仁和寺はわが国最初の門跡寺院で先帝光孝天皇の遺志を継いだ宇田天皇が仁和4年(888)造営した寺院です。
以降、明治維新に至るまでの約千年間、硬質から住持を迎えています。
今回の公開は国宝の金堂と重要文化財の五重塔です。
この優美な建物は桃山時代の御所の紫宸殿を譲り受け移築されたものです。
屋根は檜皮葺から瓦葺に変更されていますが蔀戸や金色の装飾金具、内部は天井を張らない舟底天井にかっての紫宸殿の名残りが見られます。
天井が張られていないのは侵入者を防ぐ目的からだそうです。
江戸時代の仏師・運節作の阿弥陀三尊がお祀りされています。
屋根には黄安仙人が。
千年に一度、水面に浮かぶとされる亀を五度も見たと言われる仙人で「永遠」の象徴として屋根に飾られているそうです。
次に五重塔です。
江戸時代寛永21年(1644)の建立で。高さ約36m、各層の屋根の大きさがほぼ同じ大きさで、近世建築技術の向上が見られます。
内部を見るのは初めてです。中央の心柱の四面には胎蔵界の五仏がお祀りされており、柱や壁、天井は折上げ小組格天井で極彩色の仏画が描かれています。
塔の内部には入れず、アクリル板越しの見学でしたが、真言密教胎蔵界を感じることが出来ました。
(金堂内部、五重塔内部の写真は京都市観光協会HPから転載させて頂きました。)