろうが、私には有り難かった。

 大抵の部屋はフラッシュNGの撮影OKだから、写真も撮り放題。この時期、コロナ騒動の影響でいつもはわんさかいる中国人の群れがいなかったので、ナターシャさんも「こんなに空いているのは珍しい」というほど、絵を見るのに黒山の人だかりということもなかった。

 ……で、この休憩タイム、ショップに寄ってゲットしたのが、こちら。

 

トートバッグ&ガイドブック

 エルミタージュ美術館にはネコがたくさんいることは有名だが、ネコグッズもたくさんあると、事前にネットで見ていたので、ショップをのぞいてみた。が、私が狙っていたネコの付箋は見当たらず、、、。そもそもショップ自体が思っていたよりショボいというか、グッズが充実しているというほどでもなく、絵ハガキや美術関連本はたくさんあったけど、、、という感じで、ちょっと外した感じだった。

 ので、とりあえずは、日本語版のガイドブック(350ルーブル≒700円、安い、、、)と、ネコのトートバッグ(700ルーブル≒1400円、まあ安い?)を。鞠子って、、、そういう名前のネコがいるんだろうか? よく分からないけど、まあ、記念に。

 休憩終わりで、クロークからコートをピックアップして、新館へ移動。

 

広場を挟んだ向かい側にある新館

 
 こちらの新館、旧参謀本部の建物だって。2014年にオープンしたばかり。展示室は4階だから、エレベーターで4階まで上がる。4階から見下ろして、足が竦む、、、。

 

 

新館には、近代の西洋画が中心に展示されている。ドガ、ゴーギャン、ルノアール、マチス、モネなどなど。カンディンスキーもあった。

 

 

 

 

 6時間いても、結局、彫刻や工芸品などは(ゴールデンルーム以外は)まったく見られなかったし、見られた部屋も、あまりにも展示品が多過ぎて、正直なところ何をどこで見たのか、もう頭の中は混乱を極める。ガイドをしてもらってこれなんだから、ガイドがなかったら一体どうなっていたことやら、、、。私みたいに、ミーハーな美術好きにとっては、このエルミタージュは“どう見れば良いか分からない美術館”だ。プロのガイドさんでさえ、全館の部屋の配置を覚えるのに非常に苦労したというのだから、当然と言えば当然か。

 何年か前にも東京で「エルミタージュ展」を開催していたと思うが、そういった一定の切り口で見せてくれる美術展の方が、絵画の一つ一つをある程度理解しながら鑑賞するには適しているかも知れないなぁ、と思った。美術史や美術に詳しく、この美術館の所蔵品をある程度把握しているレベルの人は、やはり実際にこの美術館まで来て鑑賞する意義があるだろうが、私のようなド素人が泥縄で予習して行ったところで、何時間滞在しようが、美術品の価値に見合った鑑賞は出来ない。

 私が印象に残ったのは、数々の美術品よりも、この宮殿そのものだった。豪華な部屋の数々、調度品等々。あまりにも装飾が過ぎて、少々ゴテゴテ感を禁じ得ないが、、、。こんなところで暮らしたら、ものの数日でイヤになりそうだが、一生に一度くらいほんの数時間見学するには目の刺激になって良い。

 もう一度行きたいか? と問われると、正直なところ迷う。行って再見した絵画はあるけど、恐らく今回以上に落ち着いては見られないだろうし。だったら、他の美術館に行きたいかなぁ。なんにしても、デカ過ぎる、多過ぎる。……そう、落ち着いて見られない、これが一番、再チャレンジを迷う理由かも。


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 巨大迷宮を6時間も彷徨い、ヘトヘトになった一行は、夕食へと向かう。

 

こちらのお店でディナー

 今日のメニューは、「キエフ風カツレツ」だって。


こちらが「キエフ風カツレツ」 ブレちゃった、、、

 肉はチキン。バターを肉で巻いてカツにしているらしいのだが、肉は胸肉っぽくややパサつく感じだったが、切るとバターがジュワ~でまあまあ美味しかった。手前の白いのはご飯。ちょっと、というか、かなりベチョッとした米飯で、ハッキリ言ってイマイチ。付け合わせはロシア版コールスロー。

 

 デザートは、まるごとリンゴのコンポート??シロップ漬け?みたいの。白いのは粉砂糖。なんだが、なぜかあまり甘くない。リンゴの酸味が結構残っていて、不思議なデザートだった。

 一緒にいただいたのは紅茶。紅茶というと、ロシアではティーバックで出てくることが多いらしく、ここでもそうだった。ナターシャさん曰く、ロシアの紅茶はあんまり美味しくないから、それをごまかすために、ロシアではジャムを舐めながら紅茶を飲むのだとか。ジャムを入れた紅茶をロシアンティーと言っているのは日本人だけみたい。もちろん、私もそう思い込んでいた。……ま、確かに、あまり特筆するような美味しい紅茶ではなかったですね。ジャム舐めながら飲んではいないけど。


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 で、この日の夜の予定は、バレエ鑑賞。オプションではないので、もちろんマリインスキー劇場で鑑賞というわけにはいかない。劇場は、エルミタージュ美術館の並びに併設されているエルミタージュ劇場。

 

エルミタージュ劇場

 エカチェリーナ2世が個人的にバレエやオペラを楽しみたい、ということで作られた私的な劇場ということで、席数も約300と少なく、ご覧の通り実にこじんまりとしている。席は自由なので、私は真ん中の後ろから2番目くらいの席を選んだ。 

 

オケピットも狭い

 

オケピット前から客席を見る

 

 最初はまばらだった客席も、開演時間が迫るにつれて人がどんどん入ってきて、最終的には8割方埋まっていた。ナターシャさんに言わせると、いつもは中国人で溢れているが、今はほとんどいないので空いているんだそうだ。まあ、マリインスキーだとかなりお高いだろうから、こちらはきっとお手頃なんだろう。もし、再訪する機会があれば、そのときはマリインスキーで鑑賞したいな。

 

幕間にロビーでアイネクライネ。1stVnのお姉さん上手いなーと思っていたら、コンミスだった

 

 肝心の演目はというと、ロシアバレエの十八番「白鳥の湖」。正直なところ、私はバレエ音楽は好きな曲がたくさんあるが、バレエ自体はあんまし興味がなく、今までバレエの舞台を劇場で鑑賞したことは数えるほど。この「白鳥の湖」については、あの『リトル・ダンサー』のラストシーンに出てくる英国ロイヤルバレエのマシュー・ボーン演出「スワン・レイク」東京公演を20年近く前に渋谷のオーチャードホールで見たが、本来の白鳥湖とは大分違うからねぇ、、、。

 でも、チャイコの音楽自体は好きで割とよく聴いている。チャイコの管弦楽曲は、シンフォニーもコンチェルトも苦手だが、バレエ音楽だけは素直に“いいなぁ~”と思えるのよね。

 なので、この公演、バレエもそこそこ楽しみではあったが、演奏の方が楽しみだった。

 


オケのメンバーがバラバラと入ってくる

 

 幕が開いたら撮影禁止なので、残念ながらバレエの画像はないのだけど、バレエが大好きで熊川の追っかけをしていたというツアーのお仲間曰く、バレエ自体は「まあまあ」だったそうだ。確かに、私の目にも、それほど「すんごい上手い!」とは映らなかったので。ダンサーは皆若い人が多く、小柄な東洋人もいた。オデット・オディールと悪魔はさすがに上手いなぁ、と思ったが、王子様はルックスも含めて普通っぽかった。

 ただ、やはり上背がある人が多いので、舞台映えするし、私が一番興味を引かれたのは衣裳だった。ロシアというと、フィギュアスケートの選手たちの衣裳がとてもステキなのが印象的だが、この日のバレエの衣裳もステキなものばかりだった。まあ、それを間近に見られただけでも良かったというもの。

 オケの演奏は、思ったよりは上手で、指揮者もさすがに慣れたものという感じだった。気になったのは、トロンボーンが2本しかいなかったんだが、編成はたしか3本だし、チューバはいたので、バストロンボーンは一体どこへ、、、??まぁ、特にバランス的に気になるほどではなかったから良いのだけれど。ホルンはもうちょっと訓練すべし、って感じだったけど、木管は皆さま割とお上手だった。弦もまあまあ、、、かな。

 終わったら盛大な拍手で、そこそこ盛り上がり、ツアーのお仲間たちも堪能されたみたいだった。……とはいえ、今日はハードな1日だったから皆さん、帰りのバスの中はシーンとしていて、お疲れだった様子。もちろん、私も、、、。

 翌日はモスクワへの移動日。荷物のパッキングをして、お風呂入って、バタンキュ~であった。

 

 

その⑥へつづく

 

コメント (4)
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