カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

今年を振り返る⑪懐かしの映画編

2010-12-30 | 映画

懐かしの映画編

なんに誘発されたのか今となっては不明だが、何故か大魔神にハマっていた。
大魔神/安田公義監督
 見返してみると、やはりそれなりに古くなっているんだけど、子供のころにテレビで見ていた感じとなんだか微妙に違うところが面白かった。子供のころには大魔神がものすごく怖かったのだけど、しかし同時に暴れてくれるのが爽快であったように思う。今見てみると、盛り上がり前のドラマの人民の閉塞感というものについて、つい考えてしまうものがある。今の時代もどういうわけかそうかもしれないのだが、人知の及ばない力を希求するというか、そういう大衆の心理があるのではないか。そういうところが、なんだか面白いものだと思うのだった。
 しかしながら当時の子役って、なんだか本当に下手でいいですね。


大魔神逆襲/森一生監督
 大魔神といえば佐々木投手を以前は思い浮かべたものだけど、いつの間にかどこに行ったのだろう。松井はゴジラだし、日本のスゴイっていうのは、ずいぶん以前の遺産に照らし合わせてみないことには、共通のものがなくなってしまったということなのではないか。そういうことも考えさせられて、そして娯楽作としてもなかなかであることも、加えておかなければならないだろう。マイブームとはいえ、大魔神お勧めです。まあ、時代性はちょっと恥ずかしいところもあるんだけどね。


アキラ/大友克洋監督
 当時の未来像なんだけど、今見てみると携帯電話が無いところがかなり痛い感じがする。つまり未来というのは、やっぱり予測不能のことが普通の風俗としてありうるということなんじゃなかろうか。しかしながらこの世界観は当時熱中していたことは確かで、大友の漫画はやっぱり迫力あるなあ、と思いました。未来の服装がいけてない感じが、まあ、愛嬌といえばそんな感じではあるが…。


麻雀放浪記/和田誠監督
 これは途中で観たことがあることを思い出した。それでもほとんど忘れてたけど…。
 ギャンブルの非情というのを描いているようで、やはり戦後の日本の悲しさということだったように思う。戦争に負けて、人々がすべて再生に向けて働いたわけではないということだろう。そういう隙間に生きながら、いや、そういう隙間にしか居場所の無かった人間が見た人間臭い悲哀のようなものが描かれている。なんとなく残念な演出もあるけれど、それも含めて、僕たちの知らない世界という感じだ。


コレクター/ウィリアム・ワイラー監督
 若き日のテレンス・スタンプ。繊細で恐ろしい感じがなかなかである。
 しかしながらこのような昆虫採集家に対してのステレオタイプな偏見が、この映画の恐怖感を支えていることは確かで、脱力感もないではない。まあ、お笑いとして気にしないことか。しかしながら、案外このような監禁恐怖という題材を後の映画はかなり拝借したらしいことはよくわかって、資料的に見ておくという見方もできるのかもしれない。まあ、誰にそんな必要があるのかはよく分からないのだが…。


ヤング・ゼネレーション/ピーター・イエーツ監督
 これは宇多丸にとって特殊な映画らしいということらしくて、ついDVDを買ってしまった。もちろん僕も小中学生くらいのころに見たことがあって、そして激しく覚えていた。確かに当時は頻繁に地上波で流れていた映画で、妙に印象に残った映画であるとは思っていた。今回見直してみて、その頃の空気のようなものも思い出して、そして改めて思った以上にいい映画だと思った。知らず知らずのうちに影響を受けていたかもしれない。お正月に観るには最高の青春映画だろう。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今年を振り返る⑩  小説編

2010-12-30 | 読書
 小説はあんまり読まないんだけど、時々は手に取ります。だいたい移動中にミステリーなどを読むことが多いんだけど、なぜが純文学的なモノを少し読んだので…。

□小説
学問/山田詠美著(新潮社)
 これも誰かに勧められたんだったよな。面白く読めたけど、ほとんどポルノみたいなものじゃなかろうか。いや、全然エッチじゃないんだけど、少女版ヰタ・セクスアリスですね。僕は男だから、そうなんだ、とは思いましたけど。


タマや/金井美恵子著(河出文庫)
 これはなかなかうまいもんだな、と思った。父親不在、というか、男たちでありながら、男がやはりいない感じ。楽しいというよりかったるい不機嫌な心地よさのようなものがある。センテンスが長い退廃生活で、なんだか芸術家みたいだな、などと勝手に思い込んで読んだ。映像化しても面白くないだろうし、小説ってこんな感じなんだと妙に感心した次第であります。


インディヴィジュアル・プロジェクション/阿部和重著(新潮文庫)
 あまりにも分裂症的。こういうのを渋谷文学というの? 
 喧嘩と殺戮のリアルさと、現実の非現実感が錯綜して、いったいどうなのよ、とは思いながら結局読んでしまった。これからも付き合うかは思案中。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする