斑鳩寺を後にし加古川市にある鶴林寺に来ました。「播磨の法隆寺」と呼ばれる名刹です。
聖徳太子が恵便法師の教えを受ける為にこの地を訪ねています。
白鳳時代の金銅聖観音立像(重文)です。
会社の転勤で今から17年程前から6年間、加古川市に住んでいました。
鶴林寺は一度訪ねただけで、今から思うと随分と損(?)をした気持ちです。
鶴林寺の正門仁王門(室町時代)です。
鶴林寺は聖徳太子建立のお寺で、高句麗の僧・恵便法師が排仏派の物部氏からの迫害を逃れる為にこの地に身を隠しておられた地です。
聖徳太子が恵便法師の教えを受ける為にこの地を訪ねています。
587年に秦河勝に命じて寺院を建立したのが鶴林寺の始まりです。
国宝建築の本堂(1397年建立)です。
和様・大仏様・禅宗様の折衷様式の代表作と言われています。
ご本尊さまは薬師如来、脇侍に日光・月光菩薩の三尊形式です。
秘仏の為、お厨子は閉められています。
国宝・太子堂(1112年)です。
檜皮葺の屋根に宝珠をいただいた宝形造です。
兵庫県では最古の建築物だそうです。
ご本尊さまは釈迦如来、脇侍に文珠・普賢菩薩の三尊形式で四角には四天王がご本尊をお守りしています。
国宝建築物を2件有するのは兵庫県では、ここ鶴林寺だけです。
室町時代建立の三重塔です。
近年に放火で一部が損傷しましたが1980年に解体復元修理が行われました。
重要文化財の常行堂です。
阿弥陀仏の周囲を念仏を唱えながら行われる天台宗の修行が行われるお堂です。
1406年建立の行者堂(重文)です。
前面が春日造、背面が入母屋造です。
最後に宝物殿を見学します。
僕が加古川市在住の時には無かった施設です。
白鳳時代の金銅聖観音立像(重文)です。
その昔、この像が盗まれ、盗人が像を溶かして一儲けしようとしたところ、「あいたた」との観音さまのお声に驚き、像を返し改心したとの伝説があるそうです。
「あいたた観音さま」と通称されています。
仏像や仏画以外にも八幅からなる縁起なども展示されています。
興味のあったのは太子堂の内部の復元展示です。
九品来迎図、仏涅槃図、柱絵、その他の壁画が再現されています。
現物は長年のすすで覆われ肉眼では見えないそうです。