このは紅葉のお絵かき日記

トランプ大統領・たつき監督・irodoriの味方だよ

#1272 風の谷のかっぱがおる(14)

2011年02月06日 | 風の谷のかっぱがおる
ミト「結局、生存者は1名だけでしたか」
ユパ「これほどの大事故で生存者がいただけでも奇跡だ」

『風の谷のかっぱがおる』の続きです…)


ユパ「それにしても、この巨大な肉塊のような物は何だろうか? ひどい腐敗臭を放つうえにあの炎でも焼けぬとは…」
ミト「ユパ様に分からぬものを、このわしに分かるはずがないではありませんか」
ユパ「なるほど、それもそうだな」
ミト「……」
ユパ「これが何にせよ、墜ちたのが谷の風下だったのが不幸中の幸いだった。これが風上であったら、谷中が悪臭に呑み込まれることになったろう」


ユパ「ラステルは何か言っていたか?」
ミト「はい。ひと月ほど前からペジテ市中に悪臭が立ちこめるようになり、その後突然トルメキア軍が侵攻してきたとのことです。逃げ遅れたラステル他数名が捕らえられ、輸送艦で何処かへ向かう途中、艦内に臭いが充満して乗員が意識を失い、ここに墜落した…それ以上のことは分からぬと…」
ユパ「ふむ…ペジテ市と同盟を結んでいたトルメキアがなぜ侵攻したのか、この悪臭の肉塊が何なのか、謎だらけだ…」


ミト「もしかするとこれは産業廃棄物かも知れませんぞ。この毒々しい外見と悪臭…どう考えても有害物質が詰まっているに決まっています。ペジテ市は鉱石採掘の国、トルメキアは重工業の国です。どちらも産業廃棄物の排出国です。この廃棄物の処理を巡って両国の間に争いが起こったのかも知れません」
ユパ「いや、無いとは言えんが、そう判断するには材料が少なすぎる」
ミト「そうですか? 結構良い線行っていると思ったのですが…」
ユパ「最も憂慮されることは、我が国もその紛争に巻き込まれるかもしれんということだ。トルメキア同盟に加盟している辺境国…そしてこの悪臭…今の風の谷が置かれている状況がペジテ市と状況が一致している」
ミト「はっはっは、まさか、この後トルメキアが攻めてくるなんて言うんじゃないでしょうね。そう判断するには材料が少なすぎではありませんか? いや、無いとは言えませんがね…」


風の谷より伝令「ユパ様、大変です! 谷がトルメキア軍に襲撃されています!」
ミト「なんだと!?」
ユパ「全員すぐに谷に戻れ!!」


(15)につづく…

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