カワセミ側溝から

好きな言葉は「のこのこ」。好きなラジオ中継「相撲」。ちょっと苦手「煮た南瓜」。影響受けやすいけど、すぐ忘れます。

真ん中に立つべきものらしい

2011-12-03 | 境界線

 エスカレーターに立つ位置が東京と大阪で違うというのはよく話題になることだ。正確には大阪以外の場所から大阪に来ると、右側に立って左側を空けている風景に出くわして違和感を覚えるというのが真相らしい。大阪って変わってるな、という印象を持つという訳だ。ちなみに全国的に左側に立つ方が一般的らしいが、田舎に行けばいくほど特にどちらかを空けるというようなことをしなくなるのが普通だ。そんなに急いでどこに行く?という問題の中では、どちらに立つなんてことは意味がない。その上もともとエスカレーターはどちらかに偏って立つべきものではないのだという。急いでいる人の方が迷惑なのだ。
 何故大阪だけは右側に立つようになったのかというのは、万博の時に国際標準に合わせたためらしい。海外から多くのお客さんを呼ぶので、国際都市である大阪は右に立ちましょう運動をやったのだとか。そういう訳で日本以外の多くの場所では右側というのが普通であるらしい。自動車が日本と同じ左側通行である英国でも右らしいので、エスカレータの標準がどのような力関係でそのようになっているのかは不明である。海外から東京に出張(旅行でもいいけど)に来る人は、日本って変わってんなあ、と思うのだろうか。
 先日ヴィクトル・エリセの「ミツバチのささやき」という映画を見ていたら、人間の心臓はどこだというのを子供に教える場面があった。答えはからだの真ん中(肺の隙間の真ん中)。日本だと左側とばかり習うので、スペインというのは面白いな、と思った。もっとも救急救命の心臓マッサージなどでは心臓は真ん中と習うから、左というのは極端なのかもしれないが。
 人間は本来左側通行で、それは左に心臓があるから、というような話も聞いたことがあるようだ。スペインだけの比較では分からないが、根拠としては疑わしくも思える。日本では武士のお互いの脇刺しがぶつからないように左側を歩いたともいう。武士が一般的な多数派では無いから、その影響であるとは怪しいが。
 聞くところによると、やはり欧米では、エスカレーターで無くとも右側を歩くのが普通というか、マナーのようなところもあるらしい。そうすると人間の習性というより、習慣のようなものなのかもしれない。何故か日本(特に東京)は、それが左で定着してしまったのだろう。
 そもそもどちらが正しいと考えたがるのが現代病だから、どちらでもいい話ではある。そうはいっても大阪では右で東京では左。自然に使い分けるのがいいようです。
コメント
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