このは紅葉のお絵かき日記

トランプ大統領・たつき監督・irodoriの味方だよ

#539 北風昏迷録(9)

2007年10月16日 | そのほか
あの後2、3日ほど休みました。
当時はただでさえ病気がちでよく学校を休みました。
その上いじめられていたのですから当然学校には行きたくありませんでした。
それでも何とか通っていたのは、「どうしても学校に行かなくてはならない」という義務感と、まゆみちゃんがわざわざ(少し遠回りして)迎えに来てくれたからでしょう。

かよ「紅葉がいないって?」
まゆみ「うん。いつもわたしのそばから離れないのに、いないということは、またどこかに連れ出されたんだわ!」

「このあいだは、よくもほうきでたたきやがったな! 罰としてパンツの刑にする!」
「おい、パンツ見せろよ!」

「こいつ、夏でも一年中、毛糸のパンツと腹巻きをしてるんだぜ」
「気持ち悪いよな」

「紅葉ちゃん、大丈夫?」
かよちゃんと、まゆみちゃんが助けに来てくれました。





かよ「え?! 紅葉?」

まゆみ「かわいそうだから、ゆるしてあげてって、紅葉ちゃんが…」
かよ「かわいそう? どうして、こいつらをかばうんだ? かわいそうなのは紅葉の方だろ?」

まゆみ「それに、島崎さんには乱暴なことをしてほしくないんだって…」
かよ「・・・」

かよ「わかったよ、もう殴らない。ケンカもしないよ…」
紅葉「・・・」

かよ「だけどな、また紅葉をいじめたら、今度は紅葉が止めたって、あたしがゆるさないからな!」

「ちくしょう! 逃げろ!」
「憶えてろよ!」

こうして、わたしはかよちゃんとお友達になりました。
(実際には、親しくなるまで少し時間がかかったのですが…ここではもはや些事にすぎません。)
これ以後、小学校ではいじめられなくなりました。

後年聞いた話では、まゆみちゃんがわたしを守るために、強いかよちゃんとわたしとを仲良くさせようと、がんばってくれたということです。
つづく…