京都つれづれなるままに

京都好きの旅日記。お寺、神社、グルメからスイーツまで!思いつくままに。

極楽山 浄土寺(兵庫県小野市)

2021年03月06日 06時38分00秒 | 日記
 兵庫県小野市にある法華山 浄土寺は平家による南都焼き討ちにより荒廃した東大寺の勧進職を務められた俊乗房重源上人が建立された寺院です。






浄土堂は別名阿弥陀堂とも呼ばれ、その建築美は素晴らしいものがあります。

重源上人が東大寺勧進職となられ所領としてここ大部荘を与えられ、寺院を建立したのが浄土寺の始まりです。





重源上人は中国・宋に3度渡り建築、工芸、支度などに造詣が深く、東大寺再建に際しても当時、最新建築技術の天竺様(大仏様)で南大門を再建しています。

同じ天竺様を用いて建てられたのが浄土堂です。
重源上人が手掛けた天竺様の建物は前述の東大寺南大門と東大寺開山堂、ここ浄土寺の浄土堂の3棟のみです。



桁行三間、梁間三間の立派な建物で昭和27年に国宝指定されています。



鎌倉初期の作ですが金泥の剥落もないようで、今までに本格化な修理は行われていないようです。



内部ですがエンタシスの柱からは何本もの挿肘木が伸び、天井を張らない化粧屋根が最高部まで見え、空間の広さと共に優美さを感じます。

中には名仏師快慶作の阿弥陀三尊仏(いずれも昭和38年に国宝指定)が安置されています。
浄土堂創建当時の像で阿弥陀如来立像は高さ530cm、脇侍の観音・勢至菩薩立像はそれぞれ370cmの大きな仏さまです。
丈六の阿弥陀三尊立像は全国的にも珍しいそうです。

これだけの像高を支える工夫もされ、円形の台座の下まで支えが入っているようようです。

また、阿弥陀如来立像の大きさを考えると、このお堂が化粧屋根のままなのかがわかります。

入堂したのが、拝観時間の30分前の15時半で西に傾いた太陽の光りがお堂の蔀戸越しに入り込み、神秘的な美しさを感じます。
当時の人々も同じ光景を目にしていたと思うと感慨深いものがあります。
(写真が撮れないのが残念です。)





浄土寺の本堂(薬師堂)です。
詳細は駒札をご覧下さい。





鐘楼堂です。







浄土寺の鎮守社の八幡神社拝殿と本殿です。(ともに重文です。)
奈良東大寺の鎮守に手向山八幡宮がお祀りされているように、ここ浄土寺でも鎌倉後期の嘉禎元年(1235)に建てられました。





浄土堂前にある板碑です。
一部は失われていますが長年の風雪に耐えよく残っています。

阿弥陀信仰の素晴らしさを感じました。

最後に御朱印を授与して頂き、家路につきました。